今日は仕事帰りに耳鼻科に行ってきました。7月の後半から暑い最中に病院通いで汗を垂らしながらの通院です。ひとつ前の日記「最新の突発難聴治療」では、3つの病院に通った経過や、最新の突発難聴治療がどのようなものであるかを書きました。その中でも突発難聴センターを開設し研究している専門医は、「高気圧酸素治療」を目玉に置いているようです。2010年ごろからこの治療法を学会発表されているようなので、突発難聴センターで行われる最新治療と高気圧酸素治療を整理しておくことにしました。
下記が高気圧酸素カプセル通院した病院の「高気圧酸素療法室」です。
<最新の突発難聴の治療>(突発難聴センターHPより)
◆軽 度:内耳の炎症を抑えるために、副腎皮質ステロイド薬などの内服薬による治療(目安は40dB未満の聴力低下)
⇒自分のケースでは、最初の1週間はステロイド薬の内服で様子見をしたが、改善されなかったため中等度の治療に移行した
◆中等度:ステロイド療法と高気圧酸素療法の2者併用療法(目安は40dB~60dB未満の聴力低下)
⇒自分のケースでは、ステロイド薬の内服+高気圧酸素療法で治療を続けた
◆重 度:2者併用療法に、さらに鼓室内ステロイド療法を追加した3者併用療法(目安は60dB以上の聴力低下)
<高気圧酸素療法>:保険治療が可能
・高気圧酸素治療は、気圧を高めたカプセルに入り、100%濃度の酸素を吸入することで体内に大量の酸素を送り込む治療方法
・突発性難聴は、内耳の奥にあるコルチ器が酸素不足になることが原因と考えられている
・高気圧酸素治療でコルチ器に十分な酸素を送り込むことで、突発性難聴の症状の改善が期待できる
高気圧酸素治療とは?
透明な治療器の中を100%の酸素で満たし、地上よりも2~3倍高い気圧(水深10~17mに相当)に調節します。治療器の中で90分程度過ごすことで、血中の酸素量を通常の10~15倍に増やします。また、気圧を高くすることによって体内のガスの容積を 小さくできます。さらに、酸素の毒性を利用して細菌を抑制します。このような特性を利用し、さまざまな病態を改善することができます。(淡海医療センターHPより)
具体的には、酸素カプセルの中に入ってから徐々に気圧を上げていき、15分間で2気圧(2回目まで)、2.4気圧(3回目以降)まで上げて、60分間高気圧を維持し、15分間で大気圧に戻すサイクルを1サイクルとして治療を受けました。
治療を受けた感想は、気圧を上げる(下げる)時間は鼓膜が圧迫(吸出し)されるため、常に耳抜きをしておく必要があるが、それ以外は退屈以外の何物でもなかったです。(初回だけは、治療後に頭が痛くなった)TVが見られたので退屈しのぎに眺めていました。特筆すべきは、高気圧酸素カプセルに入った後は血圧が大きく下がることです。最高血圧が、使用前:約140 ⇒ 使用後:115 までほぼ毎回下がりました。
難聴への効果はどうなのか?
これが自分の一番の関心事でした。ですが、1度や2度カプセル治療をしても何も変化は感じませんでした。ですが、夏季休暇時の5回目のカプセル治療後に、数日たって仕事に向かった後の午後に突然に回復しました。安心も含めて計7回のカプセル治療を受けましたが、その後の変化は感覚的には感じていません。結果から言えば、効果があったのだろうと言うことになります。
余談ですが、高気圧酸素カプセルを4機所有の東京の病院では、「1クール10回で、30回まで受けることが出来ます」と言われました。1クールが10回と言うのは、続けて治療するときに連続は10回程度にしておき、さらに続けるときには少し時間をおいてから、第2クール、第3クールと実施した方が効果が高いと言われていました。保険治療でも、1回1万円程度かかります。ちなみに、専門医である突発難聴センターでは、8日間の入院治療で8回のカプセル治療を行うそうです。自分のケースは、5回で難聴は回復しました。ですが、どこで止めていいのか迷いましたので7回まで実施した感覚です。
近隣の耳鼻科では、カプセル5回目以降に通院したところ概ね回復していたので、「保険のためにあと2回カプセルに入ろうと思います。」と提示し同意してもらえました。その後、2回のカプセル治療と耳鼻科の検診で、「もう完治した。薬も飲まなくていいし、もう来なくてよい。」と言われました。今日のことです。
めでたし、めでたし。
(おわり)






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ヒジヤン様、実体験に基づく医学的で正確なレポート!自分も左耳が難聴気味なので大変参考になりました。無事、回復されたと言うことで何よりです。(笑)
旧サイトにも投稿していましたが、数年前から左右の耳の近くで指や手のひらをスリスリすると明らかに左耳の方がコモッて聴こえることから計測機器のある専門医で両耳のF特を計測したら左耳が4kHz付近から高域が落ちていて医師からは「加齢」の一言で華麗に?スルーされました。放置したままで今月上旬にあった定期健康診断で初めて左側の高音の難聴が出てしまいベストタイミングな投稿でした・・(汗)
「オーディオが趣味」と言いながら自分自身の耳の特性が低下していたのでは他人から笑われちゃいますし、率直に言って当方もそれ以来、オーディオへの熱が低下気味でバイクに傾倒していました。
ですが、体調によっては左耳でもスリスリと聴こえることがあるため、耳の蝸牛の中の有毛細胞が無毛になった訳でもなく、どのような条件でそうなるのか疑念を持っていました。
ヒジヤン様の投稿から、本気で治すなら最新の突発難聴の治療が可能な専門医での高気圧酸素治療と薬の服用の手段があり、お金と時間も掛かりますが、それだけの価値があると思います。
で、自分はどうするか?
現在、再雇用の立場であっても夜勤ではソレナリに責任もあり、睡眠不足とストレスがある環境なので、あと1年半後の完全退職後も難聴が続いたら「それだけの価値」があると思うので治療をしたいと思っています。実際に、その時期になって治療しないとしても、今回のヒジヤン様の投稿で「治る可能性がある!」と知っただけでも大変貴重な投稿内容でしたしネット広告はあるものの具体的レポートなんて皆無でした。
「難聴」って死に至る病気じゃないため年齢を重ねれば仕方のないもの・・と医師も含め皆から軽視されがちですが、ウチの母親も認知症進行のキッカケにもなっていますので手遅れにならないウチ(既に手遅れ?)にならないようにしたいものです・・(汗々)
たかけんさん、コメントありがとうございます。
本当に耳の調子が悪いとオーディオを聴く気になりませんよね。自分も1か月ほどCDのトレイを開かない生活をしていました。すると、耳がよくなったのでトレイを開けようとしたところ、トレイが開かないではないですか・・・
今年の暑さもあってか、トレイが固着してしまったようです。ガチャガチャと弄っていたら開くようになりました。その後は開かない症状は出ていません。
難聴も同様なことがあるのかな?などとの思いが湧いてきます。毛が生えているのに感じない・・・そのままの状態にしておくと、ますます固着がひどくなってしまう。だから、早くガチャガチャして固着を解消した方がいい。自分の体験からはそんな感覚を持ちます。徐々に聴力が回復するのではなく、ある日突然回復しました。一旦回復したら元に戻ることは、今のところないです。
ですが、たかけんさんが言われるように、
「難聴」って死に至る病気じゃないため年齢を重ねれば仕方のないもの・・と医師も含め皆から軽視されがちです」
まさにその通りかと思います。でも、「オーディオマニアにとっては、耳は命も同然」ですよね。(入院は拒否りましたが、3つの病院を駆け巡りまたよ、汗だくになりながら;笑)
先生との会話(一昨日の近隣の耳鼻科にて)
先生:聴力の左右差が回復しているので、もう問題ない
ヒジ:先生、ですが朝起きた時にはまだ違和感があるんです
先生:気にしているからだ。気のせいだ。
ヒジ:でも、朝はよくなくて午後になるとよくなる感じなんです。突発難聴センターのHPには、突発難聴と同様な症状があるケースもあるので、鑑別疾患が大事と書いてありました
先生:そんなの調べるのが悪い。だから気になるだけだ
ヒジ:あくびをするとスッキリとしたりします
先生:(鼻と耳の通りを調べて)問題ない
ヒジ:でも、起きた時などに違和感があったりするんです
先生:聴力が回復しているんだから、これ以上どうしろと言うんだ
ヒジ:大丈夫ですか?
先生:もう完治した。薬も飲まなくていいし、もう来なくてよい
本音ではまだ完治したと確信できてはいないのですが、完治宣言をして迷いを吹き飛ばしたい気持ちと、完治したと言われてうれしい気持ちから、病院から帰ってきた後で急いで日記を書きました。
ということで、たかけんさんも気になる面があるのであれば、高気圧酸素カプセル治療をお勧めしたいです。早く、耳の奥の中をガチャガチャとしておくのがよろしいのではないかと。専門医には早くした方が・・・と、入院を勧められましたが、カプセル保有の病院では、毎年何回か通って難聴がよくなった人もいますよと言われました。その病院の難聴に対する取り組み方針が如実に出ます。ですから、絶対に専門医に診てもらうことをお勧めします。
おせっかいながら、仙台の高気圧酸素治療をやっている病院を調べてみました。
広南病院、仙台東脳神経外科病院、仙台徳洲会病院、仙台医療センター との検索結果が出てきました。その中では、「仙台医療センター」がよさそうです。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科医長 舘田 勝氏 ・・・この医師を指名するのがよろしいかと
「突発性難聴の二次治療として外来高気圧酸素療法、ステロイド鼓室内投与も施行しており選択肢を多く有しております。」との紹介がありました。
関東なら、西横浜総合病院の突発性難聴センター センター長 河野 敏朗氏がお勧めです。
自分の経験からは、普通の耳鼻科では「難聴は軽視している」、突発難聴センターでも、研究を進めている医師でなければそれほどの知見は持ち合わせていない。質問を投げかけてみて、返ってくる答えをみれば明白です。
長々と書きました。自分の負の体験ですが、少しでもお役に立てればうれしいです。
ヒジヤン様、地元の医療機関までご紹介いただき恐縮です。
仙台医療センターは父親が脳梗塞で救急搬送された病院ですし、仙台徳洲会病院は父親が末期を迎えた病院です。
どちらも新築移転して間もない新しい病院でクール・ビューティーな?看護婦サン達が大勢いました。
通院の利便性からすると徳洲会病院でしょうが看護婦さんのビューティー率では医療センターが・・(汗)
おふざけはトモカク、給与天引きされている医療保険にも入っているので入院治療も視野に入れ真剣に検討してみます。情報ありがとうございました。
たかけんさん、面白い視点ですね。
「看護婦さんのビューティー率」・・・確かに行きたくない病院に通うためには重要なファクターかと思いました。その面を指標に自分が通った病院を評価すると。
近隣の耳鼻科・・・近所のおばちゃん(に見える人)たちが大勢いました。男はガンコな70歳を超える?おじいちゃん先生1人に対して、近所のおばちゃんがたちが受付も兼て6~7名いました。先生の趣味なのかもしれないですね。(メリットは近くて空いていることです)
突発難聴センター・・・総合病院ですが、並みの看護婦さんのビューティー率かと
カプセル設備病院・・・総合病院ですが、診察棟は並みの看護婦さんのビューティー率でしたが、検査棟のレベルは高かったですね。専属の医師が選んでいるのかも?(笑)
おふざけはトモカク、突発難聴は初動が大事と反省しました。近くの耳鼻科に最初に向かった結果、3つの病院を渡り歩き、治療は設備病院で診察は近隣の耳鼻科となってしまい、突発難聴センターの専門性や詳しい検査は何も活かすことが出来なかったです。
<近さで選んではイカンです>
今思うと、最初に専門医の突発難聴センターに行き、初診と判断を専門医に受けるべきでした。入院治療は難しかったので、カプセル治療だけは設備病院で行い、診察や投薬は専門医にお願いするパターンがよかったと思います。この点、深く反省しています。
ですので一度、クール・ビューティー狙いで仙台医療センターの耳鼻咽喉科・頭頸部外科医長 舘田 勝氏に診てもらうことをお勧めしたいところです。
おせっかいマンより
私も数年前に突発性難聴に、250 Hz以下が 15 dBほど落ちてしまっています。耳鼻科では治療は完了と言われ、当初は聴感でも低域が減ったとショックを受けていたのですが、脳の方が対応していくのか、今では違和感は無くなりました。測ってみると、高い方の周波数は年齢以上に聞こえているようなので、それで自分を慰めています。(笑)
このような治療法があることを知りませんでしたので、大変興味深く拝見しました。
sonnenblueさん、おはようございます。
やはり、耳鼻科の「完治」は「完全に治った」ではなく「治療が完了した」という意味なのですね。
>聴力が回復しているんだから、これ以上どうしろと言うんだ
といわれた時には、複雑でしたが、医者の側から見れば「もうやれることは何もない=完治」と言うことなんだろうと思いました。
まだ違和感が出る時がありますので、専門医に診てもうおうかと思います。ありがとうございました。