まず、iFi AC iPurifierが何かしらのノイズみたいなものを
コンセントに注入している事は良く知られた事です。
[:image3:]iFi社もアクティブノイズキャンセラー?という名前で
ノイズに対してノイズをインジェクションする事を示唆しています。
一方で、高周波に対してはパッシブのノイズフィルターとして働きます。
宮崎技術研究所様のWeb講座
「良く分かる 実用ノイズ対策技術 2.信号のモード」
http://www.miyazaki-gijutsu.com/series2/noise021.html より
はじめに、
コモンモードノイズフィルターというものをおさらいしてみます。
コモンモードノイズが「Yコン」を通ってGNDに流れていくイメージです。
[:image1:]コモンモードは上図のようにペアになる2本の線を ‘同一方向’ に走るノイズです。
同一方向なので、オシロスコープでの捕捉は基本的に不可能です。
(コモンモードだとペアの線、GNDとプローブ端が同電位で、差が出ないため。オシロスコープは差を見る道具。)
コモンモードは、近年、特にオーディオ分野で問題とされるモードです。
それを捕捉してアースに逃がすのが、コモンモードノイズフィルターです。
見ての通り、2本の線の間に2個の直列のコンデンサーがあります。
「Yキャパシター」「Yコンデンサー」「Yコン」などと呼ばれています。
オームの法則により、2つの真ん中の電圧はAC50Vとなります。
コンデンサーは交流に対しては電気を通すからです。
といっても、コンデンサーの容量次第です。
『大きな容量ほど』 50/60Hz の 『低い周波数』 を よく通します。
あんまり容量を大きくすると、そのアースに流れる漏洩電流のせいで、漏電ブレーカーが落ちるので注意してください。
ノイズフィルターを複数個大量に接続すると、コンデンサー容量が並列接続でどんどん増えていき、漏電ブレーカーが落ちる事態に至ります。どうしてもノイズフィルターを沢山使いたい場合は、絶縁トランスで回路を絶縁します。絶縁すれば漏電ブレーカーを落とさずにノイズフィルターを増設できます。(絶縁トランスの2次側は別世界になりますので、基本的に漏電そのものが発生し得ません。)
基本的に小容量のコンデンサーは、高い周波数の電気の通りが良いです。低い周波数はあまり通さない。基本信号が 50/60Hzの商用電源に は 、このコンデンサーの特性が、ノイズ対策として役立つ訳です。
オーディオ機器にも内部的にこのようなノイズ対策部品があったりします。
[:image2:]こんな風に「Yコン」を通じてケースが商用電源と接続されるために、テスターのACモードで電圧を測ると・・・40V近い電圧が観測されて驚きます。しかし、知っていれば当然の事だと分かります。コンデンサを経由して活線がケースに接続されているのと同じだからです。
これらは iFi AC iPurifierの中身の写真です。「Yコン」が沢山見えます。
iFi社が言うように AC iPurifierは パッシブ型のノイズフィルターでもあります。ノイズフィルターとの違いは、コモンモードチョークが無い事ですね。「Yコン」からGND(アース)にコモンモードノイズを逃がす構造です。
http://ifi-audio.jp/acc/ipurifier_ac.html より
[:image5:][:image6:][:image7:]青い円板で一番大きい10円玉のようなものは文字を読み取ると ‘VDR 20D471K’ つまりこれは「バリスタ」です。
青くて大きい「バリスタ」と青くて小さい「Yコン」の働きを以下に図示します。
[:image4:]iFi AC iPurifierの持つノイズフィルターとしての側面でした。
(この図を見れば、iFi AC iPurifierの数を増やせばもっと良いという宣伝文句の意味が分かると思います。バイパスを増やすイメージです。実際はコンデンサーを並列接続して全体容量を増している事と等価。)
図ではわざと省略しましたが、2つの「Yコン」の中点はGND(大地アース)に接続され、その経路でコモンモードノイズを逃がします。GND(大地アース)しない場合はコモンモードノイズは逃げません。
【参照】
『増やせば増やすほど音質向上! iFi audioの電源エンハンサー「iPurifier AC」を複数使った効果を試す』
https://www.phileweb.com/review/article/201808/17/3131.html
【参照】
増やす程効く同系統のアクセサリー『Greenwave Dirty Electricity Filter』
https://greenwavefilters.com/dirty-electricity-meter/
■忘れてました、<<ノイズカットトランス TM>>。
ノイズカットトランスが、このiFi AC iPurifierのインジェクションするノイズのような信号をシャットアウトする事ができるか?確認してみました。
結果、完ぺきにシャットアウトしていました。
2021/04/27注記:シャットアウトしていたのか、iFi AC iPurifierが信号出力していなかったのかは判別できないので、シャットアウトしているように見えますが実際のところはそこまで断言できません。注記ここまで
動画にしています。
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***************** Youtube動画 *******************************
「iFi AC iPurifierのノイズを遮断する<<ノイズカットトランス TM>>
コンセントにiFi AC iPurifierを挿すと簡易ノイズ測定器がノイズを検知してブーーと大きな音で鳴りますが、NCT に iFi AC iPurifierを挿した場合には簡易ノイズ測定器はそのノイズを検知できません。その様子。
[:image8:]⇒ https://youtu.be/H6OMx0Z6zKQ
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================= Youtube動画 =================
「iFi AC iPurifierが近くにあるラジオに与える影響」
iFi AC iPurifierを通電させるとラジオにノイズが入ります。その様子。
また、大地アースを接続して緑ランプ状態にするとノイズは緩和されます。
[:image9:]⇒ https://youtu.be/RaTpECeQj9k
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なんだか iFi AC iPurifier を Disっているようですが、
必ずしもそうではありません。
iFi AC iPurifierはノイズフィルターとしての特質も持っています。
それはアースを接続することではコモンモードに威力が発揮されます。
(アース接続しなくても、2個直列接続する事で容量が半分になったXコン、パスコンとしての働きもします。下図下側、アース接続しない場合の2個直列 Yコンの働き=パスコンとしての働き。)
[:image4:]
また、ノイズをコンセントにぶち込んでいるように見える件も、
ノイズによっては音が良く聞こえるかもしれないので一概に否定するものではありません。
オーディオCDや、画像処理で良く知られた技術に『ディザ』があります。これはわざとノイズを加える手法です。
Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B6 より
[:image10:]iFi AC iPurifier を活用される人は、使い方を注意しないと
アクティブノイズキャンセラー、ノイズフィルター、アース接続、それらのいずれか、またはそれら全てを、<<ノイズカットトランス TM>>によって遮断される可能性があります。
何がどこに流れていくのか?どことどこが繋がっているのか、
イメージしながらオーディオシステムを構築する必要があります。
堅苦しいことを書きましたが、ホワイトノイズには癒しや安眠?の効果があるとかいう話もあります。レコードやカセットテープのヒスノイズも案外人間にとっては有った方が良い落ち着けるノイズなのかもしれません。
■2021/04/08追記:
世界に目を向ければ、カナダのYoutuber「hi-fi AF」の
検証方法が最良です。下記3点を実聴込みで総合的に評価しています。
音楽を聴くという観点で彼の耳による評価は
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△:iFi AC iPurifier ノイズが減るが退屈
○:トランス(Plixir) サウンドGood
×:ポータブル電源(Jackey) 役に立たない
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Html版
https://www.hifiaf.com/power-conditioning-shootout/
動画版
https://youtu.be/bV-gSAcfs3E
※Youtubeやブラウザの 『翻訳機能』 を活用して視聴や閲覧下さい。
追記ここまで
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