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NewWave Phono Converter(ADC内臓のフォノアンプ)の知名度は低いと思う。
ADC内臓のフォノアンプは多くのメーカーから様々な価格帯で販売されているので定価$1899だったNPCは微妙な存在だったのだろう。
PS Audioのフォノアンプというとあまりピンと来ない印象だけどそもそもは1970年代にオペアンプを使った単体のフォノアンプから始まった会社。
実は3年弱ほど前からアメリカでは在庫一掃セールの名目でほぼ半額の$999で販売されてきた。
在庫一掃なのに3年も売っていたのかとは思うが、1年ほど前にPS Audioの営業と話をしたときにはまだ部品の在庫があるから注文に応じて生産しているといっていた。
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NPCは優れたフォノアンプだ。
* 癖がないニュートラルな音調で再生環境が整っていれば重厚で分厚い低音から精緻繊細な高音まで滑らかに再生し、音場も3次元的に表現してくれる(もちろんレコードの録音が良くなければだめだけど)
* 非常に幅広いゲインで高出力MMから低出力MCまで問題なく使用できる。
* 負荷抵抗値をDIPスイッチで幅広く設定きる。 スイッチは後ろについているのでふたを開ける必要がない(収納しだいでは手が届きにくくなるけど)
* ADCはPCM 192KHz/24bit、DSD5.6MHzまで対応
* 入力から出力まで一貫してバランス動作回路、バランス(XLR)出力を備える。 バランスだから音が良いと言えるほど単純な話ではないがバランス回路の設計を正しくするのは手間がかかるし部品選定(精度、誤差)、基盤の部品配置なども重要になる、そういうことに手間を掛けている製品は音質にも十分に配慮されている。
* フォノ入力とは別に入力端子がありアナログ音源をデジタル化して録音できる
* S/PDIF、USB、HDMI(PS Audio規格のI2S出力)のディジタル出力を備える
でも最初の$1899という定価だとちょっと躊躇する価格だったのだが、$999になってからは断然お買い得のフォノアンプだった。
私も$999で購入した。
ただ日本を含む海外では割引価格は適応されていないようだったのが残念。
しかしそれも終わりだ。 数週間前に最後の出荷をし、後は保守部品を残すのみ、正式に販売終了となった。
後は代理店、販売店の在庫のみになる。
いずれBHK Signatureのフォノアンプが登場するだろうが、真空管とFETのハイブリッドになるだろうし(今のBHKアンプは全てハイブリッド)価格も何倍にもなるだろう。
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