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『ジョンの魂』とSurround Sound Maps

日記・雑記
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今回は、Auro3Dネタでも、クラシックネタでも、位相ネタでもなく(笑)、John Lennon/Plastic Ono BandのThe Ultimate Collectionに関する話題です。

ジョン・レノンやこのアルバムについては多くを語りません(軽々に語りたくありません)が、自分にとってIpadをみながら聴くことは絶対にないアルバムの一つで、聴くのにある種の「勇気」と「覚悟」がいる、自分の青春のReminderです。

さて、ファンの方ならご存知と思いますが、『ジョン魂』にはThe Ultimate Collectionという豪華版があります。[:image1:]未発表Takeの数々はマニア向けですが、オーディオファンにとって興味深いのは、ブルーレイによるRemixサラウンド音源です。

[:image2:]この写真の右下に、収録フォーマットの一覧があります。Atmosは最近クラシック以外でも徐々に増えてきて、これを目的で購入したのですが、オーディオ的になかなかすごかったのは、192/24のDTS5.1ch。

さらに興味を引いたのが、同梱されているブックレットの後ろの方に、さり気に記録されていた、Surround Sound Mapsと題されているデータ一覧。[:image3:]録音エンジニアが個々のトラックに収録してある音源を基にサラウンド化(この場合、2次元で書いてあるのでAtmos用ではなく、5.1ch用と思われます)する際に、こういう「設計図」を作るんですね。知らなかった。私は不勉強でこういうものを見たのは初めてなので、これを見た瞬間、Johnには申し訳ないが(笑)、俄然、ファンモードからオーディオPhileモードになり、以下の実験をしたくなりました。

①  2ch(192/24PCM)と5.1chとAtmosで、このマップ(=録音エンジニアの意図)に最も近い再現性を持つものはどれか?

②  5.1chのAuroMatic(=Auro3D化)VS Atmos(native)で、どちらが気分よく聴けるか?

*①は、2chと5.1ch は8805のPure Directモードで比較。AtmosはAuto(Audysseyによる補正=MultiEQXT32のみOn)②は、すべて8805のAudysseyによる補正(MultiEQXT32のみOn)モードで比較。なお、中高域の極性はすべて正極性に合わせてある(詳細は別稿予定)。Atmosは9.1.4、Auro3Dは7.1.6。

結果と考察

① については、私の駄耳では5.1chの圧勝。前後の定位に関しては、例えば、Well, Well,Wellという曲はMapによるとボーカルの前やや右にJohnのギターが入る設計になっているが、この「ボーカルよりギターが前」がよりはっきりと5.1chの方が分かる。これは後ろにもSPがあるので当然かもしれない(ただしBassは判別が難しかった)。左右の並びに関しても2chより明確だった。これはセンターSPの存在が大きいと思う。Mapでセンターに計画されたボーカルは絶対的なセンターに定位するし、例えば、Rememberという曲は、このMapだとJohnのピアノが、センターのボーカルより「やや左」に配されているが、この微妙なオフセンター感は5chであればセンターとLの二つのSPで出せばよいわけだから、3台の方が2台よりもきめ細かく音像を操作できるのはこれも当然といえば当然であろう。Atmosは表現される空間は広がるが、それに伴い定位感も広がる(ボヤける)感じだった。

*ただし、2ch派の方におもねるわけではないが(笑)、今回実験した2chは2WayのAmator IIIではなく、所詮サラウンド用のSonettoVIIIのLRを使ったものであり、アンプもAVアンプで、カリカリにチューンされた2chステレオとは比べ物にならない。拙宅は元々マルチに最適化したシステムだから、Fairな比較とは言えないだろう。

② については、ハンドルネームの名に懸けて(笑)、「AuroMaticの圧勝」、と言いたいところだが、正直、どっちもあまり「気持ちよく」は聴けなかった。これはこのアルバムがほとんど、ボーカル、ベース、ドラム、ギター、ピアノというロックとしてはミニマムな編成の曲ばかりであるため、先にきいた5.1chの方が生々しく(拙宅の場合は、ポジション的にも5.1ch用のベスポジの方がLCRとの距離がかなり近い)、それに比べると、AtmosもAuroMaticもSolid&Tightな感覚で負けていた。あえて両者の違いを言えば、Atmosの方がメリハリがあって、サブウーファーの音圧が上がった感じがする一方、有名な第一曲目のMotherの冒頭の教会の鐘の音はAuroの好物であり、やはり高さ感の表現に優れていた。

今回勉強になったことは、ド素人の私は5.1chって、5か所にマイクを設置して単純に同時録音したものかと思っていたのですが(笑)、マルチトラックで各楽器やボーカルなどをバラバラに録音したもの(これら「素材」の音源もこのCollectionには入ってます)を、エンジニアがデザインして音像を配置してもできるんだということ(だから古いレコードを、現代のBDマルチチャンネルにできるんですね)。もう一つは、このアルバムは、これ見よがしな5ch化(音がばらばらに各スピーカーに振ってあったり、前から後ろ、右後ろから左後ろなどに音が移動する等)に走らず、2chの世界観をそのまま5chで再現しているので比較の対称性が取れているという前提で、拙宅のような低レベルのシステムだと、2chより5.1chの方が前後左右の音像定位に優れるということです。

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