きょや邸訪問記-鄙にも稀なる?(笑)

日記・雑記
Sponsored Link

いやあ、日本はやっぱり広いですねぇ。玄界灘をすぐそこに臨む、九州の北端にきょや邸はありました。ルーツは数百年前にさかのぼるという名家だそうで、大きな古民家(広い玄関、長い廊下、延々と続く畳部屋!!!)の奥の比較的小さな一室に、オーディオルームがありました。

そこに置いてある機器は、大変失礼ながら、「鄙にも稀な(笑)」ハイテクハイエンド機器ばかりでして、築200年近い「箱」との対照に、脳内を思わずこの言葉がよぎったのでした(きょやさん、気を悪くされないでください!)。

そもそも、東京に住む私が突如、きょやさんの所へお邪魔することになったのは、きょやさんが長い沈黙(私が2年前に入ってからは一度も記事を書いておられなかったそうです。だからこれまで私は全く存じ上げない方でした・・・)を破って、「 Roonによるマルチチャンネル再生」というマルチ派の私にとっては、見逃せないタイトルの記事をアップされてからです。

これが8月下旬でして、偶然9月に福岡に仕事で行く計画が進んでいたタイミングだったのです。その後のきょやさんによる怒涛の「記事」UPおよび「レス」のやり取りを重ねていく中で、「これはせっかくの機会だから伺わないと」と思うようになり、ご快諾いただいて今回の訪問が実現しました。福岡空港でレンタカーを借りて1時間ちょっとで着きました。

写真All[:image4:][:image3:][:image2:][:image1:][:image5:]

さて、ご使用の機器は相変わらず私レベルでは説明を受けても、それがなんなのか、どれほどのすごいものなのかもよくわかりませんので、取り敢えず、彼の「マイルーム」へのリンクを貼っておきますね(汗)

私でわかることだけを言えば、TaikoというTIASで初めて聴いて感動した記憶のある機器をRoon Coreとして使い(HD内蔵)、そこにあるデジタルデータ(Streaming 含む)を2chの場合はDAC経由で2chプリに、マルチの場合はTrinnovのAltitude 16に送り、それぞれパワーアンプを経由して DIATONE DS-4NB70 と ECLIPSE TD725SWMK2で出力されておられる(ハズです=汗。きょやさん、間違っていたらご指摘ください)。電源周りは特別な工事はしていないとのことでしたが、クリーン電源や蓄電器がしっかりそこかしこに置いてありました。写真に映っているかと思いますが、スピーカーケーブルにもなんかすごいアクセサリー(電子を集中させるとか、何とか???)つけておられるそうで、まあ、いわゆる「マニア」のプロトコルに則った、「序盤、中盤、終盤、スキのない」システムであります。

名前は聴いたことがあっても見るのも初めてだった、Fundamental、Nmodeとか、とらたぬ?(これは知りませんでした。セミオーダーされているそうです)とか、いわゆるガレージメーカーの製品を愛用しておられることからも、私のように寄らば大樹的に「まあブランド品買っとけば安心!」(汗)というものとは違って、目利き・耳利きのする方だということがすぐにわかります。

写真でお分かりのように、フロントのLRはスタックを組まれておられますので、私がついこの前、K&Kさんの所で学ばせていただいた、「バーチカルツインを聴く際の作法」 に則って、座高を調整しようとしたんですが、きょやさんは私より座高がやや高いらしく(大柄、という意味です!短足、とは言っていませんよ=爆)、私が「耳のべスポジ」を取るには、少し浅く座って、頑張っていい姿勢を取り続ける必要があります。でもこのポジションは、きょやさんによると、Trinnovのキャリブレーションをしたマイクの位置とぴったり、とのことで後の4ch再生時に奏功することになります(笑)。

まず2chの出音の印象はというと、まあ、私の記事を連続的にご覧になっていない方には恐縮ですが、前回、私がお邪魔したMyu邸の音と少し似ているなあ、というのが第一印象でした。これは「完全なる誉め言葉」で、何といっても私はMyu邸の音はベストスリーに入る、と断言したばかりなので、「ウーム、トーナメント以外ではベスト4っていう言葉もあまり聞かないしなあ。なんて書こうか」と聴きながら思っておりました(爆)。

最初はボーカルを何曲か、私の聴き慣れたものも含めてリッピングファイルやTidalなどで検索して聴かせていただいたのですが、S/N比の高さがスゴイ。JazzやPopsのドラムやベース、シンバルといった基本的な音楽的要素の音が、一音一音しっかり、くっきりと、実体感を伴ってそれぞれ配されているところに、ぽっかりと「口」が浮かびます。私の都合であまり時間が取れなかったので、ピアノとオケの両方一度に聴けるように、ラヴェルの「ピアノ協奏曲」も聴いたのですが、音数が多くて華やか、分離もしっかりしている。これぞ、ハイレゾ・ハイテクの音、という感じで、私より一回り以上お若いきょやさんの若々しい耳には、「もっといい音で聞こえているんだろうなあ。これは若い人が聴いたらもっとびっくりするだろうな」と思いながら聴いておりました(笑)。ちょっと話は逸れますが、私は「世代間の音の好み」というのは確実にあると思っており、これは基本的に聴力の違いに起因するものだと思っています。つまり、同世代の人が練り上げているシステムの方がいい音に聴こえる。世代が上下に異なる人の音は、「出すぎ」か「出なさすぎ」に聴こえることが多いかと。だから、自分と世代が異なる方が書いているオーディオ雑誌の記事やPhilewebの「訪問記」などは、話半分(爆)。

さて、慌ただしくも次は、Trinnov経由の4.2chのお時間です。マルチ派の私としては、こちらが本命です(笑)。きょやさんは長い沈黙のあと、矢継ぎ早に記事をUPしておられ、私もレスで応戦(笑)したのですが、恐れ多いことに、私のレスに触発されて、わざわざ、私が来る前に、TrinnovのBass Management機能を試されたそうなんです。COも私が「無責任に(汗)」レスに書いた60Hzを取り敢えず試されているとか。

ということは、Add-onとして機能している2ch再生時と異なり、これまでは、マルチ再生時には、LFE用としてしかSWが使われていなかったわけです。つまり、例えばクラシックなどでよくある、4.0chとか5.0chソースはLFEには音が振られていませんから、2台もあるEclipseのハイエンドSWはその音源では「寝ている」状態だったことになります。

これをAVプリによるBass Managementを使うことで、常に60Hz以下の部分をこれら2台のSWが受けもつことになります。これはAdd-onとは決定的に違っていて、ちゃんとチャンデバされているので、事実上、Diatoneの6台のSPがすべて3Wayスピーカーに変身することになります。私の経験上のその効果は、SWに良質のものを使っていれば(きょや邸のは全く問題ありません。私もELACと迷った機種ですから!)、超低音の仕事を免除されたメインSP群のウーファーがのびのびと仕事をしてくれるので、人間が敏感な低域の音質が改善され、さらにその波及効果で中高域もくっきりするというものです。

私は「Before」を知らないので、きょやさんに「どう、変わりましたか?」とお尋ねしたところ、「全然良くなりました」と嬉しいお言葉。<無責任な>レスでなくて良かったです(笑)。

さて、「After」を聴かせていただきました。きょやさんは基本的に、音源はファイル派(なんといってもTaikoを使った方が圧倒的に音がいいでしょうから当然ですね)なので、まだまだマルチ音源は少ないようでしたが、定番の『LUX』と『Magnificat』、さらにPops系で、ドナルド・フェイゲンの『The Nightfly』を聴かせていただきました。

さすがに、前2者は、Auro-3D音源があり、ハンドルネーム「Auro3D」を名乗る(汗)私が、Auro-3D再生に最適化(?)されている拙宅で常日頃聴き込んでいる音源なので、まさか4ch再生に「音場感」で劣るわけには行かない(という認知バイアスが私に入っていることを前提で以下、お読みください=爆)。

ということでAuro耳の私には(笑)、音場感(高さ感、空間の広がりなど)はともかく(それでも、かなりの高さ感を感じられたのは付言しておきます)、一音一音の質は拙宅よりハイレゾしてました!これはTrinnovの力が大きいのではと予想しますが、けっしてドンシャリではないのですが、「お米が立っている」感じです(わかる方はわかるかと=笑)。

特に『The Nightfly』 は大学時代の思い出の愛聴盤なのですが、このマルチ録音盤は、そこまであざとくは無いものの、LRとは異なる音がサラウンドに振ってあるのですが、拙宅ではあまり聞こえないような音(何の音かは判然としませんでしたが、中高域に基音のある、カスタネットのような音でした)が、はっきりと聴こえるのにはびっくりしました。サラウンドSPはフロントと同じハイクオリティのものであることに加え、それを駆動するNmodeのアンプの音かな、いややはり、Trinnovの力かな、という感じで、弁別はできませんが素晴らしかったです。

で、「Auro3D友の会会長=自称」(笑)とすれば、当然次に期待するものは・・・と水を向けてみると、きょやさん、すでにやる気満々でした(笑)。何といっても、彼が一番音が良いと信頼しているTaiko経由でTrinnovがRoonに対応しているために(LANケーブルでつないでいるそうです)、どうやらTrinnovに内蔵されているAuro-3Dデコーダーで、Auro-3DファイルさえTaikoに格納できれば、Auro-3Dが再生できるらしいという情報をつかんだことが大きいようでした。

早速スピーカーの位置や数、機種の選定のコツ、などについて助言を求められましたので、私の経験からのアドバイスをいたしました(いずれ、初心者向けに『Auro-3D入門』のようなイントロマニュアルを書きたいと思っています)。

完成の暁には「相互訪問」をすることを固くお約束して、福岡うどんをご馳走になってお別れしました。きょやさん、ありがとうございました!

コメント ※編集/削除は管理者のみ

タイトルとURLをコピーしました