今夜はPCオーディオっぽいお話です。
ふと思い立って、古いHDDと新しめのHDD。そして古いSSDと新しめのSSD。
それらの消費電流を観察してみました。
自分の予想ではSSDの方が電流が小さいでしたが、
HDDもガリガリ言っているとき以外は意外と電流が小さくて
電源をぐらぐらと揺らすほどではなかったです。
まぁガリガリ言っているときはやっぱり凄いですけども。
SSDはアクセス中はほとんどギザギザ、ニョキニョキに電気を喰っています。
HDDはアクセス中(シーケンシャルアクセス)中は静かに電気を喰います。
その辺りがSSDの音質を嫌う人が居なくならない理由かもしれません。
【用意したもの】
・デジタルオシロ(波形をみるのに使います)
・電流プローブ(電流を測定するのに使います)
・旧世代HDD(Gドライブ,IBM 2002年製 128GB)
・新世代HDD(Dドライブ,TOSHIBA 2014年製 3TB)
・旧世代SSD(Hドライブ,INTEL 2012年製 120GB)
・新世代SSD(Cドライブ,WD Green2020年製 480GB)
・SATA電源コネクタに電界コンデンサーを外付けするオプション
(これは旧世代SSD Hドライブに電界コンデンサーを装着したテストに使用)
・100W裸電球
(これは電流プローブの使い方の説明に使用)
【Youtube動画 】現象は動的なので動画にしました
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この動画は30分弱と長いので2倍速再生するとよいでしょう。
Youtubeの再生画面の右下のギヤのマークから再生速度の変更が可能です。
※HDDは12Vと5V電源を使います。
HDDの銘柄によって12Vの電気を沢山つかうもの5Vの電気を沢山つかうもの特徴が様々なので、
HDDでは12Vと5Vの両方の線(赤と黄色)を電流プローブに通しています。
※SSDは基本5V電源のみ使います。
5V(赤色)の線だけを電流プローブに通しています。
※HDDの読み込み、書き込み動作は フリーのベンチンマークソフト
CrystalDiskMark を使用しました。背景黒の画面がそれ。
※オシロは電流「変化」が観たかったので「ACモード」にしています。
直流をカットするモードです。
【動画説明】
●最初は電流プローブの紹介です。
電流プローブは電線に流れる電流をキャッチします。
AC100Vの電源コード、2本両方とこれに通すと・・・波形が見えません。
電流は片方が線が往路、片方の線が復路、それぞれ電流の向きが逆なので
相殺されて見えなくなっちゃうのです。こういう2本とも通すのは
コモンモード(2本の線を同じ方向に進む的)な電流を見たいときに使いますが今は、ノーマルモード(電流が行って返ってくる的)な
電流を見たいのでこのクランプの仕方は間違いです。
[:image1:]
片側だけ通すとちゃんと裸電球に流れる綺麗な商用100Vの正弦波が観察できます。
これが電流プローブの使い方でした。
[:image2:]
●旧世代HDD 2002年製造の骨董品
HDDの電源線で電流プローブをセットしてCrystalDiskMarkを走らせます。
鍾乳洞のように垂れ下がった波形は「ゴリゴリ!」と鳴ったときに現れます。
ですので普段は横長に四角い波形が控えめに現れている感じです。
[:image3:]
●旧世代SSD 2012年製造の骨董品
旧世代HDDと同じように鍾乳洞のように垂れ下がった波形が出ています。
これはアクセス中ずーーと出ているのは旧世代HDDより電気喰らってます。電源を揺らすノイズも多そうです。SSD推しな自分にとってはちょっとショック。
[:image4:]
そこで急遽、SATAの電源コネクタに電界コンデンサーを接続する仕掛けを作って電界コンデンサー(緑色の)を追加してみました。そうすると狙い通り鍾乳洞が小さくなりました。
[:image5:][:image8:]
●新世代HDD 2014年製造なので新世代とは言えませんが2002年に比べれば・・・
ガリガリ言わないので鍾乳洞の垂れ下がりはほとんど現れません。消費電流の
変化は最初の旧世代HDDと似ていますが省エネ?なのか小さいです。意外や意外良いかもです。ギザギザな時もありますが全体の時間からしたら少しの時間です。
[:image6:][:image10:]
●新世代SSD 2020年製造のWesternDigital SATA接続です。
これは電流波形がはっきり見えることが多いので音質的にはちょっと?なのかもしれません。ただ他と違って
波形の太さは最も細くみえるので高周波的な電流は最も少なくて、
どちらかというと180Hzとかの低周波がメインかもしれません。
※冒頭の裸電球の正弦波では波形の頂上が4個見えていました。↓のワーストケースの写真の波形では頂上が12個見えているので12÷4=3.商用電源60Hz×3=180Hz。かな???
電界コンデンサーの追加か何か対策したくなります。
ワーストケースを写真に撮ってみました。
[:image7:]
個人的に推しなのは NVMe接続で高速かつ省エネなSSD
Intel 760pシリーズです。Intel 660pシリーズは安くてまだ買えますかおすすめしません。
https://www.gdm.or.jp/review/2018/0207/251318
ここまで来ると、そもそもケーブルが無くてマザーボード上に直接挿すことになるので電流の測定はたぶん無理です。音の良いSATAケーブルなどに投資する必要もないでしょうし、そういう意味でお得かもしれません。
省エネ=消費電流が小さいはずなので・・・。きっと良いと思います。きっと・・・。
ちなみに先ほどの新世代SSDとしましたWesternDigitalのGreenですが
https://www.cfd.co.jp/product/ssd/wd_green_series_m_2/ によると
消費電力は公称で下記のようになっています。読み書きするとき最大で2.8Aも流れるのですね・・・そりゃあ悪く見えるはずです。
↑2020/07/18訂正:2.8Aは間違いです!! 下表の2800mWを2800mAと読み間違いしています。改めて、電圧5Vでの2.8Wだとすると最大電流は2.8÷5=0.56A
電力(W)=電圧(V)×電流(A)
[:image9:]
Intel 760pシリーズは https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/products/memory-storage/solid-state-drives/consumer-ssds/7-series/ssd-760p-series/760p-series-512gb-m-2-80mm-3d2.html によると
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消費電力 – アクティブ時 50 mW
消費電力 – アイドル時 25 mW
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です。
WesternDIgitalと違って最大電力の記述がありませんので単純比較はできません。
SSDもまだ「新しければ何でもよい」とは言えない状況です。
下手なSSDはHDDに劣るかも?しれないというお話でした。
■注意■
今回、オシロでみているのは電流です。ノイズではありません。
電圧でもありません。あくまでも電流です。電流は電気製品が動くのに
必要です。裸電球のあの正弦波がそうであるように。
直流電源(DC)の話ですが、しっかりとした電源であれば、
電流がびゅんびゅん変化しても電圧は微動だにしません。
電源を評価するときに、電流をびゅんびゅん流して、
電圧が振れたりせず且つ電圧の変動が小さい且つ電圧が変化しても
どれだけ短い時間で素早くオーバーシュートなく元の電圧に戻ることなどが評価項目になったりするそうです。※何かの本で読んだ記憶
つまり何がいいたかというとSSDかHDDか語る前に、電源が居るという事を忘れずに。
くどいようですが今回、オシロでみているのは電流です。ノイズではありません。
電圧でもありません。
大きな電流5Aを消費するとしても常に一定で5A流れてくれるならノイズはゼロです。大きな消費電流、やんわりと増加・現象するならいいのですが、ON/OFFを高速でやられると困ります。このON/OFFが音声を処理するICなどの取り扱う信号周波数と近いと影響度が大。取り扱う信号の周波数と全然関係ない周波数であればこのON/OFFによるノイズがあっても影響度は小であります。
■2020/07/19追加■ おまけ
「HDDではなくSSDを使うと音質が良くなる?」
https://pcinformation.info/ssd/improves-sound-quality.html
6台のHDDと1台のSSDを用意して音質の比較を実施してみたところ、音質が1番良いと評価した人が最も多かったストレージは、SSDだったそうです。
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