私の常用スピーカーは2系統あり、専用室に設置しているB&W800D3とピアノ室にあるGerman Physiksで、同じくらいの割合で聴いています。実はもう一組、普段あまり聴かないけれど私にとって非常に大切なJBL4320のシステムが別室にあります。
この4320は、社会人になった最初の年(1986年)の夏休みに、大阪から秋葉原に出かけて文字通り足で探した個体です。当時は4344がJBLの主流で、私の憧れは一回り大きな4345でした。当然ながら新品は買えないので、ターゲットを4320、4331、4333に絞って探すこととし、比較的状態の良い4320を見つけて購入しました。ペアで32万円でした。
非常に大きな買い物でしたが、JBLの音は大阪日本橋のオーディオ・ショップの店頭で、4343を少しばかり聴いたことがある程度で、4320は見たことも聴いたことも無かったのです。後ほど4331を聴く機会があり、4320とは随分と音の出方が違うことに驚いた記憶があります。
それほど苦労して入手した4320でしたが、当時住んでいた会社の独身寮には入らず、結婚して独身寮を出るまで実家に置いたままでした。 しばらくして、最初のアメリカ赴任の際(1990年)、McIntosh社の地元Binghamtonで中古のC32とMC2255を購入し、そのペアで現在までドライブしています。
大出力のMcIntoshアンプとホーン型モニターの組み合わせも当時住んでいた社宅では飼い殺しとも言える状況で、本来の能力を発揮し始めたのは購入から10年を経た1996年、ロンドンに移ってからでした。借家ながら念願の戸建てに納まった4320は、10年来の鬱憤を晴らすような大音量で鳴り始めます。
広い空間で気持ち良く鳴る4320を2000年ごろまでは全くのノーマルで使っていましたが、オーディオ小僧の本性で徐々に手を入れ始めます。
これまでの経緯を簡単に記すと:
2000年: コンデンサー一発+ツィーターを追加して、2way+スーパーツィーター仕様とした。
2001年: ネットワークを外出ししてマルチアンプ駆動と切り替え可能とした。
2003年: 元々のグレー仕上げをブルー・バッフル、ローズウッド突板仕上げに改装。グレーの頃の写真を探しましたが見当たりません。底板の色がオリジナル・グレーです。
2006年: バッフル板にインライン配置でツィーターを取り付ける「穴」を開け、FOSTEX T90を取り付けた。黒枠は自作のフランジ。ただし内蔵ネットワーク経由とせず、裏板にツィーター用のターミナルを設置して随時オン・オフ可能にした。
2007年: Kenrick Soundにウーファー・ユニット2215Bのレストアを依頼。エッジの張替え及びボイスコイルのセンター出し。ウーファーの取り付けをクランプ金具を用いる形に変更。
2016年: バッフルをオリジナルに近い半艶黒色に塗り替え。
2017年: 3110ネットワークをKenrick Soundのスペシャル仕様に変更。 2022年: 2420ドライバーをKenrick Sound仕様に改造。
例の如く前置きが長くなりましたが、今回の記事は2420ドライバー改造のお話です。 続く...
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