題名の通り、パワーアンプのスピーカー端子用Yラグが金属加工業者から上がってきました。
酸化変色防止のためか、切削オイルでビタビタになっています。
非鉄金属素地である、無酸素銅のまま使ってみたい願望もありますが、切削オイルでビタビタなので、メッキ業者の特殊洗浄に任せます。
メッキ前処理の工程は、大まかには以下の通りです↓
1: メッキ前処理用工業アルコールで油脂の融解(汚れやスケールの程度によっては、超音波洗浄機器内で行う事もある)
2: 超純水洗
3: 塩酸や硫酸などの酸性溶液で表面の活性化
4: 超純水洗
5: 乾燥機で乾燥
6: メッキ工程へ
・・・と、こんな感じです。
熟練の工員が素材表面をその都度確認し、処理不足と判定した場合には同じ工程を繰り返します。
メッキですが、オーディオ用Yラグで処理されているモノは、金メッキかロジウム、一部、パラジウムやプラチナも使われているものの、金メッキ以外の電気伝導性は、実は全く良くありません(ほとんどが銅対比20%IACS未満。ロジウムで30%IACSくらい)。
しかも、メーカー名は伏せますが、ロジウムメッキされたYラグで複数メーカーが大気暴露経年で表面が酸化して茶色くなったり、黒ずんだりしている事があります。
本来、ロジウムは酸化しにくい筈なのですが、一体何のメッキをしているのでしょうね(笑)
電気導電率が低いにもかかわらず、酸化して黒ずむのなら、私はロジウムメッキには用がありません。
その酸化するロジウムメッキYラグを使っている時は、定期的にアルコール脱脂して酸化膜を除去して使っていました。
どうせ酸化膜除去を定期的にやるなら、まだ銅対比で導電率が上回る銀メッキをした方が良いと思います。
ただ、導電率は最高とは言え、市販品は酸化で茶色くなる銀メッキは採用し難いのでしょう。
ただ、端子に接触している部分は全く酸化しないので、見た目を気にしなければ酸化膜除去も頻繁にやらなくて良いでしょうね。
この酸化膜発生リスクよりも、導電性重視にした市販品が、WireWorld社の銀メッキYラグでしょう↓
以前、これを使っていましたが、アルコールを使わずとも、セーム側で少し拭うだけで酸化膜除去できます。
ZONOTONE製のYラグとの大きさ比較です↓
厚みと幅は、ほぼ倍になっています。
余談ですが、ZONOTONE製ロジウムメッキは純度が高いせいか、大気暴露経年で変色はしません。
パワーアンプの端子に仮取付してみました↓
専用設計なので、恐らく近年のアキュフェーズ純正Yラグ対応スピーカー端子よりも接触面積は大幅に大きいですね。
接触面積が多いせいか、軽い締め付けでもガッチリ硬く固定されています。
本当はYラグは傾斜角を付けた方が良いのですが、板厚が厚過ぎて推奨しないとの事でストレート形状です(市販でもストレート形状は結構ある)。
上の画像では背面パネルに接触しているようにも見えますが、背面パネルから7mm以上の間隔は空いているので大丈夫です↓
年の瀬で年内にやってくれるかは分かりませんが、とりあえず今からメッキ業者と打ち合わせです。






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