前日は自宅でのオフ会とライブ鑑賞、そして深い深い話と盛り沢山でしたので、夜は中々寝付けませんでした。「核心に迫る話」が頭の中を駆け巡っていたからです。今日は、昨年末に訪問したY氏邸への再訪です。午前中からの訪問予定でしたので、眠い目をこすりながらバズケロさんが泊っているホテルに向かいました。
昨日の対話で自分のモヤモヤはかなりほぐれていたのですが、バズケロさんはJBL部屋のサウンドが気になっていた様子でした。
バズ:カノンは調整用の音源として使えますね。
ヒジ:あの音源はいいでしょ。
バズ:カノンのヴァイオリン治りましたよ。
ヒジ:本当ですか?
バズ:スピーカーの配置はそのままで、アッテネータをすべて標準位置に戻したら左→中央→右になりました。
ヒジ:おめでとうございます。
バズ:アッテネータでの音の調整は、ここ半年間やっているのですが、調整不足でした。
ヒジ:アッテネータの調整だけで音の流れの調整も出来るんですか?
バズ:スタジオでは、いちいちスピーカーの位置は動かせないので、アッテネータで調整するんですよ。
ヒジ:そうなんですか。
◇なるほどバズケロさんの音の調整方法は、スピーカー配置は正三角形の60°モニター配置、ツイーターは耳の高さで固定して、アッテネータ調整で音を作っているのだと理解しました。
ヒジ:カノンはちょっとしたことでもすぐ変わるのでわかり易いでしょ?
バズ:確かにわかり易いですね。
ヒジ:自分は何かを変更した時には、いつもカノンでチェックして確認しているんですよ。
バズ:私は一つの音源で決めつけたりはしません!
ヒジ:決めつけているわけではないのです、まずは最初の確認をしているだけです!!
◇話が徐々にエスカレートしてきたので、自然とこの話題はしなくなりました。
バズ:でも、チェロの方はまだです。
ヒジ:JBL部屋は左右対称ですし、デッドな部屋なので、響きがアンバランスになる理由が思い浮かびません。
バズ:他の音源でも気になる時はあるんですよね。
ヒジ:響きを引っ張っているのは、右に置いてある和心ではないですか?
バズ:部屋に問題がある気がするのですが・・・
ヒジ:それだと大事になりますね。
バズ:スピーカー位置を弄らないとだめかもしれないです。
◇自分では、少しだけ気になったチェロの響きの流れなのですが、バズケロさんには大事になる予感みたいなものがあったのでしょうか?だから、あれほどムキになって反論したのかな?なんて空想が浮かびました。ですが、このような違和感をつぶしていくことがサウンドアップにつながるものです。このあたりはバズケロさんに真相をお聞きしたいです。
ヒジ:和心が原因ですよ。
バズ:それだと楽なんですが・・・
ヒジ:きっと和心ですよ。
バズ:戻ってから試してみます。
そんな会話をしていたので、Y氏邸の最寄り駅まではすぐに到着しました。
駅の改札でtonkatsuさんと合流してY氏邸に向かいました。(写真は昨年末のものです)
今回はバズケロさんとtonkatsuさんのアテンドの位置づけでしたので、主にお二人にセンターに座っていただき、自分はサイドから聴く感覚です。耳が惹かれると、ソファーの後ろから聴かせてもらっていました。
それでも、昨年末とはずいぶんと音が変わっているのが手に取るようにわかります。
「音が変わりましたね。角が取れたように感じます」
「 昨年の12月はキレキレの音像型なサウンドと感じましたが、今回は程よく響きが感じられて心地よさ度50%増しです」
「空間を切り裂くようなアナログ再生もキレの中に柔らかさも感じて気持ちよかったです」
Y氏いわく、
・O氏邸のサウンドの影響から見直しをした
・今日はリスナーが4人になるので、低音を少し膨らませた
・さらにゲストの好みに合わせて音の調整をされたとのことでした
・・・さすが、オフ会歴40年の超ベテランですね。
Y氏:「でも、以前のサウンドもいいよ」
ヒジの内心:「うふふ、本音は以前の音の方が好きなんだな~」と・・・
それでも今回の課題:現代音楽の”Credo”はしっかりセンターで聴かせてもらいました。
Y氏:「え~Credoをかけるの・・・」
ヒジ:「O氏のところで、Credoを鳴らそうと話しましたね」
Y氏:「この音源は厳しいからなあ(笑)」
バス:「そうなんですよ、ヒジはオフ会荒らしですから」「先日もウチで・・・」
やばい、Y氏と組んでバズにイジメられると思い話を切り上げて試聴のスタートです。
感想は下記でした。
「圧倒的なスケール」「ピアノ、オーケストラ、コーラスの順番で配置され、大きく広がるサウンドステージ」
「音量が大きすぎなため、やや大味となっていた」
「難を言えば、左の女声コーラスの音が粗く、ざらついた感じだったこと」
◇これまでの多宅での試聴結果から、”Credo”のチェックポイントは左右に大きく広がる女声と男声の合唱かなと思いました。
バズケロさんは”Credo”が終わり、ジャズやポップスがかかると大喜びでした。「あ~ホッとする」と漏らしています。同じJBL使いのジャズ党ですし、「キレがあって濃い音」そして「圧倒的なスケール」です。気に入らないはずはないですよね。生涯の課題曲である「マラ8」もリクエストされていました。
すると、すかさずY氏が同じティルソン・トーマスのマラ2をかけて応酬します。華麗なるバトルの様相でした。ゴリゴリとした低音が得意なY氏邸にはマラ2が合いますね。
昼過ぎまでの予定が大幅に伸びて、おやつの時間までの訪問となりました。
バズケロさんとはここでお別れです。長いようで短かった3日間。これほど濃い相互交流は初めての経験でした。これまでのオーディオ・オフ会歴の中で、「釈然とせずに絡み合っていた糸が解れて1本の糸に繋がった」思いです。重い空気が流れた場面もありましたが、最後は感謝に至ったオフ会でした。
コメント ※編集/削除は管理者のみ
ヒジヤンさん、こんにちは。
日記連載を時には楽しく、時には興味深く、時にはハラハラドキドキしながら読ませて頂きました!
とは言え、お二人をよく知る(知ったつもりでいる)genmiは、最終的にはハッピーエンドで終わるだろうと安心?してノンフィクションドラマを観る感覚でした(笑)
それにしても寝付きが悪いほど今回のオフ会ツアーでヒジヤンさんが得たモノは大きかったのですね。単に趣味の「オーディオ」でそこまで考えるってすごいことです (^^;)
一連の出来事は、オーディオと真剣に向き合い、お互いをリスペクトし合っているヒジヤンさんとバズケロさんのオヤジ職人の間柄だから起こったことであって、このお二人だからこそ建設的な解決が図れたのではないかと思いました。
genmiも良い勉強をさせて頂きました m(__)m
Y氏邸はメチャクチャ凄そうですが、こっちのインパクトが強すぎてスミマセン (^^;;
genmiさん、コメントありがとうございます。
>Y氏邸はメチャクチャ凄そうですが、こっちのインパクトが強すぎてスミマセン (^^;;
いえいえ、それが正解です。今回のオフ会記は、ハーベス部屋もJBL部屋も自宅もライブもY氏邸もすべてつまです。
テーマは、相互交流でのやり取りとそこで感じたことです。
いつになく、深く感じ入ることが出来たので得たものも大きかったです。それを伝えたいと思って書いている日記です。
出来るだけ事実を正確に、無用な脚色は排除して書いているので、見る人によって思うことは様々かと思いますが、何か感じることがあったら幸いと思っています。
こちらの日記でもこんばんは!
Y氏邸のサウンドは絶品で楽しかったですね。
聴けば音像型のオーディオ愛好家であるのはすぐにわかりました。
何故かY氏の性格相性もかなり良かった気がしますし、バズケロ好みのオーディオでした!
そして圧倒的な経験値もあって、大人の余裕が滲み出た懐の深い人間味のある音で良い体験になりました!
>ヒジ:和心が原因ですよ。
和心ではなかったです。
もっと別の課題です。
収録で左チャンネルの響きは少なく、右チャンネルの響きが顕著に豊富なパートでそれは起こります。
左チャンネルでは影響がなく右チャンネルだけで右流れが起こる。
今は部屋とSPの減衰に関わる位相の乱れを疑って実験していますが、出音での正相逆相での差はありませんでしたし、少々SPを動かしても現象は解消されていません。
今の所右流れが起きる他の音源は見つかっていません。
必ずバズケロにとっての盲点があるはずで、じっくり、じっくり、考えています。
>やばい、Y氏と組んでバズにイジメられると思い話を切り上げて試聴のスタートです。
いつも大人しいバズケロにとっては絶好のチャンスだったので惜しかったなあ(笑)
今回は見事に躱されましたね。
Y氏の出される好みのところはバズケロの好みに相通づるところがあるのでタッグが組めるなと思っていた矢先でしたからねえ…残念です(笑)
ヒジをチラ見しながらY氏にアイコンタクトを取った表情を読まれました!
Y氏の仕上げで聴くマラ2はピッタシでしたね。
持ち込み音源から受けて立つオフ会ならではのライブ感あふれるやりとりが楽しかった!
あのマジコは凄くバズケロ好みな音でしたね。
音場はヒジヤンさん目線ではちょっと好みから外れていたかもしれませんが…部屋も含めて懐が深い余裕のサウンドは勉強になります。
また機会があれば聴きに行きたい素敵なサウンドです。
音は人なり。
バズケロはY氏の人柄に惚れました!
では、では
レスする場所を間違えていました。
>>ヒジ:和心が原因ですよ。和心ではなかったです。もっと別の課題です。
メールで、「和心が原因ではなかった」と連絡をいただきましたので、自分も考えていました。
もしかしると、下記ではないでしょうか?
<<スピーカーからリスナーげの1次反射音で、位相が反転し大きく広がって聞える>>
・・・そう言えば、旧CENYA邸でも幸田浩子のチェロが右の壁面辺りから聴こえました。(オフ会の時にお話しした内容です)
・・・両宅共に、スピーカーから壁面まで1.5mあるので、低音の1次反射と位相反転に注意が必要(1波長の音が壁面で位相反転する反射を起こしていると仮定すると)
340÷1.5=227 Hz となるので、チェロの音域とピッタリです。
これを回避するためには、1次反射音を「吸収」又は「分散」すればよいはずですが、低域なので「吸収」は難しいので、「分散」するのがよさそうだと思いました。
Y氏邸に設置されていた分散魁?が効きそうだと思いましたがどうでしょうか?
バズケロさん、Y氏邸お気に入りでしたね。
>Y氏邸のサウンドは絶品で楽しかったですね。・・・何故かY氏の性格相性もかなり良かった気がしますし、バズケロ好みのオーディオでした!
>音は人なり。バズケロはY氏の人柄に惚れました!
本当に相性バッチリでしたね。出している音も、性格的なものも似ていると感じていました。やはり、音像派、ジャズ派、JBL党ですね。
人柄も、気さくでざっくばらん、度量が大きい所も似ていると思いました。おしゃべり好きなところも(笑)
>>やばい、Y氏と組んでバズにイジメられると思い話を切り上げて試聴のスタートです。
この場面、「来たな!」と思いましたので、すかさず回避行動でした(笑)
マラ2とマラ8のバトルも横で見ていて面白かったです。
もともと持っていたMTTのマラ2と、新たに注文をしたマラ8ですが、再生のポイントがかなり違いますね。
マラ2は、「押し出しの強いゴリゴリした低音」
マラ8は、「解像度が高く、大きく広がる合唱」
バトルの背景は、Y氏邸の得意分野が「押し出しの強いゴリゴリした低音」で、合唱は不得意意識があったのかな?と後で思いました。”Credo”もそうでしたしね。
やはり、オーディオ再生に完璧はないですね。何かを立てれば、何かが失われる。そんな面をどれだけバランスさせられるかが、経験でありウデということになりますね。
マラ5は、「空間表現」がポイントかと思います。
◇次回の拙宅での選曲は、MTT マラ2⇒マラ5⇒マラ8のメドレーにしようかと妄想中です(笑)
>あのマジコは凄くバズケロ好みな音でしたね。…部屋も含めて懐が深い余裕のサウンドは勉強になります。また機会があれば聴きに行きたい素敵なサウンドです。
是非、また聴かせてもらいに行きましょう!同じく圧倒的なスケールで濃く、でも「音場型」のO氏サウンドも聴いてもらいたいです。次回は、感想戦もたっぷりと時間を取れるようにしたいですね。
ちょっと追記です。
カノンのやりとりで補足があります。
>バズ:スピーカーの配置はそのままで、アッテネータをすべて標準位置に戻したら左→中央→右になりました。
この先の話の方が大事なポイントでしたから補足です。
アッテネーターの標準位置から(標準位置がスタート地点で、本来あるべきバランスに向けて)じわじわと高域出力を下げていくのですが、下げすぎるとバイオリンの定位が中央へ寄ってくるという話が続きました。
ここがバズケロの伝えたかったポイントで、アッテネーターを標準にすれば治るということだけではありません。
JBLモニターのアッテネーター標準位置はあくまでも工場出荷時の0dbであって、時間が経つと高域は出過ぎるのでマイナス方向で調整するのが基本にあり、さらには好みのバランスまで絞り込むところがユーザー次第という代物です。
この際に気をつけねばいけないのが高域と低域のバランスが一線を超えて崩れると定位も崩れるということを伝えたかったのです。
オフ会時は低域が出過ぎていたというわけです。
誤解があるといけないところなので…こうしたところも確認しやすいのがカノンの音源。
セッティングにはとても有効な音源ですね。
では、では
補足説明をありがとうございます。
アッテネータ調整派の視点からは、大事なポイントが抜けていましたね。
こんな面も、アンテナが立っているかいないかかなと思いました。
「そういえば、そんなこともお聞きしたかな・・・」なんて感覚でしたので。
標準位置から「じわじわと左右のウーファーレベルに合わせつつ、スコーカーとツイーターのレベル調整をしていくのは至難の業ですね。
そんな点も、「カノン」は使えるでしょ!「みんなが持っているから買いたくない」なんて天邪鬼すると損しますよ。中古なら100円くらいで買えますから(笑)
◇次回は流れるようなカノンを楽しみにしています。絶品カノンが鳴ったら、また拍手喝采させていただこうと思います。
お楽しみがどんどん増えますね。