もしかすると低音再生を頭打ちにしているのではないか?と感じたウェルフロートです。10年前に採用した時からずっと使い続けていて、一度も外したことはなかったので先ずは確かめてみようと思ってのことでした。採用した時の理由は、下記の利点を感じたことです。
「伸びがよく、細かい音が再現でき、音色が透明になり、ストレスフリーな音」
この変化は主に高域に効果があると言えそうです。
反面に採用した時の印象には、「低域の量感と響き感の減退がなければ即採用としたい」とありました。
10年前のシステムと追い込みレベルでは、間違いなくウェルフロートのプラス効果が勝っていたのですが、現状での効果がどうであるかは外してみないとわかりません。
だからやってみました。
【ウェルフロートから垂直に降ろした位置にスピーカーを設置した場合】
ウェルフロートに載せた状態で壁からの前後左右位置と内ぶり角度を測定し、同じ条件としたうえでいつものギターの多重録音のCDで左右のスピーカーのピント合わせを実施した。
・音出しした瞬間に、「やはり・・・」と思った。低域の骨格がしっかりしたと思った。
これはいける!と思い、いつもセッティングに使っているCDで確認を進めた。
・ダメだった。第1ヴァイオリン~第3ヴァイオリンまでのカノンが左⇒左&センター⇒左となってしまう。
おかしい、そんなはずはない・・・と思い、左右のスピーカー位置の微調整を実施したが、どうやっても左⇒センター⇒右と流れるようなカノンにならない。やはりウェルフロートは必要なのか?と考え込んでしまったのだが、ふとスピーカーの足元を見ると10年前にウェルフロートを設置した時に残した従前のマーキングが残っていた。
【ウェルフロート設置前の位置にスピーカーを設置した場合】
マーキングは、ウェルフロート設置時に対して30㎜くらい後ろの壁寄りで、内ぶりが少し開いた状態の位置にあった。試しにこの位置にスピーカーを設置し、再度ピント合わせを実施して、先ほどダメだったカノンを聴き直してみた。
・なんと、左⇒センター⇒右と流れるようなカノンが流れる。
ウェルフロートがある状態とない状態では、部屋の中での適した位置は変わるのだと思った。これがウェルフロートの効果のためか、スピーカー高さが変わるためかはわからないが確認を進めた。
やはり狙いの低音を確認しなければと思い、いつもの幸田浩子のカリオンを聴いた。
・笑みが浮かんだ。コントラバスのピッツィカートが右奥で微動だにしないで聴こえてくる。これまでは、セッティングが甘いとセンターから聴こえて来たり、弦をつま弾く位置が揺れたりしていた。4打目の開放弦も全く違和感なく聴こえてきた。
気持ちの高揚を押さえつつ、聴込みを続けた。
私をオーディオの沼に追い込んだ、マーラー交響曲第5番だ。
・トゥッティの押し出しは十分で、今まで意識できなかったステージ後方でつま弾くコントラバスがよくわかる。
ここまでの確認で、ウェルフロートを外すことは決めた。
だが、マイナス面はないのか?と言うことが気になりだした。少なくとも10年前は、「伸びがよく、細かい音が再現でき、音色が透明になり、ストレスフリーな音」と感じたのだ。
そこで、手当たり次第に手持ちの音源を聴いてみたところマイナス面を感じた。
主に透明な高音の女性ボーカルが気になる。
・歌声の伸びと透明感が落ちている。何回聴き直しても同様に感じた。
そこで、クラシックのソプラノはどうかと思い、以前に課題として残してきた「カンターテドミノ」で確認した。
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・やはり歌声の伸びは落ちている。しかし以前は、教会に響く歌声がどうやっても右寄りに聞こえたのだがセンターに位置している。なぜそうなったのか理解できなかったが拾い物をしたと思った。
その後も試聴を続けていったが、どうしても気になる部分が出てきた。やはり期待して何かをやると、先ずはいい部分のみを認識するようだ。期待感とはそんなもので、反面のマイナスを感じとるには時間がかかるのだろう。
気になると感じたのは、
・高域の音色のかたさだった。
ウェルフロートを外すことで、骨格がしっかりし、低域の解像度が上がり、定位も安定する。しかし、高域がかたい音は、長時間聴いていると疲れてしまう。
この課題を残して次のステップに進むことにした。
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私もB&W 705S2の下にウェルフロートボードを使ったことがあります。ある方にお借りしました。結果は聞き疲れのしない音にはなるのですが低音の瞬発力が落ち量感も減る傾向になりました。当時は高音のきつさに悩まされていて低音が減るため採用しませんでした。小型スピーカーでは相性が悪く出る場合があるようで特に低音が瞬発力が減るのは問題でした。
ウェルフロートボードは現在ノイズカットトランスに使っています。トランス機器の場合振動の影響はかなり受けるため効果は大きかったです。
ぜひ使わなくなったウェルフロートボードはノイズカットトランスの下に使うなど活用の道を探って欲しいですね。どこかに活用できるところがあると思っています。
うつみくん、コメントありがとうございます。
スピーカーにウェルフロートを試したが、もう一つだったんですね。
自分は10年前にモニターをして「気に入ったので採用した」のですが、追い込みレベルが上がるに連れて気になるようになりました。
その都度に対策は打ってきたのですが、限界が来てしまったようです。初期型のウェルフロートですからね。
<>には専用の足元をあてがっていますので使わないです。
またいつの日か別の用途で使いたくなるかもしれないので、物置にしまっておこうと思っています。