平行法でカルダスセッティングを試す

日記・雑記
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以前コメント欄よりスピーカーの置き方について ‟平行法” と ‟もっと前に出す” という2つの宿題をいただいていたので遅くなりましたが試してみました。

1.狙い
  好みの状態(前後方向の距離感が大きく、かつボーカルのサイズ感が小さい)を平行法+手前に出す で作り出せるか試す。

2.前提
  8畳の正方形で3/4が勾配天井の専用部屋。ダイケンスタンダード相当の簡易防音室。低予算DIY多数。

  一部勾配天井のため、定在波シミュレーターの結果は参考値。どなたか勾配天井を精度よく換算する方法があれば教えてください。石井式の本では平均値を用いる方法が紹介されていましたがいまいちピンときませんでした。なお勾配は6.0寸(横10に対し縦6.0、角度にして約31°)勾配の始まりは高さ約2.6mです。
[:image2:]

3.変更前
  正方形バージョンのカルダスセッティングを横55cmで使っていました。リスニングポイントは正三角形よりもやや前。スピーカーから鉛直方向に飛んだ音が4、5回反射してセンターにあたるくらいのわずかな内振りを付与していました。

今月、野蛮にも横の壁にすのこを張り付けてしまったので若干寸法が変わりセッティングを見直すことに。

  変更前のメリット:
  間隔が広いためスピーカーがあまり視界に入らず没入感良好。
  目標とする前後方向の距離感とボーカルのサイズ感はOK。

  変更前のデメリット:
  F特が残念。80Hzより上のどこかピンポイントでエレキベースの音が消える帯域あり。
[:image3:]

4.スピーカー間隔の変更
  今回は平行法。内振りをやめるということで直観的にスピーカー間隔は狭くする方向で考えます。

オーディオに正解はないのですが、なんとなく根拠は欲しいもの。

11/16の日記の7番で紹介したサイトによると、「壁面から1/4W~(1/4+1/8)W の白いエリア(ホワイトゾーン)は定在波1次と2次の節ではなく腹でもない」。これは参考になります。

  拙宅に置き換えると横から86cm~129cmの間がホワイトゾーン。

  ここで改めてカルダスセッティングを覗き、長方形の推奨値を無理矢理当てはめると95cmになります。上記のホワイトゾーンに入っているのでこれを使ってみることに。スピーカー間隔に換算すると変更前が237cmで変更後が153cmになります。

  くどいようですがオーディオに正解はなく、本当は数字などいくつでも良いのです。

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5.前後方向の検討
  (初日)

  最初は変更前の壁から86cmを引き継ぎ音出し。ボーカルサイズの肥大化を懸念していましたが、スピーカーの向きと位置をレーザー距離計や水準器を駆使して念入りに合わせ込むと思ったほど気にならず深刻な問題にはなりませんでした。

  しかしフォーカスは前よりだいぶ甘いです。

  どのみち前に出すつもりだったので初日はとりあえず横と同じ95cmまで出します。「機器を動かした後はしばらく落ち着かせないと真価を発揮しない」という諸先輩方から教わった教訓を念頭に一晩だけ寝かせる。(人によっては数週間、数か月を要求する。が、それでは前の音が思い出せないかもしれない)
[:image6:]

  (二日目)

  奥から95cmの位置で聞き込み。
  - 正三角形の頂点では位相系音源はピタリとはいかない。やや後ろ。
  - オケは良好。奥に広がる感じ。低音物足りない。
  - フォーカスは前ほどではない。

  という感じなので翌日には再度動かすことに。さてどのくらい前に出したものか。正解などないのだから好きなように試したら良いというのが模範解答。なんとなく再び黄金比教の門をたたきます。

  横を95cmと固定すると、推奨距離はスピーカー間隔と同じ153cm。
[:image4:]

  これはかなり苦しい。スピーカーが前に出すぎて圧迫感がある。奥の推奨距離=横からスピーカーまでの距離x1.618だから横を広く(間隔を狭く)するとどんどん前に出てきます。

  割る方も計算。長方形の長辺使いの場合では 奥の推奨距離=横からスピーカーまでの距離÷1.618で59cmとなった。不思議なことに波形は153cmと似ている。しかしこのリスニングポイントでは落ち着かないだろう。
[:image8:]

  妥協点を探る。といってもシミュレーター上でガシガシスピーカーやリスニングポイントを動かすだけなのですが。適当に動かしていたら348cmを黄金比で分割した133cmのポイントで 聞いてみたい と思える波形が得られました。リスニングポイントの高さを15cm下げてウーファー軸と同じにするとシミュレーション上のF特は改善するが実際にやってみるとどうでしょうか。
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  (三日目)

  スピーカーを動かす。

動かす前(95cm)
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動かした後(133cm)
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  聞く。
  - 位相系音源
  正三角形の頂点では位相系音源はピタリとはいかない。やや後ろで濃厚な定位が得られた。(フォーカスがピタリとあった)回転音源の明瞭さはもしかしていままでで一番かもしれない。ただし、変更前と比べると回転半径がずいぶん小さくなってしまったが。
  - オケ
  良好。やはり奥に広がる感じ。頭の高さを下げるかBASS EQをいじりたくなる。(頭の高さを下げれば低音は増える)
  - ボーカル
  拙宅の壁際中央にはボーカルをキャッチするトラップのようなもの(正確には空っぽの木製CDラック)がある。変更前はボーカルがそこから聞こえた。スピーカーを前に出して距離が離れてしまったにも関わらずちゃんとボーカルがトラップから出ているかのように聞こえる。まあ成功かな。
  - エレキベース
  もう少し量感やキレが欲しいが消失点は解消された。
  - 低音音源
  いいね。破たん鳴くなっている。

  しばらくこれで行こうと思います。

6.シミュレーターメモと謝辞
  今回はこういうパラメーターでした。開発された神野久司さん、Windows版に移植されたminnさん、及び両氏の無償公開に関する同意に感謝します。
[:image1:]

自分用メモ
96.3+96.3+155.8=348.4
133.15

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