PCオーディオの常識もろもろ

日記・雑記
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先日、JBL4320に関する日記を書きました。続編を書く予定なのですがあまり聴き込めていません。そんな折、CENYAさんのPC周りの日記に触発されたこともあり、別の話題について思うことを記します。

PCオーディオを始めたのは2005年頃だったと思います。最初のオーディオ専用PCは、この本を参考にして2007年に製作しました。

Behringer DCX-2496にKenrick Soundのデジタル出力ボードを追加してPanasonic SA-XR57EB-Sというフル・デジタルのAVアンプ2台をスタックして、DA変換を一度も行わないマルチアンプ・システムを試したこともありました。

写真は2008年のものです。シアターと同居していました。右側の棚のBehringerの機器の上にオーディオ用PC、さらにその上にPanasonicのデジタルアンプがあります。機器の構成は非常に複雑だったものの、隣の部屋の大きな扉を開けて配線出来たので構成変更は楽でした。

その後、色々なPCを製作したのですが、最近になって良く分からなくなってきました。 それは、製作に際してずっと信じていた「PCオーディオの常識」の反例が多く出て来てしまったからです。「常識」の幾つかはMFさんから教わったものですが、彼自身のMFPCも大きく変化しています。

主なものを紹介します。

*低スペックは低ノイズ

「CPUのコア数は少ないほど、CPUクロックは遅いほど、メモリー容量は小さいほど良い」 この常識は数年前から部分的に崩れているのですが、「必要最小限の構成が低ノイズに有利」という考えは根強くあります。

*電源は容量よりも低ノイズが大切

「スイッチング電源 < リニア電源 < バッテリー電源」 音楽再生専用PCは負荷変動が小さく、電源も瞬時電力供給能力より低ノイズが大切と考えられていました。

*OSやアプリは軽いほど良い

「Windows < 汎用Linux < 専用Linux」

「Windowsの場合は、プロセス数、スレッド数が少ないほど良い」

同じOSなら不必要なプロセスを止めてCPU稼働率を下げた方が良いという鉄則は、まだ有効だと思います。

*分散は力

「サーバー、コントロール、オーディオ出力の3台のPC(もしくは端末)が必要で、機能分散・負荷分散の効果は大きい」 DLNAやOpenHomeなどのネットワークプレーヤーでは分散が前提になっており、PCオーディオでも操作性に加えて音質面からも分散構成のメリットが強調されてきました。

*デジタル・インターフェイスが大切

「SPDIF < USB < I2S」

主義主張はともかく、多くのDACがUSB接続を前提としています。

多くは理論的に説明がつくし、経験上も正しいものです。ただ、総合的な音質にどれだけ影響するかは実装状況により大きく変化します。理論的に説明がつかないものでも自分が適当な理論を知らないだけかもしれません。

以上、「常識」の主なものを列挙してみました。現時点で私なりの総括は以下の通りです。

*低スペックPCを複数使用するより、高スペックPC1台の方が良い

機能分散は通信を伴うことからどうしても構成が複雑になります。新しいPCを簡単な構成で再度聴いてみると結構いけます。

*最新PCの音は良い

微細化が進んだ最新のPCでは、高スペックの部品でノイズが気になることは無く、余裕度の高さのメリットの方が大きいようです。高スペック部品を余裕をもって使用するためにリニア電源から最新のATX電源に変更すると更に良くなりました。

*Windowsの音が好き

Linux系のOSは、一様にすっきりとしています。鮮度の高さを感じる一方で、PCオーディオで指摘される音の軽さや薄さがどうしても気になります。Windows系もバージョンによる差はありますが、音の厚みはLinux系より出し易いようです。ただこの音の差はOSによるものかドライバーの差によるものかははっきりしません。ほとんどのUSB-DACはUSB Audio 2.0に対応していてLinuxでもそのまま繋がりますが、Windows ドライバーのような細かなレイテンシーやバッファの調整が出来ないことが原因かもしれません。

*現時点でパーフェクトな再生ソフトは見当たらない

私は、2015年からいわゆる重いソフトであるRoonを一貫してメインのソフトとして使用してきました。一時JPLAYにシフトしたこともありますが、使い勝手の良さからRoonをやめたことはありません。

ただ、バージョンアップの度に重くなることが気になり、最近はHysolidも併用しています。残念ながら2016年頃から全くバージョンアップされていないのですが、DSD256、PCM384までの再生が可能です。こちらはWindows系としては相当軽いソフトで、Windows Server 2019 Standardをプロセスカットして使用しています。

96/24のFLACファイルを再生中の稼働状況です。HysolidはWindows Serviceなので普段はログインしません。

*USB DDコンバーターは結構いけます

Chord DAVEでJPLAYを高DAC Linkで再生するためにGustard U16を購入しました。

JPLAYを使わなくなり使用機会が激減していましたが、May DACのI2S入力を活かそうと再登場しました。

PC

↓USB

Gustard U16 ← 外部クロック入力

↓I2S(HDMI) May DAC(PLLオフ)

という接続にしています。少しZeroLinkを意識した訳ですが、鮮度とコントロール性が両立して良い感じです。May DACでRoonを再生する場合、AoE構成のSymphonic-MPDも使用可能ですが、USB-DDコンバーター経由の方が登場機会が多いです。

最近のPCオーディオ周りです(B&W800D3のシステム)。2008年から使っているZalmanのHTPCケースは今も現役です。

少なくとも現時点では、高スペックPC、ATX電源、PC単体での構成、USB接続を選択し、高負荷アプリと低負荷アプリの双方で再生しています。

コメント ※編集/削除は管理者のみ

  1. のびーさん こんばんは。

    すごく良い方向性の記事だと感心しました。
    読むの2度目なのですが、読み返そうとして一瞬見失ったので、3回目に備えて
    コメント入れさせていただきました。

  2. のびーさん おはようございます。

    あれから何度も読み返し、「PCオーディオの常識の変化」という切り口を発展させるべく、私のブログで紹介記事を作成・公開しました。
    単なる紹介ではなく、私の考えを加えました。
    のびーさんと同じ点、違う点、よくわからない点など各テーマ別に加えてみました。
    意見を否定しあうとかではなく、今後の多くのマニアの報告や議論に繋げていきたいという趣旨です。
    お時間があれば、ご覧ください。
    なお、規約上外部リンク禁止なので、URLはメッセージでお送りしておきます。

  3. 百十番さん

    おはようございます。

    >規約上外部リンク禁止なので、URLはメッセージでお送りしておきます。

    規約の主旨はここのサイトを誘導目的で使用するということですので、
    話の流れとしてのURLを禁止している訳ではありません。
    (管理人に確認済み)
    私自身、URLの内容を参照したいです。

    • ふかひれさん

      おはようございます

      ご指導ありがとうございます!
      それでは、今後「規約上外部リンク禁止」という表現を「規約上誘導リンク禁止」と
      いう風に改めていこうと思います。

      しかしながら、誘導の意図が1ミリもないケースというのは、ほとんど思い浮かばな
      いです。

      あるサイトには「ハイパーリンクとはインターネット上に存在するページへ誘導するもののことを意味します。」という説明があり、これは私も一般的解釈と理解しています。

      管理人さんの意図がどういう意図であれ、規約に表記した以上「外部リンク」は慎重に考えた方が良いと思っています。

      • なお、ブログ記事につきましては、Googleへのインデックス登録が完了しましたので、記事タイトル「PCオーディオの常識、今と昔」でGoogle検索して頂ければ、読めると思います。

      • 百十番さん ふかひれさん 横からコンニチハ

        百十番さんは常識人ですので、杓子定規に凝り固まらなくても大丈夫だと思います。

        細かい事を言えば
        「外部リンクをコメント欄に貼ってはいけない」と、
        規約の何処かに書いてありましたか?。
        ※書いてたらゴメンナサイ。nightwish_daisukiの見逃しです。

        管理人さんが危惧する事態は、ダッチワイフの販売リンクだけ貼られたり、全くコミュニケーション意志が皆無の・・・『URL貼付魔』によって、場が荒廃すること、だと私は理解しています。

        具体的な例をあげましょう。Philewebコミュニティに実在し、Phil-Mコミュニティでは絶対にNGとなるユーザーの実例を。(彼の日記を見れば、駄目駄目さが御理解頂けるかと)
        https://community.phileweb.com/search.php?rm=entry&q=milon

        繰り返しになりますが、
        Phil-Mコミュニティでは話の流れとしてのURLを禁止している訳ではないという事です。

      • なんというか、
        議論や公開、意見交換の場としてPhil-Mを活用して欲しいところを
        『ここじゃなくて、あっちに行って盛り上がろーぜ!』と、
        ある意味で 対象を孤立化させる
         陰湿な ”イジメ” のような? ”行為” のことを 
        『誘導』 と 呼んでいる 感じ? 

        このような『誘導』は、管理者側の視点から見れば、コミュニティに対する攻撃に他ならないのですよね。

        だめ!『誘導』絶対! 独り言でした。

    • 日記の主題と離れてしまうのが申し訳ないですが、ふかひれさん、nightwish_daisukiさんの仰ってる内容で「誘導目的とは何なのか?」は補足いただけていると思います。リンク先に飛ばないと内容が全く分からないような誘導を投稿を禁止する目的で設けられたローカルルールです。

      本サイトが交流の場として機能するように、日記やコメントを投稿いただき、その補足や会話の流れとしてURLリンクが掲載されることは基本的に問題ありません。

      • 管理者様、皆さま

        アドバイスありがとうございます。
        好意的な内容でうれしく思っています。
        規約の意図は当初より「おそらくそういうことだろう」と察しておりました。

        私は、自分でブログ(サイト)を、ファイルウェブコミュニティ開始前から運営しており、最近ではYouTubeチャンネルでも情報発信しています(他にもFacebookやツイッターも頻繁に参加)。

        それぞれの場で、さまざまな思いのユーザーがおり、無料で使わせていただいている立場からすると何かと慎重にならざるを得ません。

        似たような件で、ファイルウェブコミュニティでは、ここ数年YouTubeリンクを嫌い「やめろ、、」的な投稿もしくはコメントを見かけ(私に対してではなかったですが)以降、リンクは控えるようにしました。

        今回アドバイスいただいた皆様以外にも、リンクを嫌うユーザーはいらっしゃるようなので、なかなか対応は難しく考えています。

        今回のアドバイスで、リンクでなくURLの記載であれば、規約に抵触しないかなと思い至り一歩前進したように思います。

  4. 現在まだ編集微調整中ですが、動画版も作成中です。
    限定公開で、こちらのURLから見られます(タイミングによって削除したり、見られない場合もあります)。
    YouTubeです。
    https://youtu.be/VbdH8HJ82uY

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