続:左右のスピーカーの音って、揃ってますか?

日記・雑記
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少し前のAuro3Dさんの日記「スピーカーの音って、揃ってますか?」に触発されて書きました。42ものレス(最近では突出して多いわけではありませんが...)が賑わい、幾つかの興味深いレスもありました(途中で話題があさっての方向に飛んでいってしまいましたが...苦笑)。Auro3Dさん、勝手に続編もどきを作成して申し訳ございません。

SPの調整に於けるポイントを私なりに整理すると:

* レベル(音圧)
* 周波数特性
* 位相

で、これらはSP単体の特性と、部屋やリスナーも関係した実使用時の特性を揃えることがともに重要です。便宜的にこれらを「基本項目の調整」と呼ぶことにします。群遅延やインパルス応答等、より専門的な項目はここでは無視します。

市販のSPを使用する限りは、一部の機種を除いてユーザーがSP単体で基本項目を調整できる幅は限られていますから、実使用時の特性を揃える作業は、「SPのセッティング」、「ルーム・アコースティックの調整」、「DSP等による電気的な補正」等々に頼ることとなります。

ちなみに私の調整過程は、

テープメジャーやレーザー距離計を使用して、普段のリスニング・ポジションを前提に
① SPの設置場所、内振り、仰角等を調整、
② Trinnovで測定・最適化(最適化を適用するかはその後の判断)
③ テストCDでの基本項目のチェック
を行います。
[:image1:]
②③の結果次第ではルームアコースティックの対策をします。これで一応、上述の「基本項目の調整」が済みます。

以前はこれで完了していました。勿論、SPの足回りにインシュレーターを入れたりといったチューニングは断続的に行っていましたが、それは「音作り」の作業と考えます。

例の如く前口上が長くなりました。私がここで話題にするのは、上述の基本項目の調整を一通り済ませた後の最後の微調整の部分で、具体的には、以下のような作業のことです。

『慣れた音源を聴きながら左右のSPを1ミリから2ミリ、場合によってはコンマ何ミリほど動かします。うまく調整できれば、微妙に滲んでいた音像のピントが合い、ボーカルものでは歌手の姿が鮮明になり、音場の裾野が広がります。またサービス・エリアが広がり、厳密にセンターに座らなくても音像が安定します。』

これには以下のような幾つかのディスクレーマーがあります。

*何センチ、何十センチ単位の位置調整は基本項目の調整や音場の幅や深さを決定する大切なプロセスで、ミリ単位の調整ではそれらは解決できない。

*家具や部屋の構造から左右がアンバランスで音像がセンターに定位しない場合でも、ミリ単位の調整により音像を(左右に偏ったままで)安定させることも可能。

*私が知るのは2チャンネル・ステレオ音源で、マルチ・チャンネル音源でどう作用するかは不明。

このような調整は、経験されたことが無い方にはどういうものか理解に苦しむことと思います。私自身、40年以上もオーディオを趣味としていますが、ミリ単位のSP調整の重要性を実感したのはここ数年のことです。

このコミュに参加して最初にオフ会にお邪魔したのはベルウッド邸で、ベルウッドさんの肌理細かいSPのセッティングに驚きました。そこでHarubaruさんに初めてお目にかかりました。その後、しばらくしてGRF邸に伺い、ミリ単位、あるいはコンマ・ミリ単位の調整を見て(聴いて)驚愕した訳です。

最初は思い込みかと思いましたが、GRFさんが各所で同様の調整をされるのを体験して、今では実際に音が変わると断言できます。ただ、一体、何がどう作用してあれだけ音が変わるのかサッパリ分かりません。おそらく測定しても有意な差は見られないと思います。

「左右の音を揃える」ことは、リスニング・ポイントで左右の基本項目を調整することが主たる作業となりますが、そこから先に2チャンネル・ステレオの深遠な楽しみと苦しみがあることを申し上げます。

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