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アナログはディジタルだ

日記・雑記
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RMAF 2018 – Why Analog is Digital and How to Fix It – Peter Ledermann
https://youtu.be/WmwnN_T_wW8?list=WL
[:image5:]
RMAFというのはRocky Mountain Audio Fastというコロラド州で毎年開催されているオーディオショー。

このビデオは昨年2018年10月のSoundsmithの経営者かつ主幹技術者Peter Ledermannによるセミナーの様子。

最初の3分半の映像、黒い正方形の紙に塩を撒いて振動を与える。 振動周波数によって様々なパターンが塩によって描かれる。
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以降は熊のようなおっさん(Peter Ledermann)が穏やかな声で1時間ほど話し続ける。 でも話の内容が面白い、というか興味深い。
[:image2:]
カートリッジのスタイラス、カンチレバーの動きを科学的に説明している。
フォノカートリッジメーカーが語りたがらない内容を歯に絹を着せることなく明かしてくれる。
もちろんこれは自社で販売しているMIカートリッジの優位性を伝える内容だからある意味宣伝なんだけど。 本人もはっきりそう言っている。

ところでこの「アナログはディジタルだ」という題名、ちょっと煽った感じだけど、別にアナログ信号が0,1だけのディジタル信号と同じだといっているわけではない。
じゃあなんだといえば、カートリッジの針(スタイラス)がレコードの溝をなぞっていくその動作はみんながイメージするように滑らかに針が溝に接触しているわけではなく、実際は自動車がでこぼこ道を高速で走行しているときのタイヤみたいにミクロの世界で断続的に溝に接触している、
つまりアナログといっても針は溝の情報を飛び飛びにサンプリングしているに過ぎない。 ということ。 このサンプリングの部分がディジタル的だというわけだ。
ではなぜそれで滑らかな音楽になるのか、カートリッジは磁気回路なのでたとえ針が断続的に溝に当たっていてもカンチレバーの先のコイル(MC)、磁石(MM)、あるいは鉄心(MI)が動いている限りは電気信号、すなわち音楽信号になる。
ようするにレコードの再生音は針先が溝に断続的に当たって作られた振動による平均値にすぎないってお話。

ジッターの話も興味深い。
[:image3:]
[:image4:]
針先の振動はカンチレバーを通して伝わるが完全に終端されていなければ当然のごとく振動は反射して針先に戻っていく。 針先とそれに接触しているレコードは違う物質なので機械的インピーダンスが異なりやはり終端されていない。 そこでまたその振動が反射してカンチレバーに戻る。 つまり定在波になる。 さらに続ければレコードと針の接触点で全反射するわけではなく一部の振動はレコードに伝わる、そしてレコードとターンテーブルの接触部分でまた別の反射が起こり遅れて針に伝わる。 同様のことがカートリッジとトーンアームの接触部で言える。 複雑怪奇な定在波になる。
この定在波の周波数を音楽に影響しないように可聴帯域よりはるか上にするには質量を減らす必要がある。
また定在波は直線的にカンチレバーに伝わるわけではなく回転が加わる。 それが針先のジッターとなりチャネル間分離を悪化させる。

Moving Coil(MC)とMoving Iron(MI)の比較
MCカートリッジはMMに比べて質量を軽く出来るがコイルである以上軽量化には限界がある。 MI型はコイルを磁石(磁場)の中で動かすMC型と異なり磁石、コイル両方を固定した上でその間に小さい鉄心を置き、それの振動で磁場を変えて電気信号にする。 鉄心はコイルよりはるかに小さく軽くすることが出来る優れた方式。
ではMI型がそれほど優れているのならなぜほかのカートリッジメーカーが手を出さないのか。
一つにはMI型はそもそもBang&Olfsenが開発して特許で固めてほかの会社が参入できなかった。
それに今まで何十年間MC方式のカートリッジが一番優れているといって売ってきた会社がやっぱりMIのほうがが優れてますというのは自殺行為に等しい。
Soundsmith社は長年B&Oのカートリッジ修理を通して技術を学び、B&Oがカートリッジ製造をやめたときにライセンスを取得してB&Oカートリッジ製造を引き継ぎ、さらに自社製品を開発してきた。

まあ全編英語で字幕もないし1時間ってのは結構長いが、でもお勧め。 Soundsmithのカートリッジを聴きたくなること請け合い。

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