本当は映画の話なのですが、その前に注意しておかないと
不思議な世界に引き込まれてしまうので少しだけ前置きを書くところから
はじめます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/予言 より
————————————————————-
■自己成就的予言
自己成就予言(じこじょうじゅよげん)、もしくは予言の自己成就(よげんのじこじょうじゅ)(英、self-fulfilling prophecy)とは、予言をした者もしくはそれを受け止めた者が、予言の後でそれに沿った行動を取ることにより、的中するように導かれた予言のことである。ジェロラモ・カルダーノの最期や、ノストラダムス2世の最期と伝えられる逸話などが当てはまる。また、より身近な例として、星座占いや血液型性格分類、銀行の取り付け騒ぎも、示された結果を受け止めた者が、(意識的にせよ、無意識的にせよ)それに沿った行動を取ることで、当たっていると錯覚しているケースのあることが指摘されており[5]、これも一種の自己成就予言と言える。この語は、社会心理学の用語としても用いられる[6]。
[5] 志水一夫 (1997) 『改訂版 大予言の嘘』pp.90-92, 菊池聡 (1998) 『予言の心理学』pp.255-268
[6]菊池聡 (1998) 『予言の心理学』p.255、山岸俊男 (2001) 『社会心理学キーワード』有斐閣、pp.174-175
————————————————————-
つまり、
自分が 「きっと〇〇だ」 と思い込んで生活を送って
いると、意識・無意識のうちに自分にとって都合の良い、
思い込みに合致する情報だけを選択収集してしまい、
仮にそれが誤った思い込みであったとしても
ますます「自分は正しい」と誤った観念で自己を正当化してゆく
そういった危険性を示唆したものです。(嘘も100回つけば真実に?)
こんな事を書いておかないと危険なほどに、奇妙なことが
Phile-webコミュニティで起きていました。
(ただの偶然なんでしょうけどね)
前置きはここまで。
***************************************************************
ここから本題です。
映画『ようこそ映画音響の世界へ』を先日の日記で紹介しました。
面白そうだったので Amazonで購入して視聴しましたが、ちょっと
自分が思ってたのと違いました。編集スタジオが見たかったのですけれど
一瞬しか映らない(笑)。ちょっと不完全燃焼だったので別の映画を
探していたら、ありました。というか、思い出した映画が。
映画『音響ハウス Melody-Go-Round』
詳細は↑のリンク先を見て頂くとして、簡単にいえば
日本初の? レコーディングスタジオを主題にしたドキュメンタりー映画です。
[:image1:]
産経新聞のニュース
https://www.sankei.com/article/20201112-WK5JNMP24RIBPEB5SFOZRJUQA4/より[:image2:]最近 Phile-webコミュニティで Cosmic Moon が 話題になりました、
大貫妙子さんも映画のなかに登場されます。
[:image3:]写真:音響ハウス 第1スタジオ コントロールルーム
(https://www.onkio.co.jp/)
[:image5:]写真:音響ハウス 第1スタジオ スタジオフロア 1996年
(https://www.noe.co.jp/)
これらの写真を見て アレ? と思いました。
東芝 EMI 第3スタジオ を 懐かしむ映画の話かと思いきや、
どうやら音響ハウスのそれは現役のスタジオらしかったからです。
第3スタジオは10年以上前に幕を閉じたはず・・・幻でも見ているのか???
[:image4:][7]“特集:EMIミュージック・ジャパン、本社移転で2スタ・3スタ営業終了”. 文化通信.
(nightwish_daisu は 今日まで ’音響ハウス’ を 知らなかったです。そういう [映画] が 在ることは見聞きしていましたが、 [スタジオの名称] としては、知らなかった。)
というわけで、第3スタジオが幕を閉じたニュースを探します。
ありました。
[:image8:] ビックリ!! する程に 似てますよね? NS-10M、通称:テンモニも一緒?
[:image6:]写真:東芝EMI本社 第3スタジオ コントロールルーム
(https://www.bunkatsushin.com/)
[:image7:]写真:東芝EMI本社 第3スタジオ スタジオフロア
(https://www.bunkatsushin.com/)
天井の高さといい、広さといい、Dynaudioカスタムなモニタースピーカーといい、
実にそっくりさんなので第1スタジオを今は無き第3スタジオと錯覚していたようです。
なんでここまで似ているのか???
第3スタジオの設計に当時東芝EMIとして関わった
村田研治氏(現:サーロジック)のプロフィールから
[:image9:]1982年日本に初めて登場した本格的な”ライブ”型スタジオとあります。
このスタジオの成功を境に、その後施工された大方のスタジオがライブ指向になったともいいます。
本当でしょうか?
音響ハウスの第1スタジオを手掛けた日本音響エンジニアリング。
最近ですと アキュフェーズ新試聴室を作ったことで皆さんご存知ですよね。
その日本音響エンジニアリングさんのページから、
この第1スタジオのコンセプトを引用しますと・・・・
***************************************************
2 コンセプト
これからの音楽スタジオはどうあるべきか?デザインは営業サイドから、機器、音響においては技術サイドから若い感覚を重視し、内外のスタッフ、アーチストとの意見交換をすると同時に、国内外のスタジオの事例を種々参考にしながら検討に入り、限られたスペースを如何に有効利用できるかを主体に、あらゆる角度からレイアウトを検討し、音響的見地からは空気感、音の伝わる環境を如何に良くできるかをコンセプトにして、アコースティックサウンドをナチュラルに表現できる場として考えてみました。
***************************************************
ふむふむ、
国内外のスタジオの事例を種々参考にしながら・・・ね。
そのなかには EMIの第3スタジオも含まれていたのでしょうか。
EMIの第3スタジオが生まれたのは1982年のこと。
先程の音響ハウスの第1スタジオの写真は、コンソールに
世界初のSSL-JシリーズSL-9064J-64VUの1号機を選択したという
1995年 or 1996年の第1スタジオ大改修後のものです。
ですので、
音響ハウスの第1スタジオは、EMIの第3スタジオを参考の一つに
取り入れて、大改修を行ったとみてよいのかもしれません。
モニタースピーカーDynaudioカスタムも配置もそっくり。
むしろ、参考どころか大改修の中心的人物が第3スタジオの熱狂的な信者であった可能性すら考えてしまいます。
1974年:音響ハウス 誕生
1982年:EMI 第3スタジオ 誕生(日東紡音響エンジニアリング)
1995年:音響ハウス 第一スタジオ大改修(日東紡音響エンジニアリング)
2015年:社名を日東紡音響エンジニアリング株式会社から日本音響エンジニアリング株式会社に変更
2021年:アキュフェーズ新試聴室(日本音響エンジニアリング)
さっき、少し気になったものがありました。
村田氏のプロフィールにちらっと見えた 「大貫妙子」 の 文字。
[:image9:]どうやら 大貫妙子の録音に村田氏のサンプラーが使われた
というお話のようです。この事は Wikipediaに載っていました。
大貫妙子のどのアルバムに使われたのかは判明しませんでしたが、
YMOのアルバム
『「テクノデリック」では一斗缶を叩いた音や声、工場の騒音などでリズムを構成している。』と Wikipediaに書いてありました。
アレ? この話、最近どこかで聞いたような?
思い出してみると気のせいなのですが、
似たような話が最近 Phile-webコミュニティであったのですよね。
ぺぶるすさんの日記
「CDをマルチチャンネルで聞いたらチョット変、、」
でした。こちらの日記の要旨は・・・・Cosmic Moon の雷鳴の音が、
———————————-
・低域よりのドラムロール音
・ギターのディストーション音
・ドラムセットか何かの金属を叩く音
———————————-
の3つに、分離して聞こえたという報告でした。
ぺぶるすさん以外にそのように聴こえた人は現れなかったので、
ぺぶるすさんの環境あるいは感性によるものと思われますが、
3つ目の 『何かの金属を叩く音』 が、
YMOで使われたという『一斗缶を叩いた音』with 村田氏の LMD-649 と
私の脳内検索でヒットしてくるのでした。
というわけで、最近のコミュニティの話題が気味が悪いくらいに
何かの糸で繋がっていそうな気がして、少し怖くなりました。
それが「世にも奇妙な物語」とタイトルに付けた理由です。
もともとは映画音楽が起点。
そこから音楽スタジオ、大貫妙子、村田氏、LMD-649(サンプラー)、
ふたたび大貫妙子、Cosmic Moon、金属を叩く音・・・・。
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
予言の自己成就を念頭に置けば一連の流れは偶然であって、意味などない。
何か、神の思し召しだと思えば素敵な感じがするけれど・・・誘惑に負けてはいけない。音響ハウス第1は、EMI第3をインスパイアしたのだろうと思いたくなるのですが、証拠は無い。ついつい似ているところばかり探しがちになるが、それではイケナイ。。。
予告編動画はこちら
⇒ https://youtu.be/97DhkGFe9Vo
[:image10:]
—————————————————————–
参照:
●音響ハウス
第1スタジオ
https://www.onkio.co.jp/music/1st.html
●日本音響エンジニアリング
ホーム > 技術ニュース > 第14号(1996年10月発行) > 音響ハウス『第一スタジオ』
https://www.noe.co.jp/technology/14/14std1.html
●文化通信.com
特集:EMIミュージック・ジャパン、本社移転で2スタ・3スタ営業終了
Page[1]
https://www.bunkatsushin.com/varieties/article.aspx?bc=1&id=585
Page[2]
https://www.bunkatsushin.com/varieties/article.aspx?id=585&pg=2
●Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/東芝EMI本社ビル 第3スタジオ
●サーロジック(salogic)
村田研治プロフィール
http://www.salogic.com/mur-profile.htm
●Wikipedia
LMD-649(LMD-649は、手作りのサンプラーである。LMD-649は当時、東芝EMIのエンジニアだった村田研治のアイディアから誕生した。LMD-649が最初に使われたのは、大貫妙子のレコーディング現場。YMO「テクノデリック」では一斗缶を叩いた音や声、工場の騒音などでリズムを構成している。)
https://ja.wikipedia.org/wiki/LMD-649
—————————————————————–
コメント ※編集/削除は管理者のみ