カートリッジの負荷容量

日記・雑記
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過去30年以上MCカートリッジしか使ってこなかったので負荷容量を考慮することはなかったが、今回SoundsmithのThe Voiceという高出力MIカートリッジを使用して高出力抵抗/高インダクタンスカートリッジに対する負荷容量が再生音に与える影響がMCカートリッジにおける負荷抵抗値よりもはるかに大きく重要だと言うことを知った。
いまさらかよと我ながら思うが、まあそんなものだ。

Soundsmith The Voice
[:image6:]
Output Voltage @ 5cm/sec: > 2.12 mV (HIGH)
DC Resistance (DCR): 680Ω
Coil Inductance per channel: 190 mH
Recommended Load Resistance: ≥ 47kΩ

SoundsmithのMIカートリッジ(コイル固定コイルカートリッジ)は社長で技術者でもあるPeter LedermannのYoutubeビデオで興味を持った。
MCよりも振動系の有効質量が軽くてより正確、精密にレコードの溝をなぞれるし、固定コイルの巻き数を増やすことによって高出力が得られる。
なんか良い事尽くめだが、実際に試さなければわからない。

実際に購入して取り付けてみて、今まで使っていたいくつかのMCカートリッジとは全然違う再生音に若干戸惑う。
MCカートリッジの音とは全く趣が異なる再生音。 より力強く、でもダイナミックレンジは非常に広く、本当に細かい音まで詳細に拾い上げる。
確かにMMとMCの良いところを合わせた感じかもしれない。
だがどうも高音がしっくりと来ない。
私が使用しているフォノアンプPS Audio NPCは負荷抵抗値を47K/100pF、100K/47pFと切り替えられるがどちらにしてもこれでよいと言う音にならない。

どうにも収まりが悪いのでSoundsmithに質問をしてみた。 するとPeter Ledermann本人から返信があり詳しく聞きたいから電話をしろという。
それで電話で30分ほど話したのだが、使用機器、使用時間、設定などいろいろとやり取りした後、彼が言うにはたぶん負荷容量値のマッチングが悪いのではないかと言う。 そして様々な容量を試せるキットがあるからそれを送るので試してみろと言う。 さらにキットに含まれていないより大きな容量(560pF)の端子も作って別に送ると言ってくれた。
一顧客の対応にここまでやってくれるとは、驚くとともにちょっと感動。

実際に200pFから560pFまで試してみて音のたたずまい(高音域)の変化の大きさに驚いた。 2週間ほどかけて最終的に負荷容量は47KΩで560pFの容量を追加する設定に落ち着いた。 この560pFはキットとは別便でSoundsmithのPeter Ledermannが送ってくれたものだ。
560pFはかなり大きい値だ。 しかもこれにアーム内の配線の浮揚容量、フォノケーブルの容量、フォノアンプの負荷容量が加わるので総合した容量値は相当大きい。
でもこれが一番好ましい設定。

周波数特性(PCM 96KHz/24bit)
20Hz-20KHz
負荷47KΩ + 0pF
[:image1:]
負荷47KΩ + 560pF
[:image2:]
White Noise
負荷47KΩ + 0pF
[:image3:]
負荷47KΩ + 560pF
[:image4:]

DB Systems DBP-6 Phono Capacitor Loading Kit
[:image5:]

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