スピーカー・セッティング(その5:トリノフ3)

日記・雑記
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前回まで、最近実施したスピーカー(SP)セッティングの様子をダラダラと書いてきました。SPケーブルの交換を機に、それまで聴感だけで決めていたSPと聴取位置をシミュレーションと測定で追い込もうというものでしたが、結果的にこれまでのポジショニングと大して変わらないものに落ち着きました。

Trinnov ST2 HiFi (以下ST2)で測定・最適化を実施しその知見を得るものの、普段使いではこれをパスするという意図でセッティングを詰めましたので、普段はST2は使用していません。ただ、ST2はテープ・モニター・スイッチ一つで挿入出来るので、日々、気が向いた時に(SPや聴取位置固定して、純粋に電気的に)調整を進めています。今回はST2での補正の一端を紹介します。

まず、前回までの検討で固めたSP位置、聴取位置、バイ・アンプのレベルでルーム・アコースティックを測定します。測定後、ST2は強度の異なる5つの最適化パラメータを自動的に作成します。
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写真は、iPad Proのスクリーンショットで「周波数特性」です。最初のが一番弱い最適化(Comfort)、次のが一番強い最適化(Monitoring)です。
グラフは、上から現状(測定値)、最適化後(予想値)、適用フィルターです。
強い最適化では相当細かく補正が入っているのが分かります。
同様の補正が「位相」「群遅延」「インパルス応答」でも適用されます。

これは「位相特性」です。
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800D3は350Hzと4KHzがクロスオーバーで、二次のフィルターが効いているのが分かります。
これら5つの最適化結果が、補正作業の基準になります。

私は、一番強いMonitoringを「位相が最も合った音は?周波数特性がフラットだとどうかな?」というような時々の確認用に使用し、2番目(Precision) と3番目 (Neutral) に強いものをベースに補正作業を進めています。

Neutralをベースとした補正では、周波数のターゲット・カーブを高域を自然に減衰させた値としています。
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ウチは平行法設置なので、低域を持ち上げた「3つ山カーブ」だと低域が過大になるようです。
低域や最高域が完全にフラットになっていないのは、補正量の制限幅を以下のように決めているからです。
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この制限幅を広げるともっとフラットに近付けることは一応可能です。

一方、Precisionをベースとした補正では、200Hz以下の低域だけに限った補正としています。
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200Hzから上のフィルターがフラットで補正を入れていないことが分かります。
カットオフを150Hzから350Hzまで試しましたが、ウチでは200Hzが丁度良いです。

それぞれの最適化結果に対して、様々な修正を施すことが可能で、例えば
「周波数特性+位相」、「周波数特性のみ」、「低域のみ」、「左右スピーカーの特性重視」の選択肢があります。「左右スピーカーの特性重視」を選択すると、SPの基本特性を尊重して左右のバランスをとることに絞った最適化となります。
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こちらも上手く使えば良いものになると思います。

尚、製品には日本語マニュアル(印刷物)が付属しますが、普段はiPadに入れた電子版(英語のみ)を使用しており、この日記の日本語訳は私の独断訳です。ステラ社の訳と整合していない点をご了承下さい。

今回の一連の「スピーカー・セッティング」は以上です。長い間お付き合いありがとうございました。

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