応接室には専用電源ラインは引いていませんが、アンプとDAC、ラズパイと光変換器用電源は非メッキ真鍮コンセント・プラグ・インレットで調整、低ノイズのスイッチング電源とノイズ対策によりアナログテイストで極めて自然な響きを達成できました。わずかな費用で非常に満足度が高いので紹介します。
アンドラーシュ・シフのピアノ、塩川悠子のヴァイオリン、エーリッヒ・ヘーバルトのヴィオラによる「モーツァルト自身の楽器による三重奏曲集」1995年1月、ザルツブルグ、モーツァルテウムでのデジタル録音。ヴァイオリンとピアノ、恐らくヴィオラもモーツァルト自身が所有していた楽器を使って演奏された稀にみる貴重な録音です。
foobar2000でUPnP再生中、QuickLookによるジャケット表示画面。矢印キーでフォルダー内の画像やテキスト、URLリンクを切り替えることでストリーミングやデジタルデータ、タグにない任意の情報を直接表示できます。
当時のサロンでの優雅な演奏風景が鮮やかに目に浮かぶようです。没入感がすごいのでデジタル再生か生演奏か判別し難いほど。その主な理由はアンプ電源ラインのいわゆる末端効果とスイッチング電源のノイズ対策です。
電源の非メッキ化:
応接室では2か所のパナソニック製 非メッキ真鍮コンセントと各社プラグ・インレットの組み合わせで音質調整しています。私の環境ではコンセントに対してプラグとインレットを統一すると澄んだ音がします。全ケーブルはアース絶縁、コンセントはパナソニック フルカラー埋込接地ダブルコンセント WN1512KPです。
左:アンプ、クラシック向けDAC用
プラグはアメリカン電機 平刃形 ナイロンプラグ 7112GN、インレットはSCHURTER(シュルター)4781、ケーブルはオヤイデ PC-23です。圧着端子なので業者に依頼。
右:ラズパイと光変換器用リニア電源、ジャズ・ロック向けDAC用
プラグはパナソニック 接地15Aタフキャップ 125V ミルキーホワイト WF5015W、汎用ケーブルでインレットはメッキのままプラグだけ自分で改造。
写真左:アメリカン電機 ホット・コールド両刃とも非メッキ真鍮、アースはメッキ
写真中:パナソニック ホット片刃だけ非メッキ真鍮
写真右:パナソニック フル非メッキ真鍮
写真がありませんが、シュルターのインレットもフル非メッキ真鍮。
これらの組み合わせで響きの量と質を調整していますが、いろいろ試してみてこの結線に落ち着きました。専用室も同じ組み合わせですが、アンプとクラシック向けDAC用は専用ラインです。
イメージ通り結線の非メッキ箇所が増えるほど響きも豊かになりますが、ジャズ・ロック向けDACでは音源にDSPで加工追加されている響きと合体、定位が朧になるほど過剰になりやすいです。逆にDSP処理されてない60年代以前のジャズはフル非メッキ結線で ベルデン19364 が抜群にいいと感じました。
絶縁・非絶縁型スイッチング電源:
高周波ノイズを発するスイッチング電源を使わざるを得ない場合、高周波トランスでガルバニック絶縁するシリコンタイプがよいと思いました。今まではDDCと音源HD用に非絶縁型のGaN_PD(窒化ガリウム充電器)を使ってきましたが、今回の電源の非メッキ化でその悪影響が顕著になりました。スイッチングノイズが非メッキ真鍮と共振して倍加するようなイメージで、とんでもなく煩くなります。(訂正:PetitSusie+Tankを使うと個体差程度に下がります。DDCに使うと静かになり過ぎるように感じます)
両者とも100Vのままスイッチングするのでそのノイズエネルギーは凄まじいわけですが、高周波トランスのフェライトが少なからず吸収、加えて一応は絶縁されてます。必要悪ですから私はフェライトクランプとPetitSusie+Tankでしのいでます。PetitSusie+Tankはバルクキャパシタへのラッシュカレント(突入電流)で安全装置が働き、非絶縁型のGaN_PDでは使えませんでした。(訂正:現行品では問題なく使えました。5年ほど前のものでは動きませんので改良されたのでしょう)
リニア電源と絶縁・非絶縁スイッチング電源の特長については、この図の引用元を参照してください。
交流を直流に変換する「AC-DC電源」のきほん – EDN Japan
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サロンミュージック良いですね。
コレルリ、パーセル、バッハ、テレマン、ハイドン、モーツァルト等々大好物です。
中でもエレガントなハイドンは特に好きかな。
ちなみに私は非メッキ真鍮&TPC派で、ノートPC(WinXP)には電研ノイズカットトランスとGaN電源を使ってて24bit、384kHzでDACに転送してますが特に煩いと感じたことはないですね。ただ、しょぼいシステムなので没入感は全くありません(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=31e0AbYN8Wc
spcjpnorgさん、空気録音がきれいな良い音なので驚きました。
応接間にはサロンミュージック、特にモーツァルト嫌いな人は少ないので最初はこれで反応を見るという感じで、グリュミオーとハイデュのユニットがうちの定番です。
非メッキ真鍮&TPC派とのことですが、TCPとはケーブルのことですか?ご教示いただけるとうれしいです。
GaN電源ですが現行品で確かめたところPetitSusie+Tankが使えました。5年ほど前のものでは動きませんので改良されたのでしょう。本文も訂正しました。
なるほど、モーツァルトはクラシックをあまり聴かない人にも受け入れられやすいので様子見には最適ですね。
TPC=タフピッチ銅(Tough Pitch Copper)、極々普通の銅線で無酸素銅(OFC)の下のランクです。
電源ケーブル、USBケーブル、RCAケーブル、XLRケーブル、SPケーブル、全てTPCを使ってるのでTPC派ということになります。
上位の銅線に比べキラキラし過ぎないので好んで使ってます(お安いので気兼ねなく使えるのも利点ですが、、、笑)
インターコネクトケーブルもTPCですか。澄んだ空気録音を拝聴すると説得力があります。
無論、お使いの NuPrime STA-9 のシングルエンドA+D級(スイッチング周波数550kHz)アンプ、高能率トロイダルトランスのリニア電源や真空管アンプサウンドの偶数ハーモニック(H2)回路というのも効いていると推察いたします。
電研ノイズカットトランスでPC周りの高周波ノイズの逆流を止めていることも効いているのでしょう。タップ・コンセント・分電盤の順にノイズが減衰しながら逆流していきますので、接続と配線を工夫してノイズカットトランス効果を得たいと試行錯誤しています。スイッチング電源のまとめ方でずいぶん変わりますので後日レポートします。