2022年03月21日
事実は小説より奇なり、なんて言ってみても
戦争を語るにはあまりに軽すぎるのは理解しているのですが
悪夢のように禍々しい現実を前に
事態を適切に形容する言葉も失ってしまい
そんな言葉をふと思い浮かべながら
あっけにとられてTVのニュース画面を見ている毎日が続いている
今日この頃
みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
現実とのほどよい距離感のようなものをとりながら
われわれは日々を生きているんでしょう。
時にはそれが崩壊するような出来事は起こりますが
幸い私個人は生死にかかわるような悲劇的境地に陥ることなく
これまで生きてこられました。
それはそれでとてもありがたいことで
そのめぐりあわせに感謝して生きてゆきたいのですが
今回ばかりは腹に重たいというか
マイナスなものがズンズン溜まっていくのがわかって
気分が沈みます。。。
とはいえ、日々の糧は得たい。。。
そんなことも同時に思うのです。
そんな思いとどう関係しているのか
イブラギモヴァ&ティベルギアンの新作
「メンデルスゾーン ヴァイオリン・ソナタ集」
を毎日のように聞いています。
メンデルスゾーンの生前発表されたのは
作品4のヘ短調ソナタだけで
それも含めて1960年代以降のメンデルスゾーン再評価の機運のなかで
演奏される機会が増えてきた作品群のなかのひとつです。
しかもこのヴァイオリン・ソナタたちは
彼の十代の作品群であり
でも早熟の天才といわれただけに
なんだかよく出来過ぎています。。。
個人的にはベートーヴェンを感じる曲たちが多いように思いますが
影響を受けたとかそういうレヴェルのものではなくて
ベートーヴェンが憑依しているっていう感じの
ある意味自然さがうかがえるのです。。。
奇妙は奇妙です。
ここまで書けてしまうという事実が。。。
でも奇妙によくできたっていう評価だけではない気もします。。。
またイブラギモヴァ&ティベルギアンのコンビも
過不足ない軽快な演奏している感じが憎めないというか
(でもある意味ニクイのですが)
表装だけの音楽かのような軽々しさ
かと思ったら、いつの間にか取り込まれて
ひととおり聞いてしまうのです。。。
そしてそれはけっして居心地が悪いというわけではなく
むしろ安心感があるような感じなのです。
まあこじつけと言われればそれまでですが
ほどよい現実との距離感にもどってくる感覚と申しますか
オーディナリーな音楽の流れと申しますか
それにやはり安心してしまうわけです。。。
こういう聞き方自体はもしかしたら異常なのかも。。。
とは思うのですが、ちょっとやめられない
麻薬のような効果を感じています。
今年も自室の窓から見える街路樹のハクモクレンは満開です。
永遠の営みではないけれど、私にとっての不易の象徴みたいな感じがして
今年もあっけらかんと大柄な花を咲かせてくれています。
Life Goes On
大げさかもしれないけれど、そんな言葉がまた浮かんできました。
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