「電線病患者」改め、「電源コンシャスなオーディオマニア」の入り口に立ったかもしれません(笑)-蓄電器2台体制およびパワーアンプとスピーカーとの接続問題

日記・雑記
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先にグランドスラムさんの来訪を機に罹患してしまいそうになった(汗)、「電線病」の危機に際してはいろいろと皆さまにご助言いただき、ありがとうございました。
様々な「処方箋」をいただいた中で、取り敢えず私が取り組みました、Hondaの蓄電器による上流機器への電源供給策ですが、GWを前に2台目が届き、もろこしさんのご助言に挑発されて(笑)、インテグレート使い(1台で2つの機器に接続)とセパレート使い(2台に各1つの機器をつなぐ)の聴感上の違いなどを検証してみました。

また、一連のご助言の過程で、個人的に以前より気にはなっていた拙宅のSPがパワーアンプから10M以上のスピーカーケーブルによって接続されていることについてご質問させていただいたところ、ぺぶるすさんとK&Kさんから異口同音に、長いSPケーブル(=短いXLRケーブル)と、長いXLRケーブル(=短いSPケーブル)のどちらがよいかは、「やってみないとわからない」というご回答をいただきました。こういわれると、「やってみたくなる」(笑)のが科学的実験精神にあふれた近代人のサガというものでして(爆)、このGWを利用してそれも試してみましたので、これら二つを合わせて以下にご報告させていただきます。

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まずは、Hondaの蓄電器 E-500の1台体制と2台体制の比較から。

停電時のバックアップ電源にもなることから、当初は東京の書斎と伊豆の別荘にそれぞれ置くつもりで購入したのだが、もろこしさんより、「ソース機器とプリアンプを別々の蓄電器につないだ方が、音がいい(かも=笑)」との情報をいただき、GWに当たって東京からもう一台持ち込んでみた。

<写真1.書斎ではArcamのネットワーク機能付きプリメインアンプに使用している。おかげさまで、なかなかいい音がするようになりました=笑)
[:image1:]

これを伊豆に持ち込んで早速実験。<写真2>[:image4:]

方法はこれはとても簡単で、伊豆の拙宅のソース機器であるOPPO205と、プリアンプのISP MK2の電源ケーブル(すみません、どちらも付属品を使ってます=汗)を壁コンセントから外し、つなぎ替えるだけ。前回伊豆に来た時にすでに2into1の「インテグレート使い」は実験済みで、駄耳には、205だけやISP MK2だけをE-500につなぐより、両方つないだ方が音のLive感が増すことは確認している。

<写真3「インテグレート使い」>[:image2:]

今回は、2台使っての「セパレート使い」との音質比較。

<写真4「セパレート使い」>[:image3:]

私は職業柄(何の職業?=笑)、こういう実験の前には、「仮説」を立てる癖がついていて、今回は、もろこしさんのみならず、プリマさん、bb7さんら先達から伺った情報からの推測で、「差が出るとしたら二つの機器が発するノイズの影響の有無によるのだろう」と考え、可能性としては、
仮説(1).大差なし=この場合、私が使っている二つの機器があまりノイズを発生させない種類のものだということになろう(または私の耳が悪いか=笑)
仮説(2).高音・高域に差が出て、セパレートの方がキレイな・澄んだ高音が聴ける=ノイズといえば、高域だろうという、単なる素人的な勘(笑)。理論やメカニズムにはまったく知識なく(汗)、根拠はない仮説(爆)。

実験に使用したソースは、1.ボーカル付きのPops/Rockで録音の良いハイレゾやDSD(数多く試聴したが、例えば、PoliceのSynchronicityとか、TOTOのIVとか、Hotel Californiaとか、Billy Joelとか、Karen Souza、Carpentersなど) 2.お気に入りのバースタイン・NYフィルの『惑星』 3.ピアノ好きなので、ラフマニノフのピアノ協奏曲-など。

結論:

上記仮説は二つとも見事に棄却され(笑)、(1)でも(2)でもなく、(3)であった。(3)とは、「大差」というほどではないが、しかしながら無視できるほどの僅差でもない差があり、その差は、「高域」ではなく、むしろ「低域」に顕著であったというもの。

以下、駄耳による聴感では、1.なぜか、2chより5.1chの方が効果が出やすい2.なぜか、2chソースの場合に顕著な特徴として、比較論的に言うと、「インテグレート使い」の方が高域が華やかになり、「セパレート使い」だと低域により暴力的なまでの迫力が出る傾向があった―という結果となった。

どちらの「なぜか」も、技術・理論素人の私にはさっぱり謎だが(汗)、もう少しソース別に具体的に書くと、Pops/Rockでは、例えば2chと5.1chの両方のソースを持っているHotel Californiaの場合、後者の方が「セパレート使い」にした際の効果(高域=シンバルやアコギなど=の鋭いリアルさUP、低域=キックドラムやEベースの実体感UP)がかなり高く聴こえた。また、同じ2chソースで「インテグレート」と「セパレート」を比べると、前者の方がより「高域」に効き、後者の方がより「低域」に効くという印象を持った。5chソースの場合は、「高域」「低域」とも効果大であった。

5chソースである、バースタインのSACD『惑星』は、私の好きな「木星」を聴いたのだが、「セパレート使い」をして聴いた際、思わず、演奏終了後に<拍手>をしてしまった(笑)。誰もいない部屋なのに(笑)。それほど、演奏者のヤル気がマシマシになっている感覚を受け、それに報いる拍手を思わずしたくなるという、前代未聞の経験をしたのであった。

また、普段<癒し系音楽>として聴いているラフマニノフのピアノ協奏曲では、「セパレート使い」にすると、緊張感を強いられるような感覚に襲われた。音が怖いのである(笑)。おちおちと聴きながら寝落ちしていられない音楽になってしまった(汗)。

ただし、使い勝手という側面から見ると、「セパレート使い」に問題もある。

OPPO205もStorm ISP MK2も同じくらいの電力消費らしく、「セパレート」で使っていると、同じようなタイミングで蓄電器の残量が無くなるため、何時間か聴いてバッテリー切れとなると、数時間は音楽再生ができなくなってしまう(まあ、音質に目を瞑って壁コンに差せばいいだけか)。もし、これを「インテグレート方式」で使っていれば、片方のバッテリーが無くなったら、もう片方の満タンのE-500に入れ替え、その間にまた充電をすればよいわけで、「朝起きてから夜寝るまでずっと音楽をかけている」私の伊豆でのライフスタイルを変える必要はないのだが。

確かに、オーディオ的な快感は「セパレート使い」の方に分があり、オフ会でお客さんに聴かせるなら絶対にこっちなのだが(笑)、吹き抜けの窓から日が差し込む昼下がりに、アールグレイのミルクティーを飲みながら、ラフマニノフをかけて、本を読むのが好きな私としては(笑)、「セパレート使い」だと、じっくりと本を読んでられない<切迫感>がありそうで、「目を吊り上げて」対峙するような聴き方しか許してくれなさそう(私の好きな耽美的なラフマニノフやモーツァルトが、リストかベートーヴェンになって挑みかかってくる=笑)な点がどうなのか…(これは8805をISP MK2に替えたときにも感じたことだが)

ただ、「セパレート使い」と「インテグレート使い」との差は、蓄電器の「ある・なしの違い」ほどは大きくはないので、まあ、TPOに応じて2台を使い分けたいと思っている。

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さて、次に、XLRケーブルVSスピーカーケーブルである。先にも書いたが現状拙宅では、プリアンプとパワーアンプの間は1MぐらいのXLRケーブルでつなぎ、パワーアンプから主力のLRのSonetto VIIIまでは、床下を10M以上、モガミの結構太い4芯の銅線ケーブルでつないでいる。パワーアンプは中高域と低域にそれぞれMono使用で1台ずつ当てがっていて、かつ、ISP MK2でチャンデバ機能を利用しているため、各々のパワーアンプがそれぞれXLRケーブルでプリにつながっているという、やや(私レベルにしては=汗)複雑な接続になっている。

問題意識としては、要は、XLRケーブルを長く使って、パワーアンプをスピーカーの近くに置き、スピーカーケーブルを短くするのと、今の接続とではどちらがいい音がするのか、または差がないのかという点である。仮説的には、スピーカーケーブルが長いとエネルギーが「減衰する」のは確かであろうから、迫力、特に低音の力強さはスピーカーケーブルが短い方が勝るかもしれないが、その差はわずかかもと考えた。

方法論:

実験対象スピーカーには当然メインのLRにしたいのだが、問題は比較の対称性を保つためには、今の接続環境をスピーカーケーブルとXLRケーブルの入れ替えだけで実現するのがベストなのだが、そのためには10M以上のXLRケーブルが4本と、短めのスピーカーケーブルも4本、さらにパワーアンプ左右各2台分の電源がスピーカーの近くに必要になるということ。さすがに、やってみてダメだったら購入したXLRケーブルが無駄になるし、そもそも面倒だし(笑)。ということで、今回は簡易な方法を選択。

<写真5,6>[:image5:][:image6:]

ISP MK2の方の設定を変えて、LR二台だけのセッティングを構成し(もちろん、Dirac Liveによる補正はなし。SWも使わず、Sonetto VIIIだけでフルバンド再生を行う)、2本の15MのXLRケーブル(モガミを使った日本製)と2台のSTA-9(Mono使用)を使用。スピーカーケーブルは最小限の長さ(約50センチ)にして、Sonetto VIIIとはシングル接続をする(中高域と低域の端子間のケーブルは、KEFについていたものを流用)。ただし、ここで留意すべきは、XLRケーブルとスピーカーケーブルとも、15M/1M,10M/0.5Mという<長さ>のみならず、<ブランド=品質?性質?>も同じではないという点。この違いが結果に影響を及ぼす可能性は排除できないが、その差を上回る「大差」の音質の違いがあるかどうかを見たいと思い、「ケーブルブランドの差は、長さの差に比して小さい」(ハズ=笑)という前提で進めた。

検証結果:

いちいちつなぎ変えての比較試聴はとても手間と時間と労力がかかるので、多くのソースは使えず、今回は1.ピアノソロ、2.バイオリンソロ、3.ボーカル、4.Rock―から各1曲の計4曲の「さわり」部分の比較試聴をした。

結論的に言うと、いずれもXLRケーブル>スピーカーケーブル(長さにおいて)の方が全体に「ハイレゾ感」が出るが、低音よりむしろ、特に高音の切れ(シンバルなど)や伸び(バイオリンなど)、また清明さ(ピアノなど)において、優れていたのは意外であった。仮説的には効くなら低域だろうと思っていたのだが、確かに全体に力強さは増して、その意味では低域にもよい効果が出ているのは確かであるが、より際立つのは高域への好影響であったのが、理論的に不案内な私には不思議であった。

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以上、今回GW中に取り組んだ二つの実験についてのレポートです。両方とも自分の仮説が外れるという、「電子工学オンチ」なところを露呈してしまいました(汗)が、これまで、「電源ケーブルやスピーカーケーブル他の各種ケーブルの交換や、電源工事なんてやっている人の気が知れない=笑」と内心「病人」扱いの目で見てきた自分を反省し(汗)、電源関係は立派な<オーディオ機器の一部>であることをようやく理解しました(まあ、大学時代の友人=文系=に同様に勧めたら、やはり「病人扱い」されると思いますので控えたいとは思いますが=爆)。

成果としては:
一つ目の実験のお陰で(汗)、今後、伊豆に来るたびに書斎の蓄電器を車に積まないといけなくなりました(笑)。
二つ目の実験のお陰で(汗)、パワーアンプの置き場をどこにするかを確認の上、改めてXLRケーブルを追加注文しようと思います。さすがに美的な観点から床の上をケーブルが這うのは嫌なので、また電気屋さんを呼ばないと(笑)。
 これについてぺぶるすさんもK&Kさんも、「やってみないとわからない」と言われていたのは、つまり、「スピーカーケーブルは短いほどいい」とか、「XLRケーブルは長くしても音質の劣化がしにくい」という、<一般的にオーディオ雑誌などで言われている定説>は、必ずしもすべての場合に当てはまるとは限らない、ということを示唆しておられるわけです。そのロジックも説明していただいたような気がしますが、あいにく(笑)私が説明できるほどには頭に入っておりません(この点に関しては、お二人からフォローいただければ幸いです=汗)。今回は、その意味ではたまたま、私のシステムと私の駄耳の環境では、XLRケーブルを長くしてスピーカーケーブルを短くした方がいい結果が出ただけであり、これを一般化するには事例が足りないことを強調しておきたいと思います。私の場合は、多くのオーディオファイルがやっておられる方法に軍配が上がったわけですが、ちゃんと、「両方」やって自分の耳で検証してみた方がどれほどいるのでしょうか?(笑)。オーディオ雑誌に「この方が音がいい」と書いてあるから、最初から疑問も持たずに接続している方が多いのではないかと想像しちゃったりします。私は疑り深い「(社会)科学者」の端くれで、「定説」を鵜呑みにはできない性格なので、今回、<自分で体験して納得>できたことで、時間と手間をかけた甲斐があったと思います。

以上、何らかのご参考になれば。

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