GRF邸訪問記 – アナログの革新

日記・雑記
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GRFさんのところにうかがう機会を得ました。
前回の訪問は1年半くらい前なので本当に久しぶりです。

先ずはデジタルから聴かせていただいたのですが、最初はフォン・オッターさんのA Simple Song。

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歌手の姿がそこに浮かぶようなホログラフィック感は相変わらず驚きです。終曲のClimb Every Mountain も聴かせていただきました。このアルバムは選曲がおもしろいし、オッターさんの唄声も魅力的なので帰宅後早速ネットでマルチ版/ステレオ版ハイレゾ音源を購入しました。

次から次へと久しぶりにホログラフィック再生を堪能しました。

定番のハイティンク、RCOのショスタコーヴィチ#15は前日拙宅でも聴いたばかりだったので、興味深く聴きました。ウチはマルチchでの再生で奥行き感はあるのですが、GRFさんのところの俯瞰的な独特のホログラフィック的な音場とはかなり違います。改めてその違いに不思議さを感じます。でも拙宅も以前に比べて空間的な解像度がかなり改善されているので、今回は少し冷静に聴くことができました。

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そして、いよいよ今日の目玉、アナログです。新たに導入されたトーンアーム、Reed 5Tと光カートリッジの組み合わせ。私は光カートリッジを聴くのも初めてでこのアーム導入前のSMEとの組み合わせでの音は聴いていません。

やはり聴かないとわかりませんね。この定位の安定感はビックリです。

アナログでのこの定位感は尋常ではありません。ほとんどレコードを聴いているというのを忘れてしまうくらいな不思議な安定感でした。オーケストラやステレオ創世記のデモレコード、森進一、都はるみ、前川清のライブ盤などいろいろ聴かせていただきました。

GRFさんはこのアームのおかげでアナログでもやっとホログラフィック音場の再現ができるようになったとおっしゃっておられましたが、歌手がポッとそこに現れる感じは格別。

1950年代のデモレコードにはこんな音が入っていたことにビックリ。

極め付きはクラウディオ・アラウのドビュッシー前奏曲。私は普通ピアノをアナログでは聴く気にならないのですが…参りました。アナカプリの丘だったと思いますが、強い高音の打鍵で終わるのですが、そのきれいさ。あれはレコード最内周だったのではないかと思いますがそれであの高音。ありえないと思いました。

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GRFさん曰くトラッキングエラー角がほとんどゼロのReed 5Tのなせる業。Reed 5Tを間近でじっくりと観察させていただきました。ちょっと不思議なベアリング構造で垂直方向の動きはアーム両側2点のピンポイント受けが担っているようです。このアームの特徴は何といってもストレートアームでトラッキングエラー角がゼロになるように自動調整する独特のメカニズム。レーザーで検知してベース位置をコントロールするなんてすごいことを考える人がいるもんだと感心します。設計者の執念を感じます。

SMEシリーズ5はダンピング機構によりアームの慣性質量とカートリッジのコンプライアンスによって生じる低域共振を抑制しているのですがReed 5Tにはダンピング機構がない、これが私の唯一の疑問点だったのですが、サブ・ウーファの振動板が全くふらつかないところを見るとその心配はいらないようです。

なんで問題ないのかまだ完全に理解できないところがありますが、光カートリッジではマグネチックタイプとは異なり自身の低域ゲインが高くS/Nがすごくいいことも効いているのではないかと思います。

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プレーヤーについているSMEのシリーズ5はカートリッジが付いていない状態でさみしそうにしていました。このことがGRFさんの現行組み合わせに対する気持ちを表しているような気がします。恐ろしいものを聴かせていただきました。

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私自身のアナログ再生は余興だし、持っているレコード盤も少ないし、何より資金は枯渇しているのでこれを聴いてすごいなとは思うものの病気になることはなんとか避けられそうですが、中途半端に資金のある方にとってはこれを聴くことはかなり危険だと思います。

GRFさん、ありがとうございました。貴重な体験でした。

次回お招きいただくときはGRFさんのご迷惑を顧みず、レコード持込のお願いをしてしまうかもしれませんが…m(_ _)m今後ともよろしくお願いいたします。

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