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myu邸訪問記-Literallyに「絶句」、しました

日記・雑記
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「灯台、下、暗し」といいますが、伊豆の家から車で10分ほどにあるmyu邸に初めて行って参りました。

Myuさんと知り合ったきっかけは、拙宅の「仕上げ」としてその必要性を検討している電源工事を巡る拙記事のレス欄でのやり取りで、ダウントランスを使う方法を議論した際に、私が「トランスは唸ることがあるのが嫌なので、床下にでも入れられるのなら検討してもいいかも」という発言をしたところ、「すでに実践している」というレスをいただいたのが、Myuさんだったというわけです。とてもお近くなので、こちらに長期滞在中であったこともあり、すぐに飛んで行ったというわけです。

通されたお部屋に入ると、まずは目につくのは、風変りな(汗)デザインのSP<だけ>の空間。[:image1:](写真1)

実は今回お邪魔する前に、どなたか訪問記をお書きになっておられるかな、と思って検索してみましたところ、ヒジヤンさんがオーディオルーム完成直後(約6年前)にいらしているそうです。

ここにあるお部屋の写真と、見た目だけでもずいぶん違っていることは一目瞭然で、「今とは全然音が違います」とのこと。まあ、6年近い歳月を経ても「何も変わってない」という方(昔の私です=汗)は、オーディオマニア(後述しますが、Myuさんは筋金入りの「マニア」です。恐らく1か月後にはまたどこか変えていると思います)では一人もおられませんよね(笑)。

ヒジヤンさんの日記と重なっている部分にはなるべく触れませんが、このユニークなデザインのSPシステムは、太鼓に使う木材を使った、自家製SP(ユニットは、Accutonとかというハイエンドブランド品だそうです=すみません、よく知らないので=汗)です。

で、「オーディオには美観が重要」(笑)と信じて疑わない私には、お部屋に通されたとたんに、飾ってある絵やオーナメントのオーナーのセンスの良さもさることながら、第一感として「これは絶対いい音がするだろうな」とすでに脳内に認知バイアスが入りました(汗)。なぜかといえば、スピーカーの周りにほとんど何もないからです。後ろにSW(これも自作)が隠れていますが、それ以外はスピーカーケーブルですらほとんど見えません(その秘密は後述)。このように空間にぽかっと浮いているようにSPが設置されているお部屋で、かつて「悪い音」を聴いた記憶がないのです。この、インテリア雑誌に掲載したいぐらいの「美観」は、「美音」を保証しているというのが、私の拙い経験則です。

さて、今回訪問させていただいた、「当初の目的」(汗)である、ダウントランスはどこに隠しているの?ですが、これは、この写真の正面にあるアコリバの何とかという(すいません、忘れました=汗)置き物?(音響的な反射板でしょう=汗)の真下に床下点検口のようなものがあり、その下にあるそうです。耳を付けて唸り音をチェックさせていただきましたが、確かに何も聞こえません。そもそもこの床自体がオーディオ用にリフォームされてあり、既存の床の上にさらに何センチもの厚みのフロア部を重ねているので、一般住宅の床に比して倍以上の厚みがあることも寄与しているのは言うまでもありませんが。

ただ、驚くべきことはこの後で(!)、実は、この床下に、3台のダウントランス<だけでなく>、5台のアキュフェーズのA級パワーアンプを含む計7台のパワーアンプ、アキュフェーズのチャンネルディバイダ―が「すべて」置いてあるそうです!!!

Myu邸のSPシステムはマルチアンプ駆動で、SW用にモノラルD級アンプが2台、ウーファーとスコーカー用に、それぞれBTL接続されたアキュのA級アンプを当てがっているので計4台、ツィーター用にステレオ仕様にした同じアキュのA級アンプが1台で、計7台!!!さらにアキュのチャンデバ。

普通、ここまでの弩級システムといいますか、ハイエンドのアンプ類をお持ちなら、「見せたく」なりませんか?(笑) 想像してみていただきたいのですが、天下のアキュフェーズのA級パワーアンプが5台、目の前に並んでいたら、普通のオーナーならそれを「眺めているだけで幸せ」になれるだろうし、お客さんが来て、それらをしげしげと見ているときに、間違いなく後ろで「鼻を膨らませている」(笑)と思うんですよね。それが普通の人間のサガではないでしょうか。

そこが並ではないのですよ、この方は。ここまでおカネをかけておいて、それを「隠す」。『葉隠』の世界ですな、これは。<武士>ですね、彼は(爆)。

それを伺っただけで恐れ入って、その「美意識」に強い敬意を持ちました。美観だけでなく、巨大なアンプ群を部屋に置かなければいうまでもなく、音響的にも効果大です。もう音を聴く前に、完全にやられています(笑)。

気を取り直して(汗)、ソース側の紹介を。[:image2:](写真2)

リスニングルーム脇にある、これらプリアンプ、ソース機器類は床下にケーブルを通して、先にご紹介した床下設置のアキュのチャンデバに入っています。ちょっと話がそれますが、この左側のラックにある、プレーヤーの下の黒い機器って、なんだかすぐにお分かりになりますか?私は、「これ、何ですか?」と、例によっていつもの「なぜなに坊や」の調子で伺うと、「えっ、これ知らないんですか?そりゃ、モグリですね」と(爆)。だから私はオーディオマニアの風上にも置けない「初心者です」と言い続けているじゃないですか!!! ということでこっそり教えていただきましたが(汗)、ここには答えは書きません(笑)。この先は、これが何か、が分かるレベルの方<のみ>、読み進める権利があります(爆)。

さて、アナログプレーヤーもすごそうなんですが、そこは私にはよくわからない世界なので割愛して(汗)、これらの入り口機器類のこだわりは、私は右上にあるアキュのプリアンプだと喝破しました。これ、今はもうLineupにないそうなんですが、デジタルプリなんですって。ここへCDプレーヤーやネットワーク系の出力機器をデジタル接続し、それをデジタルケーブルで床下経由でアキュのデジタルチャンデバに入れ、そこでアナログ変換してパワーアンプへ。つまり、D/A変換を一度しかしないシステム構成なんですよね。その間の接続はデジタルデータの受け渡しですから、理論上は(わたしレベルでもこのくらいは分かります=汗)音質劣化が極めて少ない。アナログケーブルはチャンデバ―パワーアンプ―SPだけですが、これらは至近距離に設置(SP真下)してあるので、ケーブル長は最短、劣化や音質変化は極小になるよう工夫されています。しかも、デジタルプリは0dbのボリューム位置が「ビット落ちがない」(私には意味不明=汗)とかで音質劣化が最も少ないそうで、そこのボリューム位置に合わせたときに最も気持ちよくSPシステムが鳴るように、パワーアンプ側のゲインを調整しているという、こだわりぶりです。

ここまで読んできた、特にエンジニア畑の方には予想できていると思いますが、Myuさんはカリフォルニア仕込みの元エンジニアです。しかもデジタル系の。ならでは、という感じですよね。

前置きが長くなりました(汗)。いつもは機器とかメカニズムとかはよくわからないので(大汗)、私の訪問記ではシステム紹介は最小限にすることが多いのですが、最近たまたまチャンデバ、というものに興味を持ちだしたこともあり、ついつい筆に力が入ってしまいました。ただし、元々技術面に暗い人間ですので(笑)、どこか間違っていましたら遠慮なく指摘ください、Myuさん。

お待ちかね、試聴タイムです!

先に結論を書いておきますと、私は駄耳ではありますが、ここのコミュニティに入れていただいてから恐らく10軒以上、それぞれこだわりの2chシステムを聴かせていただいていますが、ここはその中でも確実にベスト3に入るというのが、個人的な感想です。2chとしては(この書き方には私なりの<矜持>が無くもない=笑)、すべてのジャンルの音楽再生に対し、弱点が見当たらない、音質・音像・音場でした。敢えて言えば、かつて銀座のショールームで聴いたことのあるLINNのフルシステム(総額何千万の世界です)の音に近いといえば、想像ができる方もおられるでしょうか。

以下、順不同ですが、私の持ち込みも含めて聴かせていただいた音源の中で、特に印象に残ったものです。

五嶋みどり 『Encore!』 
スティングがJo Lawryとデュエットする「practical arrangement」
Adeleの『 Live at the Royal Albert Hall』
マイケル・ジャクソンの 「Billy Jean」
3Tenorsの「誰も寝てはならぬ」 
Bob James Trio 「Straight Up」
LPですが、 ストラビンスキー 『火の鳥』(コリン・デイビス&アムステルダム・コンセルトヘボウ)

一つ一つの曲の細部の音の印象を書いているとあと何時間かかるかわからないので、止めておきますが(笑)、静けさ、分解能、倍音の消え入る様の表現力、ボーカルの定位、Pulsiveな音の迫真性、暗騒音の怖いほどの迫力など、日本の高度成長を支えてこられたエンジニアの方が、金と時間と労力に糸目をつけずに(笑)物理特性を極めたシステムの果てに、素晴らしい「音楽性」が宿っていました。「音色」に関しては想像できると思いますが、「怜悧」な感じで(そこは私のような「甘々」(爆)好きとは異なりますが)、それがかえってこのシステム全体のすごみを感じさせます。

特に最後に聴かせていただいた(Myuさんも私が聴きたがるだろうと予想して、事前に準備していただいていたそうです。なんというシンクロ!)「ハルサイ」の、 fffとpppのダイナミックレンジの大きさ、弱音部の迫力、強音部の歪感の無い再現性と言ったら…(絶句)

実は愛犬連れで行ったので、夕方になったら散歩もあるのでトランスの置き方だけ確認したら早々に失礼しようと思っていたのですが(汗)、音楽が始まると、「次は、次は」とリクエストしまくる自分が止められなくなりまして(愛犬には悪いことしました=汗)、暗くなるまでお邪魔してしまいました(笑)。

最後に、普通は逆順に紹介すべきでしょうがお部屋について少々。Myu邸は中古の別荘をリフォームされたそうで、今のオーディオルームは元々は和室だったそうです。その屋根裏を取っ払って、屋根の尾根を利用した変形形状の天井に、ヒノキの壁面をしつらえ、床も前述のように完全補強、防音対策も完璧で、天井裏と壁にもところどころに吸音の工夫もあり、Live過ぎず、Dead過ぎずの残響特性になっているようです。
[:image3:](写真3)

部屋の紹介を最後にしたのは、私の最近の悩みを聞いていただいた際に、次の金言をいただいたからです(笑)。

「電源だ、ケーブルだというおカネがあるのであれば、あと3㏈音量が上げられるように部屋を改造する費用に回しなさい。スピーカーに最も気持ちのいいなり方(=恐らく、物理特性が一番優れた音量という意味)をさせる部屋を作ることが、最も重要」

ここまで「機器」に拘った整備をしている方が、最重要は「SPの音量」であり、それを実現できる部屋だと。言われてみると、私が少し知識と経験のあるクルマでいえば、その要であるエンジンには、「最も出力特性に優れた回転域」というものがあり、あらゆる速度においてその回転域を維持するのがドライバーの腕なんです。

つまりどのスピーカーも、最も実力を発揮できる音量域というものがあるはずです。

あなたのスピーカー、その実力に見合った音量で鳴らしていますか??? 彼の部屋のSP群は、実に幸せそうに歌っておりました。

<おまけ>
ヒジヤンさんの「訪問記」の写真に映っている、Sonyの巨大ユニットを使ったスピーカシステム(出水電気さんのショールームのものと同じだそうです。これもヒジヤンさんの訪問記がありますのでリンク張らせていただきます)は、私が訪問した時は、ソファの後ろでカバーをかけられて埃をかぶっておりました(言葉のあやです=笑)。つまり、このド級SPシステムを「引退」に追い込むほど、今お使いの「太鼓」(笑)SPシステムの音の方がよいということを意味しています。でもあまりにもったいないので、「これをサラウンドにして、4chにしてみては?」と、マルチ派の私は思わず提案してしまいました(笑)。近々拙宅にお招きする予定ですので、そこでの印象が良ければ(責任重大!!!)、Myuさんもマルチの道に引きずりこむことができるかもしれません(逆に私が、チャンデバ・マルチアンプの世界に引きずりこまれそうですが=爆)。

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