ORTOFON SPU-AEの修理

日記・雑記
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数年前に購入したSPU-AE(オーディオニックス世代)が気に入ったので、
今度はハーマン世代のものを購入してみました。

このSPU-AEをTD124+SME3009SⅡにセットして聴き始めたところ、LPの
外周は良い音なのですが中間あたりから内周にかけて歪が酷くて実用に
耐えられないことが分かりました。

針先の状態をルーペで見ても問題はなさそうなので、どうもダンパーの
硬化が原因ではないかと思われます。

そこで、ダンパーのゴム素材を軟化させるものはないかと色々物色して
いたところKUREの「ラバープロテクタント」が使えそうなことが分かり
ました。

早速購入して、SPU-AEの針の付根にあるダストカバーのゴムを切開き、
針に直接溶液が掛からないようセロテープで保護してダンパー部へ塗布
しました。


溶液を塗布してから半日ほど馴染ませ、音出しをしたところ歪感は大きく
改善しました。

しかし、再内周ではまだ歪が少し残っていて、もう少し改善したいと
考えたのが不幸の始まりでした。(過ぎたるは??ですが「分かっちゃ
い~るけど止~められないっ」です。)

ダンパーの裏側に溶液を浸み込ませようとして、ダストカバーの薄い
ゴム膜の断片をピンセットで取除いていたとき、極細のコイルの配線を
引掛けて切ってしまいました。

 「あ゛~やってしまった!!!」

SPU-AEは中古でも5諭吉程度はするので、ショックで暫く何もする気が
しなくなり職場でも鬱々としていたら神が現れました。

なんと職場の同僚が、実態顕微鏡を2台持っているので一台あげるよと
言って持ってきてくれました。

これを使えば両手がフリーになるので、何とか修理できるかもと気を
取り直してやってみました。

実態顕微鏡の威力は絶大で、切断箇所を確認してハンダ付けし直して
修復することができました。

こんなアホなことをする人はいないと思いますが、念のため気付いた
注意点を書いておきます。

 ・MCカートリッジは磁石が強いので、ピンセットやドライバーに
  引付けられないようにしっかり固定する。
 
 ・極細コイルの配線をハンダ付けするには、極細の鏝先は使わず、
  ある程度熱容量のある鏝先で手早くする。
  (コイル線の被覆は、ハンダ鏝の温度350度で溶けるようです。)

この後、SPU-AEのダンパー裏側にもラバープロテクタントをスポイト
で塗布して修理は取り合えず終了しました。

問題のLP内周の歪ですが、LPによっては気になるものもありますが、
手持ちの8割程度は問題なく聴くことが出来るようになりました。

コメント ※編集/削除は管理者のみ

  1.  ED さん、今晩は。ご無沙汰しています。

    日記読ませて頂きました。よくもまあーあんな細いコイルリード線のはんだ付けされましたね。極細線同士のハンダ付け、片側の配線保持も大変でしたでしょう。上手く出来た様で良かったですね。ダンパーの”KUREの「ラバープロテクタント”私も商品は承知していましたが、怖くて手が出せていません。(ダンパーが溶けないかと。・・・・)

     私もSPU-A所持していますが、Aシェルが面倒で一般シェルに取り付けて聴いています。Aシェルと、一般シェルの音の違いは私の耳では、聴き分けることは出来ませんでした。

     つい最近は、”300B P・P”アンプが電源オンと同時に”ボー”という大きなノイズが発生しまして、急遽電源をカットし、3日ほど放置していました。放置後何もせずに兎に角電源を入れて見ましたが、ノイズも無く普通に音は出ました。念のため各所電圧を測りましたが、電圧が大きく変わり、全体的に凡そ12%程度低くなりました。原因が全く分からず、消費電力は110W/hと変化は無いので、このまま使おうと思っています。

     自作品は何かと大変ですね。

     yhh
     

    • yhhさん、こんばんは。
      レスありがとうございます。

      ご想像のとおりで、極細線をハンダ付けするため爪楊枝をつかって何回も形を整える作業を繰り返しました。

      ラバープロテクタントについてですが、SPU-AEのカバーになっている薄膜のゴムに吹きかけたところ軟化してフニャフニャになりましたが解ける様子はなかったです。

      ダンパーの硬化が想定されるときは、責任は取れませんが使ってみればよいと思います。

      このスプレーは優れもので、釣竿の握り部分に使っているゴム被膜が劣化してべた付いていたのも直すことができました。

      300B-PPアンプのボーボー音は、一次的な電流過多でリップルが乗ったのだと思います。

      原因としては、ケミコンの漏洩電流増加、バイアス回路の接触不良が考えられますね。

      バイアス回路のハンダ付け不良が無いか点検するのと、古いケミコンを使っているのでしたら交換しておくのが吉だと思います。

  2.  EDさん、今晩は。

    早速のラバープロテクトの情報有難うございます。私のカートリッジも歪ぽっくなったら試してみます。

     300B P・Pアンプのトラブルに対する御助言も頂き、早速御助言の内容で対策させていただきます。

     アンプはモノラルで、片方のアンプも同時に同じような電圧降下があり、外的要因も疑いました。発症前に消磁用のソフトを再生したのでその辺りも原因があるのかなと疑っていました。

     私の知識では中々原因の特定が難しく大助かりです。

     色々と有難うございます。

     yhh

    • yhhさん、こんばんは。

      家族全員で仲良く新型コロナの相手をしていて、レスが遅くなってしまい申し分けありません。

      モノアンプでしたら、同時に症状がでたのかどうかで絞り込みができそうです。

      左右同時に出たのなら、電源系の波形乱れか、信号系への電磁誘導ノイズが怪しいです。

      片チャンネル毎に別のタイミングなら、内部回路の問題になりますね。

      また原因が分かりましたら教えてください。

  3. EDさん
    おはようございます。

    アナログは全くやっていないのでさら〜っと読んでいたのですが、「顕微鏡でハンダ作業!!」
    びっくりしました。

    細かいところだから細いコテでと思いがちですが、細いコテで上手くはんだ付けが出来た試しがないです。
    おっしゃる通りのやり方が吉かと。

    顕微鏡であればICも楽々なのでしょうか。。。

    • CENYAさん、こんばんは。

      今回のように、細いリード線同士が上手く接触するのを確認しながらハンダ付けをする場合には、実態顕微鏡は威力を発揮すると思います。

      実際には倍率を10倍×0.8倍=8倍に設定して、何とか極細線のハンダ付けをすることができました。

      ICのハンダ付は、ES9038デュアル基板を2回やったことがありますが、64本×2個の足を一本づつ顕微鏡を見ながらやるのは流石に気力が持たないでしょう。

      こういうICは、百均で+4の眼鏡を買ってきて、0.3mm極細鉛入ハンダ、温調鏝70W以上で350℃設定、丸先細平鏝先(ハッコーT18D24等)で一気に付けてしまうのが手っ取り早いと思います。

      実態顕微鏡は、その後でハンダブリッジやハンダの周り具合を確認するのに威力を発揮します。

      中古だと3諭吉程度なので、頻繁にICのハンダ付けをするのでしたらお一ついかがでしょうか。

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