2020年04月29日
リー・コニッツが亡くなっていました。
4月15日、ニューヨークの病院にて。92歳でした。
死因は新型コロナウイルスによる肺炎だったということです。
ときどき聞くと、うまいな~と思う
私にとっては、そんなアルト・サックスでした。
ビバップからクールジャズ、アヴァンギャルドなものも
難なくこなすプレーヤーでしたが
ミュージシャンズ・ミュージシャンという風情の人だったので
その足跡や影響力のわりに、地味な印象だったのも事実。。。
独特のリズム感というかフレージングが感じられて
そこに魅力を感じていました。
レニー・トリスターノ門下時代の『サブコンシャス・リー』
エルヴィン・ジョーンズを迎えた『モーション』
など、よく知られたアルバムも好きなのですが
個性的なピアノと組んだアルバム2枚が
私のフェイヴァリットでした。
1枚目は、ポール・ブレイと組んだ1977年の『ピラミッド』
2枚目は、ステファノ・ボラーニと組んだ2003年の『Suite for Paolo』
いわゆるアヴァンギャルド系のジャズなんでしょうが
先述のコニッツならではの独特のリズム感とフレージングが
きわだっているアルバムなんです。
ベースやドラムスが加わった古典的なモダンジャズのフォーマットだと
ピアノとサックスは実はあんまり相性が良くないんでは。。。
という先入観が私にはあって
ややミニマムなスタイルがピアノ&サックスでは
好みという傾向はずっとありました。。。
そういうこともあって、今回のセレクトは
『ピラミッド』が、ギターにビル・コナーズの加わったトリオですし
『Suite for Paolo』がボラーニとのデュオです。
今日も、この2枚を何とはなしに聞いていたのですが
どちらもピアニストがコニッツのサックスの魅力をよくわかって
プレーしているのがわかります。
うまくコニッツのサックスの粋を引き出している感じがします。
豪快とか歓喜とか哀愁とか、
そういう情感がストレートに伝わってくる演奏ではありませんが
サックスという楽器の魅力は十分に伝えてくれているんでは。。。
と思います。
ピアノと対話するコニッツのサックスを聞いていると
今日のような行楽日和なはずの休日の昼下がりも
どこか抽象的な時間の流れに取り込まれていくような感じがあって
そんなところ、やっぱりコニッツはいいな~と思い直したのでした。
ご冥福をお祈りいたします。
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