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PFC搭載スイッチング電源の流行が 来るか?来ぬか?

日記・雑記
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1999年7月、私の憧れ?のJeffRowlandから
皆さんもご存じ、Model10が発売されました。
オーディオの足跡さまより 画像を拝借

これは業界初のPFC搭載のスイッチング電源を採用したパワーアンプでした。
Model10の取扱説明書からその部分を引用します。
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■本機の特徴           

・電源部には新世紀に相応しいスイッチング電源システムを搭載

 スイッチング電源システムは次の2つのモジュールから構成されています。

1) オーディオアンプとしては世界で初めて P.F.C.(パワー・ファクター・コレクショ
ン)モジュールを採用しました。P.F.C. モジュールはマイクロプロセッサコント
ロールにより電源への入力電流を電圧と同じ位相で常に取り入れ、電流波形を歪
みのない完全なサイン波に保ち、それゆえ機器内部や AC ラインを電源周波数の
高周波成分(歪み)で汚さず、パワーファクター(力率)をほとんど 100 %に保つ、
すばらしい動作をし、260V の直流に変換します。

2) セカンドゼネレーションと呼ばれる最新のDC – DCコンバータを採用しまし
た。P.F.C. モジュール出力の 260V DCは次のDC – DCコンバータモジュー
ルに加わります。このコンバータはゼロクロス電圧、ゼロクロス電流でスイッ
チングする特許の回路を内蔵し、そのためにスイッチングノイズが少なく最高
800kHz という超高速スイッチングにより非常に効率が高く、さらに出力電圧が
完全にレギュレートされていて、バッテリー電源にも勝る性能を持っています。
出力電圧の定電圧化により、瞬間的に大電流を供給する場合にも出力電圧の変動
が全くなく、正確に大電流を流すことが出来ます。オーディオアンプとしては理
想的な電源になりました。
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引用ここまで

※800kHzと記載がありますが、多くの雑誌(例えばStereoSound)では 500kHzと紹介されています。50万サイクルとか書いている所もあって面白い。同じ事なのだけれど数字が大きく見える。

※この技術はフラッグシップ Model825 に 引き継がれています

『PFC(力率改善)とは-原理と回路』
https://techweb.rohm.co.jp/knowledge/si/s-si/05-s-si/7389 より

一般的なトランス式電源は、電源の正弦波を頭の部分だけをつまみ食いするので?
一般に家庭に来ている電源の波形を観察すると、頭の部分が潰れて
平らになってしまっているのをよく目にします。
これは高周波とは違って高調波の影響とされていて、近年はとても問題になって
いるものでもあります。ツマミ喰いするな!!というのが時代の要請です。
しかも、オーディオマニアさんたちは瞬間的に大電流を流すのを良しとするため、
その充電波形はより鋭く、針のようになりがちです。(高電流のパルス)
チュン!チュン!チュン!と、間欠的に電流がが流れるのが常です。
それをコンセントと同じような(白熱電球と同じような)50Hzの消費電流へ・・・、
別の言い方をすれば上流の電気を ”高調波” で 汚さない電源にしてしまったのが、
20年以上も前の、JerrRowland Model10だったのです。

さて、20年経った今、高価だったPFC搭載のスイッチング電源は
一般的に購入できるようになりました。

その前に、アンプにとって理想的とも思える電源がありました。
FIDELIX(フィデリックス)のセレニティ電源(SERENITY電源)です。
一般に販売されるような動きがありましたが、現状は製造元の
NAYUTA社(https://www.nayuta-co.jp/)に、
製造を依頼しなければならないようです。入手性に難があります。
超高品位音響用電源(参考出品:AVX)

そこで、手頃な電源となると・・・・ Nipron
ノイズゼロ!?を謳っているので、そんなまさか!!

取り寄せてみました。2種類です。どちらもPFC搭載。
[:image8:][:image3:]
[:image4:]左:廉価タイプ,右:超高効率タイプ

[:image6:]廉価タイプ:普通に120kHz固定のスイッチング電源に見えます

[:image7:]超高効率タイプ:ん!?なんか違う。これが拡散スペクトルという奴か?

とりあえず、
セレニティ電源のような、本当にノイズが測定できないような
電源ではない事は分かりました。少し期待はずれではあったのですが、
これはノイズ対策をする前の 『素の』 電源 なのです。ひとつの 構成要素・部品。
オーディオ製品としての、最終形ではないことに注意が必要です。素材です。
この素材をどう料理するかが大切です。欲しかった PFCは 手に入った!!

※この製品段階で低ノイズというか、表示値をみてもあまり参考になりません。
 出力にコンデンサーを沢山付けたりノイズフィルターを装備したら
 いくらでも? ノイズの測定値を下げられるからです。
 それをしない 『裸』 の 状態ということに注意。これからもっと良くなる。
 逆に、ノイズフィルターなどをかなり装備して、数値が良い電源の場合、
 後付け部品で頑張ってもなかなかノイズを下げられない可能性があります。
 見かけよりも、中身、素材が大事。

Nipron電源の採用例。
DELA の N1Z。こちらもNipronの電源を左右それぞれに
1基ずつ、搭載していましたが、独自に小容量コンデンサーを並列に幾つも
ならべた コンデンサーバンクを 『追加』 しています。 そのままではない。
[:image10:][:image9:]※こちらのスイッチング電源はPFC搭載ではないですが、パワーアンプでもなければPFCは不要です。電源波形の頭を削る程の消費電力が無いからです。

で、少し話は戻り、先ほどのNipronの電源2種類を
アンプの電源に使って乱暴に視聴してみました。
(本来は、正負電源をつくるのに各々の電源を2台用意しなければなりませんが、横着して廉価タイプx2で作った電源と、廉価タイプ+高効率タイプで作った電源との比較でした。)

結果、超高効率タイプに、良さげな予感を感じました。
なんというか、スイッチング電源っぽくない。

言われてもスイッチング電源と分からないかも!?
という好感触です(^ー^

価格は、廉価タイプと超高効率タイプとで、
数百円くらいしか 違わなかったような気がするので、
これから購入するなら 医療規格取得(品番の先頭に m が付いた)
超高効率タイプしか選択の余地はない感じです。

実験の様子は下記のYoutubeで公開しています。廉価版と超高効率の違い。
これは音楽の負荷によって、電源電圧がどのように振られるのかを観察したものです。Nipronではない他の汎用電源ですと、これの動画のものよりも派手に暴れます(それはまた別の動画)。
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https://youtu.be/ypmsfCfXR3E
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この超高効率タイプは廉価タイプの120kHz固定と違って、
スイッチング周波数が100kHz~140kHzくらいで拡散?
されているようです。JeffRowlandの500kHzには
及びませんが、面白そうなスイッチング電源です。

※調査した限りNipronに500kHz前後の製品はラインナップなし
 ライバルの?HYPEX デジタルアンプ UcD400HG用のスイッチング電源をみると
 100kHz固定なので・・・Nipronはそれよりは一歩リード。

興味を持たれたひとは、この、医療規格取得・超高効率タイプの
mUZP-120-24-JBH-K を電源に使用してアンプを組んでみて下さい(^^
⇒ https://www.nipron.co.jp/product_detail/index.cgi?p=20351118

わたしは忙しくて、しばらく停滞中です(泣)

追伸:
電研精機研究所のノイズカットトランスTMを唸らせる、
marantzのBlurayプレーヤー(UD7006)のスイッチング電源もどうにかしたい・・・。この唸りは iFi AC iPurifierを使うと抑えられる事が分かった のですが、そもそも消費電力が小さいのにトランスを唸らせる仕組みに興味津々。
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