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明日のためのその1 – Lotus String Quartet

日記・雑記
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あしたのジョーに感動した世代です。丹下段平がジョーに宛てた手紙「あしたのためにその1:ジャブ」

<<攻撃の突破口をひらくため、あるいは敵の出足をとめるため、左パンチをこきざみに打つこと。このさい、ひじを左わきの下からはなさぬ心がまえで やや内角をねらい、えぐりこむように打つべし。せいかくなジャブ三発に続く右パンチは、その威力を三倍に増すものなり。>>

オーディオもそんなトレーナーがいるとよいのですが、自身がトレーナーとなりムチ打っていかなければなりません。ちょっと大袈裟ですが、自己のテンションを上げるための譬えです。

本題は「感動再生」に向けた、明日のためのその1です。(その1は聴き込みから学ぶ編)

『生演奏で感動する要因は何なのか?感動体験がキーとなるのか?オーディオ再生に応用は可能なのか?』などを見極めたくて、生演奏を聴きに来ました。

会場は、自身のコンサートでも活用しているサルビア音楽ホールです。このホールは、「音響がいいこと」「容積が小さくて濃密な音が聴けること」が特徴となります。オーディオ課題のために急遽チケットを譲ってもらったので、演奏者や演奏曲で選んだコンサートではありません。そんな邪心から聴きに来たのですが、思いのほかよかったです。

「ロータスカルテット メンデルスゾーンSQ全曲演奏第2夜」

ロータスカルテットは、日本発祥の弦楽四重奏団ではあるがドイツに拠点を置き、30年にわたる国際的な活動をしている弦楽四重奏団とのことです。メンデルスゾーンを得意としたメロスカルテットに師事していたとのことでした。

演奏曲はメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲から、下記の3曲です。

・弦楽四重奏曲 第4番 Op.44-2

・弦楽四重奏曲 第5番 Op.44-3

・弦楽四重奏曲 第3番 Op.44-1

演奏配置と聴いた位置関係は下記となります。カルテットの配置はステージの奥側に寄せられ、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ビオラ、チェロの配置。同心円状の配置でしたが、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが近めで、ビオラが一番壁側に寄った配置となっていました。

簡単な感想は、前半の第4番と第5番は音の良さに聴き惚れながら、聞え方を確認しながら聴いていました。感動がやって来たのは後半の第3番です。殆ど聴いたことのない曲でしたが、明るくリズミカルに始まった演奏に引き込まれました。4つの楽器が歌うように鳴り、掛けあうように響き合う様子に引き込まれ、あっという間の第3楽章でした。目的に合った聴き方をしなければ・・・と思うのもつかの間で第4楽章まで終わってしまいました。音楽に感動する時ってこんなものです。何か考える間もなく、あっという間に終わってしまい、もっと聴いていたかったとなるんですね。この曲は自宅のオーディオでも聴いてみたくなりました。

それにしてもこのホールは、本当に弦楽四重奏向きですね。今回はホールの真ん中あたりに座りましたが音量は充分でした。ホール中の響きを感じながら、各楽器が奏でる音もよくわかり心地よかったです。

感動度

第4番、第5番:★☆☆☆☆

第3番 :★★☆☆☆

今回感じた点をピックアップをしておきます。

・サルビア音楽ホールは、「響き」「容積」共に弦楽四重奏にピッタリである

・ホールの真ん中あたりでも音量は充分大きく、ホール中の響きを感じることが出来る

・響きが強いのだが、実音との混濁感は少ない

・クラシック音楽通らしき老紳士が、「このホールは音響が素晴らしい」と幾度となく語られていた

・音楽に感動すると、細かな思考はなくなりあっという間に時が過ぎ去る

・今回感動に至った要因の推定・・・「音の良さ」「自分好みの曲」「演奏の良さ」

今後も聴き込みを続けてゆきます。

コメント ※編集/削除は管理者のみ

  1. ヒジヤンさん、こんにちは。

    :「容積が小さくて濃密な音が聴けること」

    楽曲はもちろんですが、私はこれを最大重視します。

    それ故、今までで一番感動したのが、大学生の時、音響特性は穴開きボード程度のさほどでもない音楽室でブラスバンドの演奏を聞いたことです。

    距離が近かった故に、音響特性は関係ありませんでした。

    クラシックも好きですが、私はかなり好みが偏重しているので、それから外れると食指が動きません。

    クラシックは特に、指揮者や楽団で演奏解釈が大きく違う事もあるので、楽曲に対する解釈が自分のイメージと掛け離れると、ちょっと楽しめない厄介者でもあります(汗)

  2. へっぽこハム太郎さん、コメントありがとうございます。

    「容積が小さくて濃密な音が聴けること」はいいですね。自分も感動するのは、大抵の場合は演奏に対して小さ目な空間で聴くときです。ハム太郎さんも(私も)多分激しい性格でしょうから、音楽も激しいものでないと満足できませんよね。

    ハムさんもクラシック向きです。クラシック音楽は激しいです。日本では、お上品で柔な印象がありますが、そのダイナミックレンジ(小さい音から大きな音げの変化)と音のキレから来る激しさは、ロックの激しさを遥かにしのぎます。(・・・と私は感じます)

    このコンサートは、ロマン派のメンデルスゾーンでしたので、激しいというよりは情緒豊かな音楽ですが、それでも激しさも備えています。当時は娯楽が少なかったために、作曲家も聴く人をどのように感動させようかと必死だったことが伺えます。

    自分の中での最大感動体験は、ウィーンの楽友協会ホールでのマラ5です。ニューヨークフィル+アランギルバートの演奏でしたが、終演時は老若男女が総立ちの大歓声でした。少女からおばあさんまでもが立ち上がり、手を振りながら歓声を送っているのです。静かな第4楽章が終わり、徐々に盛り上がる第5楽章。そして最後の大爆発です。それまでじっと静かに聴いていた客席が、終演と共に大歓声と共に立ち上がります。まるでサッカーで贔屓のチームがゴールを入れたかの如くでした。

    音楽の都では、もちろん静かに聴く音楽もありますが、興奮のるつぼと化す音楽もあるんですね。ハム太郎さんはきっとクラシック向きだと思います。でもその再生が難しいんですよ。オーディオ演奏家冥利に尽きる音楽かと思います。

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