フェーズメーション CM-1000 導入後1ヶ月経過

日記・雑記
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フェーズメーションのパッシブアッテネーターCM-1000を導入して、
ちょうど1ヶ月経ちました。

届いたばかりの時に第一報を入れていますが、そろそろ100時間ほど鳴らして
大分エージングが進んできたと思います。
第一報の後、僕の別ブログで少し取り上げましたが、今回はもう少し内容を
詳しく書こうと思います。

僕の拙い文章と駄耳での感想ですのでご容赦くださいね。

まず、導入の経緯から。

当時神奈川に住んでいた時のピュア系アンプは、AU-X1111MOS
VINTAGEの1台のみでした。

AU-X1111のプリ部を通した音は滑らかで力強く、なおかつ高域も
よく出て「濃い」音だと思います。ネット上での評判も良いようですので、
なかなかの実力機だと思われます。

ある日ふと思い立って、パワーアンプダイレクトに直結したら
どうなるんだろうと、試しにCDPをつないでみました。
(当時はPCオーディオ導入前)

すると、音質はそれこそ激変しました。
鮮明かつ高精細、さらに鮮烈な音です。
「こ、これはすごい!」と、しばらく直結で聴いていたのですが、
どうもあまりの鮮烈さに聴き疲れしてしまいました。
そして結局2日程度で元に戻してしまいました。
プリ部を通した特徴を残しつつ、より鮮明かつ鮮烈にしたのが
パワーアンプダイレクトなんですね。

その後しばらくしてフェーズテック(当時)の試聴会に参加する
機会があり、都合2回も行ってしまいました。

その時に聴いたのが、パッシブアッテネーターの初代モデルである
CM-1です。

2回目に行った時は、パワーアンプにMA-1を使用し、コントロールアンプは
CA-3Ⅱと、試作改良型と思われるCM-1Aとの比較になっていました。

その時に説明を受けた改良内容から、CM-1A≒CM-1000と思われます。

コントロールアンプのCA-3Ⅱ(定価577,500円)もかなり高いレベルで、
これで充分じゃんと思わせる音質でした。しかし比較してしまうと、
明らかに艶と滑らかさ、潤い感の点でCM-1Aがまさっており、さらに
聴き疲れもしなさそうでした。さらに、この2回目の時はパワーアンプに
MA-1という超弩級モデルを使用しており、その効果もあるのではないかと
思われます。

長くなりましたが、この製品をAU-X1111につなげば、パワーアンプ
ダイレクトの鮮烈さや聴き疲れが中和されてちょうど良くなるのでは
ないか、と考えたわけです。

さらに、今年10月に導入したパワーアンプB-2105MOS VINTAGEのFIXED
入力も、AU-X1111のパワーアンプダイレクトと同じような傾向が
ありました。(音量調整はfoobar2000のボリュームを注意深く使用)

こうして、導入を決心しました。

ちなみに、オーディオ店での試聴でアキュフェーズE-550、
試聴会でエソテリック、トライオードを聴いたことがありました。
E-550とクレモナMの組み合わせはとても魅力的でした(その場で
買いそうになったほど)し、トライオードの新型キット製品にも
感銘を受けました(色が赤黒の製品です)。
エソテリックとタンノイの組み合わせは、超解像度で鮮明だったのですが、
残念ながらちょっと高域がきつかったり鮮烈すぎて、僕には
合いませんでした。

フェーズメーションのパッシブアッテネーターには、「ハイブリッド・
パッシブ・アッテネーター」の名称が付いています。
「ハイブリッド」とは、オートトランスと抵抗を使用していることから
名付けられたようです。(と言っても僕は詳しく説明できません・笑)
[:image2:]
「コントロール・マイスター」の称号からも、その自信のほどが
うかがえます。

CM-1のカタログによると、「半導体などの増幅素子を一切使わず、
高品位音楽再生の理想とされる、高入力インピーダンス、
低出力インピーダンスを小音量からフルボリュームまで実現した」と
あります。
[:image1:]
これはフェーズメーションHPより引用しました。

出力インピーダンスの変動を抑えることで、「10m以上の長さの
RCAケーブルを使用しても高音域等の劣化は認められず、音量を絞っても
浸透力やキレの良さを保ち、音がやせることなく」音楽が楽しめる、
とのこと。

これをハイブリッドゲインコントロール回路(同社特許)と呼んでいます。
この回路は、コントロールアンプのCA-1とCA-3Ⅱにも採用されています。

そして、配線にはプリント基板を使わずに手配線で行い、三次元的な
部品配置を行っています。試聴会で中身を見せてもらいましたが、
芸術的でさえありました。
ちなみに、プリント基板を使用してコストダウンを図ったのがCM-3に
なります。(これも試聴会で聴きましたが驚きの音質です)

CM-1からの主な改良点は、トランスのコアサイズ変更(確か大型化したと
言っていました)と、シャーシを単なるアルミ材からさらに1.6mm厚
銅メッキ鋼板を重ねたことです。これにより、CM-1と比べて重量が1kg
増えて5kgになっています。小型の筐体ですが、持つとずっしりとした重みが
あります。

外観のディテールはこんな感じです。

[:image4:]
こちらが入力切替ノブ。材質はアルミ削り出しです。

[:image3:]
こちらがSP出力切り替え。新品ですが、少々ガリが出るのが難点。
構造的に仕方ないのかも。保証期間内に一応問合せするつもりです。
ボリュームはクリック感の良い操作感です。操作時にプチプチノイズが
出ることがあるのは仕様だと説明書に書いてありますが、僕の個体は
ノイズが出ることはありません。

ボリュームノブは左右独立しています。
先代モデルのCM-1は連動機構を採用しており、連動機構無しのモデルに
CM-1sがありました。
CM-1000は、連動機構は省略されています。ちょっと残念です。
(HPにはスリップクラッチ式連動機構云々と書いてありますが、
間違いと思われます)

[:image9:]
リアパネル。
さては、このシールを剥がすと先代モデルの名m(略

[:image8:]
インプット端子です。
シリアルナンバーによると、91万9台目!すごい超バカ売れ!(違
・・・これからたくさん売れるといいなあ。

[:image7:]
アウトプット端子。入出力端子はいずれもWBT社製でとても重厚感があります。
「DIRECT」というのは、セレクターを経由しない端子なのでより高音質が
望めますが、この端子を使う場合は他の端子には接続してはいけないので、
使い勝手の点から試していません。

[:image5:]
[:image6:]
フロントパネルはアルミ材削り出しで8ミリ厚、天板は5ミリ厚です。
天板は上から蓋をする形状をしており、角の部分はなかなか迫力のある
面取りが施されています。

外観も非常に良い仕上げで、所有欲も満足できるつくりだと思います。

音質のほうはというと、最初の音出しをした瞬間は、「あれ?しまった
かな?」でした。(笑)

ですが、2時間ほどするとだんだん今までより「音の質」のランクが
上がったように感じ始めました。

設置する上で失敗したかなと思ったのは、RCAケーブルです。
今回の導入に合わせてアクロリンクの新品のものを購入し、接続しました。
しかし、最初は他の接続に使っていたような安いものを使用して、
ある程度CM-1000のエージングが済んだところでアクロリンクに換える
べきでした。
機器もケーブルも新品なので、エージングによる変化がどっちの影響
なのかがわからなくなってしまったのがミスですね。

現段階でわかったこと・変化を感じたことなどを箇条書きで挙げて
みます。
ちなみに、この1ヶ月間は、SPの位置に変更無く聴いています。
コンター1.1の内振り角度は約10度と言ったところです。

<B-2105~コンター1.1>(B-2105とUSB-DACを直結だった時との比較)
・透明感・空気感が改善された。非常に気持ちいい。
・ドラムスやパーカッションの細かい音の分離。
 重量感の改善。こちらへ迫ってくるよう。
・バスドラムが鳴るときの音の分離がわかり易くなった。
・シンバル・ハイハットの微妙な振動の描き分け。
・高域の伸び。聴き込むほどに増してきた。
・今までのシステムでは起こらなかった、ボーカルの人の姿が見え隠れ
 する。これはSPのセッティングにもよると思うので、引き続き詰める。
・鮮烈さと聴き疲れの無さが両立している。同時に艶と深みのようなものが
 加わった。
・ソースの質はハッキリ描き分ける。音質の良くない盤は好きな曲でも本当に
 つまらないが、優秀録音盤は聴いていて非常に楽しい。
・音の広がり方がよりクッキリしてきた。
・SPの位置よりも30~40センチほど手前で音が鳴っている。迫力がある。
・CM-1000の導入前、コンター1.1の再セッティング時に、ステージが現れる
 感覚があったが、その感覚はあまり変わっていない。
・音像の上下の高さはあまり出ていない。なので、上で書いた見え隠れする
 ボーカルは座った状態。
・下のほうに書いた試聴リストの中の、Basia「It’s That Girl Again」の
 1枚のみ、少々耳に刺さる感じが気になる。
・前後の奥行き感も出る。

<AU-X1111~SX-V1>(メインSPだった時との比較)
・SX-V1はコンター1.1よりも現状で約39センチ内側かつ約37センチ奥に
 設置してあるが、音の出てくる位置が、SX-V1とコンター1.1の間の空間~
 コンター1.1の位置から出てきている感覚がする。
・充実した中音域。元々コンター1.1のほうが中音域は良く前に出てきて
 いたが、導入後はSX-V1も遜色なくなった。

あと、両方の系統に共通して「音量を上げ気味になった」ことが挙げられます。
音量を上げてもうるさくないんですよね。
まあ、音量を上げられない時間帯は仕方なく絞っていますが。(^^;

エージングが進行することによる音質の変化についてですが、通電(電源は
ありませんが・笑)からしばらくは順調に良い傾向が続いていました。
しかしちょうど2週間経過後、急にとげとげしく、高域が耳に突くような
音質傾向に変化しました。
一抹の不安を覚えながらエージングを続けていましたが、翌日にはこの傾向は
消えていましたので、ホッとしました。
また、1ヶ月経過目前という27日目に、広がり感が一段上がったように思えます。

音質的に見ても、製品の製品の質感的に見ても、現状では導入は成功、と
言えると思います。音楽をこれまで以上に楽しめるようになりました。

試聴会で経験した、「声楽隊が目の前に現れる」現象は、CM-1000と
最上級機MA-1の組み合わせでした。僕のシステムではパワーアンプは
中級機ではあるものの、ボーカルが見え隠れする状態にはなって来ています。
まだまだ伸びしろはあると信じ、これからもセッティングを詰めていきます。

ところで、システム上の課題としてまず真っ先に思い浮かぶのは
USB-DACで、SB-DM-PHDは実売7500円程度の超入門機です。
音の上流にあたるものを将来変更すれば、さらに良くなるだろうと
確信しています。

それから、オーディオショップで試聴した際に店員さんに尋ねた時
「SP(SX-V1)も買い替えには及ばないが、あえて言うならアンプに対して
少し弱い」という返答を参考にすると、将来は上位のものに換えるべきだと
思われます。(多分その時はSX-V1は処分せずに「追加」する形になると
思います(^^;)

が、まずはセッティングでできるところまで頑張る所存です。

主な試聴アルバム(全てCDをリッピング、アルファベット順)

AUDIO BASIC誌付録 「2011冬 ジャズの似合う街」2011
Basia 「Clear Horizon The Best of Basia」1998
    「It’s That Girl Again」2009HQCD
Benjamin Orr 「The Lace」1986
Boy Meets Girl 「Boy Meets Girl」1985
        「New Dream」1990
Craig Chaquico 「Acoustic Highway」1999
Danny Wilson 「Meet Danny Wilson」1987
Donald Fagen 「The Nightfly」1982(2006再発)
Donna Lewis 「Now in a Minute」1996
       「Blue Planet」1998
Dragon 「Bondi Road」1989
Eric Woolfson 「That Never Was」2009
Fra Lippo Lippi 「Light And Shade」1987
Fruitcake 「Fruitecake]1983(2010リマスター)
      「Fruitecake 2」1984(2010リマスター)
      「Fruitecake 3 Summer Reminiscence」1986(2010リマスター)
Gabriel Meyer 「What Happened」2010
Jennifer Warnes 「The Hunter」1992(2008 24K GOLD)
Johnny Hates Jazz 「Turn Back The Clock」1988(2008リマスター)
Level 42 「The First Album」1981(2000リマスター)
     「The Early Tapes」1982(2000リマスター)
     「The Persuite of Accidents」1982(2000リマスター)
Manhattan Jazz Quintet 「Manhattan Jazz Quintet」1984(2004再発)
Martin Page 「In The House of Stone & Light」1994
       「In The Temple of The Muse」2007
       「A Temper of Peace」2012
Moumoon 「15 Doors」2011
Paul Hardcastle 「Time for Love」1993
         「Hardcastle 5」2008
Propaganda 「1 2 3 4」1990
Robbie Dupree 「Time and Tide」2008
Samuel Purdey 「Musically Adrift」1999(2009リマスター)
Steely Dan 「The Royal Scam」1976(2011SHM-CD)
      「Two Against Nature」2000
Tom Braxton 「Imagine This」2007
Yello 「Flag」1988

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