今日は薄曇の空模様でした。
でも空気は確実に季節の移ろいを感じさせるあたたたかさがあって
草木の芽吹きのさまなどを目にすると
新たな生命のエネルギーを感じて
「春ももうすぐなのだな」と思わされる今日この頃
みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
Eva Cassidyの『Nightbird』を最近よく聞いています。
このアルバムは、生前にリリースした唯一のライブ盤
『Live At Blues Alley』(1996年)のレコーディングから
20年目を迎えることを記念して発売された
『Live At Blues Alley』の完全版です。
いまさら彼女についてあれこれ特筆すべきことはないようにも
思うのですが、それでも自分なりの気づきもあったので
ノートしておこうと思います。
このアルバムは全32曲の2枚組で
全部聞きとおすと、けっこうなボリュームなのですが
でもいったん聞き出すと聞きとおしてしまうのです。。。
私は『Live At Blues Alley』を聞いたことがなく
『Songbird』というコンピレーションアルバムで
部分的に数曲を聞いていたのみでした。
あらためてじっくり聞いてみると
まず、とっても音がいいことに感心させられます。
Evaの従姉妹が運営するサイトの
「Live at Blues Alley – The Backstory」
ttp://evacassidy.org/live-at-blues-alley/
を見ると、彼女の恋人でプロデューサー(志望)であった
Chris Biondoがたまたま残していたテープをもとにしていたというより
本格的に録音し、CDとして出そうとしていたものであることがうかがわれます。
ただ2日間4ステージ分の音源のうち、最初の1日分の録音は
照明とのコンフリクトがあって、おそらくジーというようなノイズが
のっていたのでしょう、使い物にならず
結果として2日目の2ステージ分から
今度の「Nightbird」の音源もセレクトされたもののようです。
加えてEvaは初日から風邪をこじらせていて
体調は最悪で、声はかすれており
youtubeで映像も見られる当日の彼女の様子は
たしかにどことなく精気が感じられないようにも見えます。
「Eva Cassidy – Tall Trees in Georgia – YouTube」
ttps://www.youtube.com/watch?v=lbQst5HZj6E
衣装も1日目は1940年代のヴィンテージの衣装でドレスアップ
していたそうですが、この映像の衣装はそれなんでしょうか?
なんとなく保温だけに気を配った衣装のように思うのですが。。。
そんなコンディションで、
これだけのパフォーマンスを残すことのできた彼女の力量たるや
おそるべし。。。
またこの音源に関して、Evaご本人は、
そういうコンディション上の問題だけでなく
録音状態の面からも当初は不満があったようで
ラフミックスの状態では
「彼女の声が大きすぎて、ドライだった」ゆえ
「ショックを受け、全部スクラップにしたがっていた」そうで
そういう不満をうけて
彼女のヴォーカルにはかなりリバーブがかけられたようです。
以上、ご紹介してきたBackstoryのサイトに目を通していると
他にも、このライブがあった当時のEvaの心象風景が
それとなく伝わってくる気がして、興味深かったです。。。
皮肉なことですが、もし彼女が早逝することがなかったら
このライブアルバムは日の目をみなかったかもしれませんね。
ということはEva Cassidyという稀有な歌声をもつ歌手の存在も
これほどの人口に膾炙することにはならなかったように思いました。
さて、これからはいつもの私の妄想じみた印象のノートです。
このアルバムを聞いていると
彼女の声の密度のようなものに
心を動かされている自分に気づきます。
なにかが濃縮されているかのような感じ。。。
そのひとつに「時間」があるんじゃないかと思ったのです。
へんなたとえで申し訳ないのですが
草木が芽生え、グォーッと伸びていく様子を
早回しで見ているときの力強い映像がありますよね。
彼女の歌声って、そんな感じがするのです。
ふつうの人の何倍かの速度が
そこには凝縮されて詰まっているのです。
そうやって考えると
彼女は、なんとなくこの早春という季節が
そしてとりわけ今日のような曇天の空が
似合うような人なのかな~などと
思ってしまった私なのでした。。。
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