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何が音質を決定付けるのか? 自己流オーディオ趣味な日記

日記・雑記
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今日はただの日記です。

いい音で音楽を聴きたい。単純な欲望。
(ポエム)

高価な機材を揃える事は高音質への近道でしょうし、
その手法に詳しくなるにはその高価な機材を取り換えひっかえして経験を積まないといけない気がします。オーディオショップの店員さんは例外として、個人で高価な機材をポンポン交換するのは自分には無理なことでした。

10代の頃から現在に至るまで、
変わっていないのは安い機器を弄り倒すという信念?です。
近年ではThomannのアンプがそれに該当します。

「自分はオーディオマニアではない」そのように自信を持って言えるのは良い音を追求していなくって、向いている方向がなんだか謎で音質が変わる原因追及に思考が偏っているみたい。音質よりも弄る事そのものの方に比重がありそうです。。
実際、良い音にしようと悪戦苦闘するような日記は殆んど書いた記憶がありません。(今回はその悪戦苦闘を書く 珍しい? ものに見えるかもしれません。)

今日はDAC。

今から6年くらい前は安いDAC(同軸デジタルとTOSLINK入力を備えた中国製DAC)を弄って勉強していました。年々回路が改良されていって音も良くなるし、観察していて面白かったのです。

↓ 旧基板(購入を開始した頃の初期型?)

↓新基板(購入を始めて1年くらい経過した頃のもの,かなり変化)

最終的には?2層基板になってオモテとウラを接続するビアが打たれるまでに進化していきました。ただ、基本的な構成はそのまま。そこは一貫していました。

この手のDACの内部構造は大きく2つに分けられます。
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DAI:SPDIFを受信してI2SなどのSignalにしてDACにデータを渡す役目

DAC:言わずと知れたIC 最近だとES9038が有名
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ES9038なんかは直接SPDIFを食べてくれたと思いますがそれは例外で、大抵の場合はDAIと呼ばれるレシーバーが必要です。

AudioDesignさんのコラムから少し引用します。

引用ここから >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

前回はDAC内のクロック信号について概略を紹介しましたが、今回はもう少し詳しく解説しましょう。

DAC内の構成はこうなっていました。

この中でレシーバーと呼ばれるチップがCDプレーヤーからのデジタル信号(サンプリング周波数44.1KHz)を受けてさまざまなクロック信号を発生させます。入力のサンプリング周波数44.1KHzのデジタル信号はシリアルデータで左右16bitのデータを含むために実際には64倍の2.8224MHzの周波数のデータになっています。結構高周波帯域に近いでしょう。
44.1KHzといっても実際には多少変動したり、最初からずれているので、受け取った44.1KHz(実際には2.8224MHz)あたりの周波数で、入力信号に正確に同期した整数倍の周波数のクロック信号を発生させる必要が有ります。このためにPLL(位相同期)回路というものを使用します。
引用ここまで <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<

旧基板ではこの大きな長細い基板がDAIの役目。完全なノッペラボウで得体が知れませんが、恐らく Cirrus社のCS8416の互換かコピー品だと想像されます。

DACも 少し得体が知れませんが 恐らく Cirrus社の CS4344というDACの互換品あるいはそのものだと想像されます。

これらは新基板になると、互換ICになったようです。

CS8416,CS4344 ではなくて・・・
MS8416、MS4344 となっています。中国メーカー?らしい。

結論から言えば データシートは CS8416、CS4344のもので代用できました。

音質ですが、新基板からは 特に何もしなくても 普通に音が出て
しかもなんだか良さげでした。 旧基板は使う気が起きない音質でした。何が違うのかな?と測定してみると2次高調波がやや大きいという特徴がみられました。(ただ、これは真空管もおなじで偶数次の高調波が音質の悪さの原因だとは思えませんでしたが。

新基板の1kHzスペクトル (とても優秀)

旧基板の1kHzスペクトル (新基板にくらべて偶数次が気になる)

このDACですが小さいので、マルチレベルΔΣでありながら
高周波漏れを防ぐローパスフィルターが実装されず省略されています。
そのため、ローパスフィルターを設置しての測定でした。

直流カットには緑MUSE、ローパスフィルターには赤いPRP抵抗とC0G特性のセラミックコンデンサーを使用していました。

セラミックコンデンサーと聞くと、何と馬鹿な!と怒る人も居るくらいオーディオには使われる事のないセラミックコンデンサー。普通の?セラコンは印加電圧で容量が激しく小さくなるので、音楽信号に使うと音楽に合わせて両量がグワングワン変化して音質どころの話ではなくなってしまいますよね。

図:秋月電子通称さんのFAQより 定格の半分の電圧をかけただけで容量が80%以上小さくなるセラミックコンデンサー(故障ではありません!! そういうものです)

話を戻すと、そういう容量変化が殆ど無いか無視できるのが C0G特性のセラミックコンデンサーです。私は平気でアナログ出力部のフィルターに使用。参考までにデータシートからローパスフィルターの構成例を紹介します。

 CS8416のデータシートではSPDIF入力のACカップリングには C0G特性 をオススメするぞ?みたいな雰囲気が読み取れました。容量が変わっては困る場所として PLLのフィルター部がありますが、データシートでの言及はなかったものの個人的には C0G特性に取り換えました。

交換のきっかけは、テレビやチューナーの光デジタル出力を入力したときだけ プッ! というノイズがたまに出るロットがあったからです。原因は全然違う容量のコンデンサーが実装されていた事。そういうところが中国製。

思い起こせば、2週間くらい使用していて突然故障して音が出なくなった事がありました。原因は CS8416 のリセットを司る 10μFもの大容量セラミックコンデンサの故障?。手持ちでそんな大容量のセラコンは無かったのでタンタルに交換したら直りました。

さて、音質がイマイチ振るわない旧基板でしたが、新基板を参考にしてなんとか音質を新基板並みに出来ないか?1年くら悩みました。

採った手法は、少しずつ、部品を新基板のものに変更していくというものです。その過程で一つ収穫がありました。
音質だけの事を言えば、なんと DAIとDACのI2S接続に挿入されるダンピング抵抗の交換で音質が改善したのです。(あくまで新基板並みにです)測定したら2次高調波も消滅したに違いない!!と意気込んで測定したら・・・全く変化はありませんでした。不思議なものです。ちなみに 4ケの 47Ω を 22Ω にしただけ。

最終的に、この 2次高調波の原因は DAC-ICそのものが持つ特性という結論になりました。 ↓このICを
↓ こっちに 乗せ換えしたら 2次高調波が消えたので・・・。

ただし、耳で聴いた感じでは ICの違いは感じませんでした。
とにかく PLLフィルタを構成するセラミックコンデンサーをC0G特性のちゃんとしたものに交換して、更にダンピング抵抗4ケを22Ωに変更したら旧基板は新基板相当の音質に改善可能でした。

うまく行くと欲が出てくるものです。 もっと良くできないか?
省略されていたローパスフィルター(ハイカットフィルター)の設置はとても良い感じでした。CS8416は実は無理矢理 192kHzサンプリングレートに対応したようなところがあって?ジッター性能が少し前の CS8414よりも悪くなってしまった所がありました。しかし、192kHzを諦めて Max.96kHzでよければジッターをもっと抑える事が可能です。

このDAC 実は格安のくせに 24bit/192kHzを再生できました。(全個体ではありませんが少なくともPLLフィルタのコンデンサーを交換すれば全部の個体が再生できそうです。)

音質を確認してもやっぱり 192kHzが再生できない ジッターが少ないモードの方が好み?なような気がします。(後で確認したら 192kHzも再生出来ていて・・・ちゃんと設定できていたのかが謎でした。そもそもCS8416ではない得体の知れないICという事もありますが(笑))

もう少し、ちゃんと調べようとするとどうにもICや部品類が邪魔です。部品の下を配線が這いまわっているからです。何個かDACを犠牲にして調査を進めてみました。

↓ リセットを司るRCの周辺 壊す前

↓ 壊したあと

↓ DACとLDOの引き剝がし後

↓ 旧基板のIC剥がす前

↓ 新基板のIC剥がした後

新基板と旧基板で配線の取り回しが違うのですが、基本は同じことが分かりますですね。調査の結果を1枚の絵にしてみました。自分のためのメモでもあります。

ジッターを減らす PDUR=1という設定にするには 20番のTXピンをプルアップすれば良いです。しかし普通に 47kΩの抵抗で VLに引っ張ってもうまくいきません。データシートを読み解くと、なんとTXピンだけは例外的にICの中に47kΩが要るのだそうで直接VLを入れたら良いみたい。それでも上手くいきません。

調べてみると TXは(TXに限りませんが)出力端子の役目があって、今回のDACの配線状態ではSPDIF信号がパススルー出力されてしまいます。RXP0の信号がパススルーされるからです。
これを防ぐには 12番13番ピンの設定を変更して入力の無いRXP1~RXP3のうちのどれかを指定してやらないといけません。
しかしそれら 12番13番はICの裏からもICの外からも、GNDに全部落とされているので変更が困難です。(下の写真では基板をガリガリ削ってGND接続を切った後の状態です)

ここだけに限らないですが、プルアップしている端子が 出力端子でもある場合は それが電源を揺さぶります。信号を電源に入れているようなものですから・・・。※実際には47kΩの抵抗越しの揺さぶりなので殆んど無視できるでしょうが気持ちは悪い。
その為か、データシートでは、「独立したアナログ電源はRMCKがジッターに敏感な場合のときだけ必要です。そうでないときはVAとVDはフェライトビーズを介して接続します。」というような事が書かれていました。

今回とりあげましたDACは、フェライトビーズが省略されて VAとVDが直接接続されています。先程紹介した調査結果の図を再掲しますがDAIのICの下にあるT字の赤い配線がそれ。左がVD、右側がVA。下の方からLDOが生成した3.3V(Vcc)が供給されます。

とはいうものの、1bitではないのでそれなりにジッター耐性はあるというかNOS-DACのようにジッターに鈍感なので余り拘っても結果はついて来ない可能性が高いです。

こんな感じで、Datasheetと睨めっこしていると色々な事が見えてきます。千円にも満たないDACですが色々な事が体験できました。

で、今回またこのDACを引っ張り出してきたのは
NOS-DACに改造しようという?思いから。

I2S信号は簡単に取り出しできるので、後は TDA1543と接続するのみかも? 幸い、NOSで有名な TDA1543 は、5V端電源でも駆動可能だったような・・・気がします。

千円握りしめて作るDACかも?
(出来たら恰好いいですが、TDA1543は最低でも600円するのでその時点で千円超えてしまいますね(自爆))

長くなったのでこの辺です切り上げます。
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コメント ※編集/削除は管理者のみ

  1. nightwish_daisukiさん、こんにちは。

    日記の中味は、私には難しすぎてついていけませんが、冒頭の文章に共感するものがありレスしました。

    >いい音で音楽を聴きたい。単純な欲望。(ポエム)

    きっかけは同じだなと思いました。

    >変わっていないのは安い機器を弄り倒すという信念?です。

    自分の場合は、「部屋を弄り倒すという信念」かなと
    きっかけは、オーディオ回帰したころに、機器を安いものから3倍3倍の価格でグレードアップしていったのですが、「大して変わらない」と思いました。逆に悪くなった経験もありましたね。

    それよりも、セッティングや部屋を弄った方が音への効果は大きいと感じました。
    それ以来、やっていることはセッティングと部屋弄りばかりです。

    • ヒジヤンさん コメントありがとうございます

      セッティング術は色々あってなかなか数値化や理論の体系化が難しいですよね。
      ある程度?図示できる私のような趣味工作なら楽なんですが・・・。
      ヒジヤンさんの熱い議論や取り組みの話題には入っていけませんが、内容は楽しく読ませてもらっています(^^。

      楽しいついでに、gyabeau「ぎゃぼ」氏による貝塚社長の襲来劇を紹介します。
      (紹介は初めてではないので既にご存知かも)
      こういうストレートな日記も好物です(^^。
      → https://gyabeau.exblog.jp/25315354/
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