良いスイッチング電源って何だろう?
そんな素朴な疑問は電源メーカーの評価基準を見れば分かります。
取り立ててオーディオ分野に関して言えば・・・
こんな要求があります。
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①出力ノイズが小さい
②電圧変動が小さい
③瞬時電力供給能力が大きい
④1次側(コンセント側)を汚さない
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私が信頼する電源メーカーは
「ニプロン株式会社 Nipron Co.,Ltd.」
です。その道では有名なメーカーです。
パソコン用の電源も製造しているのでとても重宝します。
ニプロンの良いところは壊れないで安定している事。
そしてノイズが小さい事です。
ニプロンのホームページ
「電源事典」–>>「 2章 コンピュータ用電源パソコン用電源について」
から「2-3 アクティブフィルタを採用することによって」の内容を引用します。
============引用ここから===========
2-3 アクティブフィルタを採用することによって
■ ワールドワイドな入力電圧
中略
そこで当社の電源には、入力電圧を一度高い電圧に昇圧するアクティブフィルタを搭載しています。(一部機種を除く)
(図2.4)
アクティブフィルタ方式概念図(一次側回路)
アクティブフィルタを搭載することによって、例えば入力電圧が90Vであっても、240Vであっても、350V近くまで電圧を高めるので常に二次側、つまり パソコンに供給する電圧を安定させることができます。
そのため、電圧変動に強く、電源電圧の異なる日本でも、ヨーロッパでも、どこでも切替え無しでそのまま使用することができます。
■ 高調波対策
アクティブフィルタは、ワールドワイド入力に対応する他に「電気の公害」といわれる高調波電流を抑制する効果もある
のです。図2.5を見ていただくと、アクティブフィルタを搭載したものは電圧、電流、共に正弦波です。これに対してアクティブフィルタのない非対策品の場 合、電圧は常に正弦波なのですが、電流波形がとびとびの非線形波形になります。これは、例えば50Hzの商用電源を使用している場合、150Hz、 250Hz、350Hz…と奇数倍の電流が流れます。一般家庭ではこれが問題になることはほぼありませんが、発変電設備ではこれが問題になります。現にオ フィスビルでは空調設備、照明、オフィス機器などから発生する高調波電流により変電設備の異常発熱、機器損傷などが生じています。
アクティブフィルタによる高調波電流の抑制
高調波を規制する規格としてはIEC61000-3-2があり、入力電流が16A以下の電子、電気機器に適応されます。また4つのクラスに分けられ下記のように分類されています。
クラスA:平衝3相機器及びその他クラスに属さない全ての機器
クラスB:手持ち型電動工具
クラスC:照明機器
クラスD:入力電力600W以下のパーソナルコンピュータ、 パソコン用モニタ、デレビジョン受信機
なお、ATX電源はクラスDが適応されます。
■ 力率改善
さらに、アクティブフィルタにより電流を正弦波にするので、力率が良くなります。
============引用ここまで===========
このように、
ニプロン製の電源は高調波対策がされていますので安心です。
高調波は基本的にノイズフィルターでもどうにもなりませんので
そもそも高調波を出さないことがキモです。
図を見てお分かり頂けたと思いますがニプロンが言っている
アクティブフィルターは真空管アンプのチョークに酷似しています。
実際には周波数が異なるので同じではありませんが
高調波を抑制するという意味では同じでしょう。
また、製品ラインナップによっても違いますが
外付けのノイズフィルターを使用することなく
「雑音端子電圧VCCI ClassB」
を満たすものも珍しくありません。
例えば HPCSA-700P-E2S
の特徴をホームページから引用すれば・・・
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●同期整流回路やSiCダイオードなどの採用で高効率を実現
●低ノイズ&低漏洩電流を実現
雑音端子電圧VCCI ClassB
漏洩電流0.2mA以下(AC100V時)
●ErP指令に対応した低待機電力仕様(0.1Wtyp)
●全出力最小負荷電流0A仕様
●温度可変速ファン採用、静音化を実現
【EMSイミュニティ】
静電気放電 EN61000-4-2準拠
放射性無線周波電磁界 EN61000-4-3準拠
ファースト トラジェント バースト EN61000-4-4準拠
雷サージ EN61000-4-5準拠
伝導性無線周波電磁界 EN61000-4-6準拠
電源周波数磁界イミュニティ EN61000-4-8準拠
電圧ディップ/変動 EN61000-4-11準拠
【EMI規格(入力帰還雑音)】
VCCI-B、FCC-B、EN55022-B準拠
【高調波電流規制】
IEC61000-3-2 クラスA 準拠
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沢山ありますが、とりあえずここまで。
オーディオ的には『SiCダイオード』の採用が嬉しいですね。
電源といっても少しずつ進歩しています。
ニプロンの自信は評価試験の結果を公開するところから感じられます。
電源のノイズの測定はやり方によっては小さくも見せられますし
大きく見せることもできる何ともアバウトな世界です。
オーディオ関連では、
異なる条件の測定を横並びに比較して
「ほら、ノイズが少なくなったでしょ」
なんてのが当たり前。誰も突っ込みを入れないのがまた不思議。
ニプロンの試験の情報を少し紹介してみます。
ちゃんと動特性も公開しています。
負荷の値や諸条件の情報あり。
当たり前の事なんですが・・・案外おろそかにされがち。
最後に「④1次側(コンセント側)を汚さない」ニプロン。
おもちゃのような安物のスイッチング電源(ACアダプタ等)と
真面目な電源の違いを感じて頂けますと幸いです。
メモ:
ニプロン会社案内
https://www.nipron.co.jp/corporate_info/company_profile_jp.pdf
麻倉怜士がナビゲート 2017年、注目のオーディオはコレだ!(後編) (4/4)
https://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1712/19/news036_4.html
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http://www.stereosound.co.jp/review/article/2018/02/21/65482.html
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