CriterionのBlu-Ray
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スタンリークーブリック監督の初期の商業映画。 1957年公開。
資金集めに苦労していたがカークダグラスが台本を気に入って主演してくれたので大手映画会社から資金を得ることができた。
これが縁で1960年にはカークダグラス主演の映画「スパルタカス」の監督として雇われた。 でも結局雇われ監督だから自分の作品とは思っていなかったらしい。
邦題は「突撃」 なんとも味気ない題名。 映画の内容ともあっていない。 確かに攻撃シーンはあるが、本題ではない。
第一次大戦時のフランス軍の話。
全員が普通に英語で話しているけど、よくあるフランスなまりの英語で話さなかった理由は、小説なら外国語でも翻訳してその国の言葉で普通に読むんだから映画だってフランス軍の兵士が英語を話していても良いじゃないってことらしい。
ドイツ軍に対する無茶な攻撃命令を軍団長のブロウラード少将が部下の師団長ミロウ准将に昇進をちらつかせて受け入れさせる。
攻撃は失敗しその責任をミロウ准将は最下層の兵に押し付けようとし、それをブロウラード少将も受け入れる。 カークダグラス演じる連隊長ダックス大佐は作戦失敗の責任は攻撃指揮官の私ににある、罰するなら私をといってもフランス軍の名誉のために将官を罰するなどできないと却下。
ブロウラード少将もそもそも無茶な攻撃をミロウ准将に認めさせたのにまるでダックス大佐の味方であるかのようにふるまう。
そしてブロウラード少将が解任したミロウ准将の後釜にダックス大佐を師団長に勧めたのに怒りを爆発させたダックス大佐も結局は軍の指揮系統の中で上からの命令がどんなに無理難題でも従わなければならずその結果部下たちが傷つくのを黙ってみるしかない。
映画の最後、酒場で兵士たちが捕らえられたドイツ娘のドイツ語の歌に意味が分からなくても涙する。
反戦映画の傑作だと思う。
Paths of Glory、訳したら「栄光の道」か、まさに皮肉が聞いた良い題名だ。
1957年公開の白黒映画。 その内容からフランスでは上映禁止となり、1975年になって初めて上映された。
CriterionのBlu-rayの映像は素晴らしい。
塹壕の中を歩くダックス大佐を手持ちのカメラでずっと取り続けたり、クーブリック監督らしい映像がすでにある。
余談だが最後に歌を歌ったドイツ娘を演じたスザンヌクリスチャンがこの時の出会いがもとでクーブリック監督と結婚、スザンヌクーブリックとなる。
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