バンジャマン・ゴダール「ジョスランの子守歌」を聞く

日記・雑記
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                     2019年05月18日

バンジャマン・ゴダールの音楽を追いかけて
ここ3回にわたってお送りしてきた日記ですが
今晩は、彼の残した楽曲のなかで、現在最もよく知られている
「ジョスランの子守歌(Berceuse de Jocelyn)」を
さまざまなヴァージョンで聞いてみようという趣向です。

「ジョスランの子守歌」は、オペラ『ジョスラン』中のアリアで
このオペラ自体は1888年2月25日、
ベルギー、ブリュッセルのモネ劇場で初演されました。
パリでなく、ブリュッセルだったのは
ゴダールが作品発表の場を求めて
師匠のヴュータンを頼っていったことによるそうで
彼のシンフォニーの初演の多くもブリュッセルでした。
(ただ『ジョスラン』は同年10月13日にパリでも上演されました。)
その後、この子守唄のみが独立して録音されるようになり
ずっとその潮流は続いてきました。。。
(オペラ『ジョスラン』全体の録音はまだ現状ではありません。)

聞いていただければ、すぐおわかりになるかと思いますが
聞き覚えのあるメロディーではないでしょうか。
ロマンティックで、やや哀愁を帯びた曲調。
それは前回の日記でカルテットについて申し上げたように
やや対位法を思わせる古典的な要素と、
そのなかに巧みに盛り込まれた幻想的なインスピレーションを
そこはかとなく感じさせるという意味では、通底するところはあります。
やはりゴダールらしい楽曲のひとつではあろうかと思います。

今回もYouTubeに自分でリストを作成してみました。。。
「Berceuse from Jocelyn」
https://www.youtube.com/playlist?list=PL6_YsBKdBkdPJBSnQZeoMfyP7q5qY6f7p

では、以下曲紹介をしていきます。

M1
カリーヌ・デエ(メゾ・ソプラノ)
ジョナス・ヴィトー(ピアノ)
クリスチャン=ピエール・ラ・マルカ(チェロ)

今回の企画を思いついたのは、
デエの『夢のあとに~フランス歌曲集(Apres un Reve)』
というアルバムの中で、この曲を聞いたことがきっかけでした。
このアルバムは、現在は別のアルバムとカップリングされたもののほうが
入手しやすいようですが、おすすめであります。
しっとりと潤っている彼女の歌声に魅せられた者としては
敬意を表して、まず1曲目にリストアップさせてもらいました。

『夢のあとに~フランス歌曲集(Apres un Reve)』の
アルバムのリンクをはっておきます。
https://www.eclassical.com/aparte/apres-un-reve-1.html

M2
ブタペスト・ストリングス・オーケストラ
カーロイ・ボトヴァイ(チェロ)

チェロをフィーチャーしたオケものということで選びました。
2007年録音

M3
リタ・シュトライヒ(ソプラノ)

定評のあるシュトライヒのヴァージョンです。
端正な歌いぶりが、この曲の評価を方向づけた
そんな演奏です。

M4
ビング・クロスビー&ヤッシャ・ハイフェッツ
M5
CeVIO Creative Studio S による「さとうささら」(ボカロ)

ポピュラーフィールドからのアプローチということで2曲
M5は、フランス語のボカロですが、
けっこう健闘しているんではないかなぁ~
日本語の歌詞の対訳も見られます。

M6
パブロ・カザルス(チェロ)ピアノ伴奏版
M7
イツァーク・パールマン(ヴァイオリン)
プラシド・ドミンゴ(テノール)
オーケストラ版

歴史的音源をひとつということと
大御所の演奏ということで選びましたが
もちろん気に入ってのセレクションです。

M8
大友幸太郎(クラリネット)
清田千絵(ピアノ)

木管で聞いてみたかったということで
あえてやや珍しいクラリネットをフィーチャーしたものを
選ばせてもらいました。

M9
ジュリアン・ベーア(テノール)
リヨン国立歌劇場管弦楽団
ピエール・ブルーズ(指揮)

最新のもの(2018年)ということもあって選びましたが
楽曲全体の雰囲気は、この演奏がいちばんしっくりきました。
どこかクリアでないモヤっとした空気感がいいな~と。。。

また同じ曲を9曲も。。。
でも、ちょっと蒸す感じがする今晩のような天候には
このけだるい感じがけっこうハマってしまい
熱中してリストアップしてしまいました。
いかがでしたでしょうか?

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