「ダンピングファクター」について、学んできました―オーディオショウ初体験記

日記・雑記
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昨日、グランドスラムさんにお誘いいただき、生まれて初めて、「オーディオショウ」なるものに参加しました。有楽町のTIASです。「モーターショウ」なら、子供のころからずっと行っていますが、オーディオにはこれまでそこまでの知識と関心がなかった証左ですね(汗)。

「モーターショウ」のだいご味は、「まだ見ぬ未来のクルマ」をリアルに見たり触ったりできることなのですが、「オーディオショウ」はそのようなプロトタイプの出品があるわけではなく、基本的には、「現行品の展示会」に過ぎないことを初めて知りました(だから、無料なんですね)。でも、いままで見たことも聴いたこともない製品がたくさんあって、グランドスラムさんのご案内で、いろいろ見たり聴いたりしてきましたので、日記に留めておこうと思います。

昼頃着いたのですが、まず残念だったのが、ソウルノートとB&Wはすでに予約で一杯で、入場すらできなかったことです。やはりどちらも、今話題のメーカーですね。あと、DevialetとLINNという、個人的に注目しているハイテクブランドが参加してないのは残念でした。

7時間ほど、いろいろ見たり聴いたりしましたが、初心者に毛の生えた程度の私が特に印象に残ったものを3点にまとめます。

1.「やはり、ハイエンドモニター系SPはすごい」

この3枚の写真は、もはやこのコミュニティの皆さんには説明する必要のないものばかりですね。

Magico M2+Pass[:image1:]

Avalon PM4+Nagra[:image4:]

YG Acoustics Hailey2.2+Krell[:image3:]

いずれも、専門誌の表紙を飾るようなハイエンドモデルですが、これまでショップで鳴っているのを「立ち聞き」した程度(どうせ買えないので=笑)で、「ちゃんと座って」じっくり聴いたのは初めてだったような気がします。もちろん、いずれも各輸入代理店が扱うハイエンドのアンプ類でドライブされていました。

私の駄耳にはこれら3台の音のベクトルはやはり同方向で(差異はあります)、一言で言えば、「峻厳な音」ですよね。S/N比の良い、制動の利いた、ハイレゾ感満載の音です。どう考えても、「パリ管」より「ベルリンフィル」を聴きたくなる音です(笑)。

2.「聴けて嬉しかったのですが…」
[:image5:]
この写真は、EstelonのForzaというハイエンドモデルです。実はこれのYBというモデルのホワイトを雑誌か何かで見た時、「一目惚れ」をしまして(笑)、試聴もせずに真剣に購入を検討したことがあります。でもあまりに近未来的なデザインで、ミラノ風のウルトラモダンなモノトーンのお部屋でないと「浮く」だろうと、Woodyな拙宅ではやめておこうとなりました。これはその上級モデルですが、お店で「見た」ことはあったのですが、音が出ているところに遭遇したことがなかったので、今回、是非聴いてみたいものの一つでした。

出音は、見た目通り、空間表現・高さ感の演出に優れていましたが、残念だったのは、音量がちょっと小さかったこと。せっかく、Soulutionの弩級アンプをつないでいるのに、あれではSPもアンプも、双方とも本来の実力を聴衆にアピールできなかったのではないでしょうか。

3.「ダンピングファクター」の違いは、どう音に出るのか?

満員で入れなかった、ソウルノートやB&Wより個人的には今回の「目玉」だったのが、「ノア」のブース。一応、ソナス使いの末席を濁しているので(笑)、そのハイエンドであるAida IIは、一度くらいはちゃんと聴いておきたいと思っていましたし、以前伊豆の拙宅までわざわざお越しになった、牧野社長にもお会いできたらご挨拶しようと思っていたためです。
[:image2:]
幸い、牧野社長にお目にかかることができ、私のことも覚えていて下さったので、すこし立ち話をしましたところ、「今日は、世界初公開があるんですよ。まあ楽しみにしていてください」というので、最前列に陣取りました。

牧野社長自らマイクを取って、プレゼンが始まりました。

「最初に訂正があります。お手元のPrice Listですが、Burmesterの<159>というモノラルアンプのペア価格ですが、これは本体価格ではなく、消費税の価格です。ゼロが一つ抜け落ちてしまいました」

どれどれ、と思って見てみると、「4,400,000」とある。これにゼロを一つ加えると…家が買えるじゃん!

でも驚くのは値段だけではありません。このアンプ、史上初の「多段階可変ダンピングファクター」機能が売りだとか。DFって、アンプのカタログにはよく乗っている数字ですし、いろいろなオーディオ雑誌でもよく話題になるのは知っていますが、実は正直、それが何を意味するのかがよくわかっていない素人の私。確かに、この前買ったOctaveの真空管アンプは、その前に使っていたLuxmanのトランジスターアンプよりDFが低いそうで、事実音の違いはあるにせよ、これがDFの違いによるものなのか、球と石の違いなのか、はたまたA級とAB級の違いなのかは私には全くわからず。つまり異なるアンプではDF以外にも変数が多くて、どの変数がどう効いているのかを判別できない。

しかし、この「159」というアンプを使えば、DF値102から、同4006まで、DF「だけ」を変えて音の変化を楽しめるわけです。

もちろん、牧野社長は実演してくれました。オペラの男性声楽を使って、DF値102と同4006を比較試聴。

個人的には、完全にDF値102の方が好み。低域はほとんど真空管アンプの音の感じでした。柔らかい、深い、重い。私がOctaveを選んだのは、真空管だからではなくDFが低い音が好みだからなのかも、と思いました(高域の音は、また別の話)。

逆に言うと、とある有名メーカーで、やたらDFが高いことを宣伝材料に使っているところがありますが(笑)、ここのパワーアンプとはどうも気が合わない理由がわかった気がしました(あくまで個人の感想です!優劣ではありません)。DFが高い方が、SolidでvividでCoolな感じがするので、こちらの方が好みという方は少なくないと思います。こうしたハイレゾ感があるのは完全にDF値4006の方でした。牧野社長は、「曲や気分によって、DFを変えて楽しんでいただければ」と話しておられました。

後ほど、こっそりと牧野社長に、「今回のシステム、総額いくらぐらいするんですか?」と伺うと、約8000万円とのこと。ダイナの最上階も真っ青の、自分史上最高額のシステムの音!

すっかり下世話な話になり、書くのを忘れてましたが(汗)、Aida II(ちなみに、これもフェラーリ買えます=笑)と組み合わせた8000万円の肝心の音は…残念ながら私の筆力を超えていますので、次号のオーディオ雑誌の一流評論家による言語表現をお楽しみに!(笑)。ただ、確実なことが二つ言えます。一つは、たまたま同じソース(カンターテドミノ)をEstelonのForzaでも再生していましたが、私的には、Aida IIの圧勝(「感動」という主観的尺度)だったということ。もう一つは、「最近、少しは聴けるようになったかな」とうぬぼれかかっていた(笑)、拙宅の2chシステムの音は、「しばらく聴けない、聴きたくない」心境になったということです(笑)。ある意味、Aida IIを「聴かなきゃよかった」とすら思っています(泣)。

最後に、グランドスラムさんがお親しい、オーディオ評論家のフウさん(漢字が出せないので、カタカナで失礼します。私はずっと、「伝さん」だとばかり思っていました)のお忍び講演会にご案内いただき、とても素敵なバイオリンのCDをご紹介いただきましたので、ここに載せておきます。今を時めく美人バイオリニスト、Janine Jansenが、表題通り、12台のストラディバリをとっかえひっかえして名曲を弾きまくる、という「企画賞」もののアルバムです(昨日会場にいる間にAmazonで注文し、今日届いて今聴いています!)。一言で「ストラディバリ」と言っても、結構個体差による音色が違うのがわかってとても興味深いです。
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終演後、有楽町の居酒屋でグランドスラムさんにいろいろと教えていただき、有意義な夜となりました。毎回のように参加しておられる彼によると、こんなに空いているTIASは初めてだとか。コロナのお陰で(笑)、事前予約制で人数制限をしていたため、すべてのブースで着席して試聴できたのですが、「例年であれば座って聞きたければ、1時間近くは並ばないと」だそうです。これを聞いて、腰の悪い私は(笑)、「今回が最初で最後かな」と思ったのでした。

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