パソコンとUSB-DACの接続は絶縁(アイソレート)が望ましいです。
言わずもがなパソコンは凶悪なノイズの発生源。中でも対処の難しい
GNDも伝って伝播するコモンモードノイズの発生源でもあるからです。
中級機~高級機のDAC製品ではUSB入力に対してアイソレーターを用意して
構えておくのは常識となっています。
例:Chord Quest
https://www.chordelectronics.jp/products/qutest-range/qutest/
DENONでは最近10万円を下回るエントリー機にも
アイソレーターを使い始めた気がします。
※私は事情に疎いです
本題ですがHifimediy社から新製品の登場です。
ご存知の方も多いと思いますが、かつてUSBアイソレーターが
よく出回った時期がありました。残念なことに、
USB-DACが認識しないという事態が数多く発生。
安価なUSBアイソレーターは、
USBのHigh-Speed(480Mbps)に対応できておらず、
24bit/192kbps以上を再生するようなイマドキのDACを認識させる事すらできなかったのです。
※再生しようとする音源データ以前にパソコンでDACが認識できなかった。
簡単な話、High-Speed対応のUSBアイソレーターを買えば解決なのですが
そういう製品はとても高価だったんです。intonaとかiFiなどです。
記憶によれば、それらは4万円~5万円だったでしょうか。
High-Speed「非対応」のクセに10万円近い暴利の製品もありましたね。
高額なDACには既にアイソレーターが搭載されているのだけど、
安価なDACには搭載されていない。
安価なDACにHigh-Speed(480Mbps)対応のUSBアイソレーターを
装着してやろうとすると・・・なんと!!DAC本体より高価ではないか!?
という状態が何年も続いていました。
そろそろ本題です。新製品はコレです。1万円を切った衝撃。
といっても登場から1年くらい経っていますが、評判が聞かれるまで
様子見をしていました。様子見の結果、問題なさそうだと判断→購入。
https://hifimediy.com/high-speed-usb-isolator-480Mbps
[:image2:]
[:image3:]
拙宅ではちゃんと稼働しています。写真は24bit/192kbps再生中。
USBアイソレーターからの5V供給は使用せず、ニッケル水素電池4本の直列にすり替えしています。これはAurorasoundさんの USBバスパワー機器用外部安定化電源から着想を得ました。
あ、
間違ってこっちを買わないように注意です。
安いので分かるでしょうが・・・・見た目がソックリ過ぎます。
[:image1:]
もう一つ注意ですが、このUSBアイソレーターは
USBハブも擁しています。普通のUSBアイソレーターとはちょっと違います。
[:image4:]
「USB 2.0 MTT ハブ」というのが見えますね。
LANのスイッチングハブと同じだとイメージされても結構ですが、
認識に問題が発生した場合は、
このハブがちゃんと「認識した後に」USB-DACを接続、
という儀式のような手順が必要になる事があります。
問題が発生するのは大抵、
パソコンがスリープ状態になってからの復帰のときです。
対策はあります。
Hifimediyにページにも注意書きが書いてありますので
興味がある人は読んでみて下さい。
hifimediy注意書きの転載ここから
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TROUBLESHOOTING
If the connected device does not power up after sleep, or after reboot, or after standby (Windows)
Check and disable the USB port’s power saving.
1. Windows device manager > Universal serial bus controller > (the USB controller for the port you use) > right click and chose ‘properties’ > ‘power management’ tab > uncheck “authorize computer to turn of this device to save power
2. Also check and disable: Control panel > System > Power Options > Change plan settings > Change advanced power settings > USB settings > USB selective suspend settings
If the connected device doesn’t power up
Try both to connect the device to the isolator before connecting it to the computer, and the other way
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転載ここまで
拙宅ではこの新製品、
USB-DACのほか従来の数千円の安いUSBアイソレーターでは認識不可であった
steinbergなどのUSBインターフェースも使用できるようになった事を確認しました。
とはいえ、世の中の全てのUSB機器で使用できる訳ではないので
その点は自己責任でお願いします。
USB機器が認識しない、そんな時。だいたい指示されるのが
「USBハブを使っているなら、パソコンに直接挿してみろ」
だからです。※それで動いたのならUSBハブを取り外すしかない
色々書きましたが、1万円を切って、
High-Speed(480Mbps)対応のUSBアイソレーターが購入できるようになった。
この事は実に快挙です。
10万円未満のDACを使用されている人々に特にオススメしたい製品です。
追記:
パソコンを買い替えたいけど難しい、パソコンのUSBポートが貧弱、そんな時。
USBの信号を打ち直し(リクロック)(ReClock)してくれる
工業用のUSBアイソレーターも存在します。私も持っていますが、
机の上に置くのが邪魔なので今回のHifimediyに変更しました。
プラセボかもしれませんが、なかなか良かったですよ。ReClock。
[:image5:]
Jplayでもお馴染みの「JS PC Audio オンラインショップ」から購入できます。
言うまでもありませんが、ノイズフィルターとアイソレーターは異なるものです。
ノイズフィルターでアイソレーターを代用する事はできません。
アイソレーターは電気的に絶縁するのに対して、ノイズフィルターは
電気的に接続されたままの状態だからです。
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