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ベルイマン邸初訪問

日記・雑記
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コミュで活発に情報や意見を集めて作り上げたAVルームのベルイマン邸に行ってきました。まだ完成してから2か月ほどの新居です。とりあえずの部屋見気分で向かったのですが、すでに本格的なオーディオルームにセットアップされており、アクセサリーも豊富に活用されて、流れるサウンドも想像以上のものでした。

最寄り駅に到着するとベルイマンさんが改札の出口で待ってくれていました。久しぶりの再会でしたので、軽く会釈して新居に向かいします。歩いて数分で到着しました。木目の黒い色合いの家だったので、「外観も黒くしたのですね」と問うと、「いや、これは嫁の趣味なのです」とのことでした。こだわりを沢山お持ちのご家庭なのだろうと想像しながら玄関を上がります。

新しいAVルームは一階の玄関を上がったすぐ先に扉があり、床が土間のところまで下げられているので、一度上がった後、また下がっての入室です。シアターとしてしつらえられた部屋には窓はありません。天井が高く、部屋全体が黒をベースとしたモノトーンのこだわりの環境で、残響時間が1秒以上はありそうな極めてライブな空間でした。

(写真は中が見えるように露出を上げています)
詳細はベルイマンさんのマイルームに詳しい記述がありますので参照下さい。

11畳の床面積と3.4mの天井高の部屋には、足の踏み場がないほどに床いっぱいにAV機器が設置されていて、部屋中に這い回る太いケーブルは浮かし配策がされています。そして何と、ソファーの前後に貫通する形でサラウンド用のケーブルが通っていて、ソファーの足元にはケーブルを保護するための足置台が設置されていました。

各種の検討をした結果の配置とのことです。ソファー前方にシアター用のスクリーンと2chオーディオ用のスピーカーと機器類を配置し、ソファー後方にサラウンド用のパワーアンプとスピーカーや電源トランスを床置きです。シアター/オーディオ兼用の4chマルチシステムとされていますので、足の踏み場はなくなります。黒いモノトーンの室内ですから映画館のように暗いですし、所狭しと機器が置かれ、ケーブルが這い回っています。そんな中を、トンネル工事師のようなヘッドライトを頭にかぶり慎重に道案内をしてもらっての試聴タイムのスタートとなりました。

スタートは2chオーディオからでした。怪しいDiscがBDプレーヤーに入れられスイッチオンです。愛機のSopra no.2からは防音室の遮音性能を誇示するかのような大きな音が鳴ったので、「ワァ」と声をもらし思わず耳を押さえてしまいました。「ちょっと音量を間違えました」と言われていましたが、次の音が出るまでドキドキします。ボリュームダウンしてかけられたソフトは、冒頭が効果音のようなものでした。なかなかいい音です。続く低音がスピーカーから大砲の玉のように飛んできて腹に響きます。そしてボーカルが続きました。

「どうですか?」と感想を求められたので、率直に話しました。「いい低音ですね」「SNも悪くない」「でも、ボーカルが粗いです」少しだけ沈黙の間があってから、先に進みましょうと言うことになります。

次の曲はAmazon HDからの現代曲の6重奏でした。こちらも悪くはないのですが、弦楽器の音が粗かったです。続いて鳴ったクラリネットが気になったので話し合いになりました。
ヒジ:「どうも音が粗いです。クラリネットがクラリネットに聞えません」
ベル:「私も粗さは感じていたんです」「どうしたらいいですか?」
そこで、リクエストを受けて持参していたタワシの仮想アースをAVアンプに付けてみることに。

ここで笑顔になりました。クラリネットに聞こえます。しかもかなり良かったです。タワシ恐るべし、と二人で顔を見合わせてしまいました。
「ボーカルを聞き直してみませんか?」「そうしましょう」と言うことで、先ほどの怪しいボーカルを聴き直します。
「歌声の粗さが取れましたね」ベルイマンさんもよくなったと感心されています。BDプレーヤーにも付けましょうと言うことになり、二つ持ってきた仮想アースは早々に常設することになりました。

その後に様々な音源を聴かせてもらい、迫真のサウンドを堪能しました。シュトラウスのツァラツストラやホルストの惑星は、仰け反るほどの大迫力です。サラウンド再生では、オーケストラの中に入ったような感覚で迫力の宇宙空間を楽しみました。

午前中の早い時間に到着したのですが、夢中になって聴き進みましたので時間が過ぎるのが早いです。すぐにお昼過ぎになりましたので昼食に向かいました。二人で自転車に乗って郊外に出たところの洒落たイタリアンのお店です。比較的遠方まで来ていますので、お昼の時間も楽しみのひとつです。

さて食事を堪能した後に、持ち込みDiscを聴かせて貰いました。スピーカーセッティングを手伝って欲しいと言われていたので、どれもチェック用の音源です。
[:image5:]自分が左右のスピーカーの焦点合わせに使っているギターの曲から聴きました。確認すると、音の焦点が少しだけずれていましたので補正します。3mmほどスピーカーを動かしたでしょうか。簡単な焦点合わせですので、これはやらない手はありません。音の芯が明瞭となり、リスニングエリアが広がります。

音の焦点が合ったら音質や定位などの総合確認です。
[:image6:]いつも確認に使っている幸田浩子/カリヨンを聴きます。特に1曲目のアヴェマリアは音がぶれやすい音源ですが、定位はピタリと合っていました。素晴らしいです。音質的には弦楽器の質感がもうひとつでしたが、幸田さんの歌声が素敵で聴き惚れました。この音源は各所で聴かせてもらっていますが、この歌声の魅力はピカイチです。響きがたっぷりな部屋はマイナス面も多々ありますが、魅力も多々ありますね。あまりに魅力的な歌声だったので、帰宅後に自宅の音響も再調整をしてしまいました。

次はSACDサラウンドの音質確認です。

ヤンセンの四季から「冬」を聴かせてもらいました。定位は安定し、音が滑らかだったのが印象的です。願わくば、もう少し演奏のパッションを感じられるといいなと思いました。

続いて交響曲をマルチサラウンドで聴きます。

フィッシャーのブラ1です。ここでマルチサラウンドが引っ掛かりました。音はいいのですが、どうもオーケストラの中に入って聴くようなステージ感なのです。念のために、2chステレオも聴かせてもらったのですが、2chステレオの方がよかったです。リスナー前方にサウンドステージが出来て、コンサートホールで聴くような感覚です。追い込まれたマルチサラウンドで聴くと、ステレオに対して音場は1.5倍くらいに広がり、その分ステージも遠めに位置しますが、音像はよりクリアになるものです。サラウンドの追い込みは今後の課題かなと思いました。

そんな話をしていると、これを聴いてみてください!と出てきたのが、マーラー交響曲第5番でした。

拙宅で第1から第5楽章まで、1時間を越える演奏を聴いてもらった想い出のDiscです。第1楽章がかかりましたが、スケール感あふれ、音の流れも見事に再現した素晴らしい再生でした。

気をよくされたのか、続いてヴェルディのレクイエムがかかりました。「怒りの日」を聴いたのですが、これは本当に難曲です。「どうも合唱が団子ですね」と感想を述べると、次に出てきたのがカンターテドミノでした。

この音源はよかったです。これくらいの編成の合唱でしたら、一人一人の顔が見えます。加えて、前後・左右・上下の立体感も秀逸でした。

ここまでで、オーディオタイムは終了です。かなり好き勝手に言わせてもらった試聴タイムでしたが、ここまで追い込まれているとは想定外です。新築から約2ヶ月でこんなサウンドが出ているとは思いもよりませんでした。熱心に情報を集め、構想を練り、実際に試して追い込んだ結果が出ているのだろうと思います。この先も皆に揉まれながら成長を続けることと思います。

最後にシアタータイムの実施でしたが、時間がなくなって来ていたので音楽ソフトを少しだけ見せてもらいました。印象に残ったのは、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ《月光》です。
ベル:「音楽ものは映像があっても1回しか見ないのです」
ヒジ:「こんなに手ばかり映していて何が面白いんでしょうね」
ベル;「お年寄りのおじさんですしね。若い女性ならいざしらず・・・」
ヒジ:「そう言えば、音大生はコンサートで左手が見える位置に座りたいようですね」
ベル:「それならこの映像はピッタリです」
ヒジ:「自分なら音のよい場所に座りたくなりますが、弦楽器の良い場所とピアノの良い場所が違うんですよね」
ベル:「このソフトは音がもうひとつですよね」
ヒジ:「経験的にピアノは響きの多い部屋での再生は難しいと思います」
なんて会話をしながら見ていたのですが、この映像を見た後に《月光》はいい曲だなぁと耳から離れなくなってしまい、帰宅後に2枚もCDを注文してしまいました。これが映像の力でしょうか?よくわかりません。午前中から日が沈むまで、長時間に渡ってのAVオフ会でした。

以上、ベルイマン邸新居のAVルーム初訪問でしたが、印象に残ったことを整理すると以下となります。
・音が大きいこと
・残響が極めて多いライブな部屋だったこと
・残響は低域が特に多く、中域は気持ちよいが、高域がバランス的に少なめと感じたこと
・低音の質感がよく、定位も安定しているが、音が粗いと感じたこと
・機器が冷えると定位がバラバラになるが、少し暖まるとピタリと安定すること
・幸田浩子/アヴェマリアの歌声が魅力的だったこと
・2chステレオと比較して、マルチサラウンドの追い込みがまだまだなこと
・ですが、MTTのマーラー交響曲第5番のサラウンドは素晴らしかったこと
・バズケロさんやhigh speedさん張りに追い込み型のオーディオマニアなこと
・いつもトンネル工事をしているようなヘッドライトを被っていること

いい事も、もうひとつなことも、普通なことも言いたい放題のオフ会でしたが、新居完成から2ヶ月あまりでここまで追い込まれているとは思いもよりませんでした。負のコメントをしても、それを活かそうとする姿勢が素晴らしいと思います。多くの方とオフ会をこなして行く中で、音がどんどん磨き上げられていくことでしょう。この先が楽しみなベルイマン邸初訪問でした。

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