前回の日記で第一報をお伝えしましたが、CDPを追加導入しました!
かなり古い中古品です。
1989年12月発売ですから、もう24年前の製品ですね。
某OFFで陳列されているのを発見し、1ヶ月以上買うかどうしようか
迷いに迷って、何度も見に行ってはまだ売れていないのを確認し(笑)、
先日も行ったらまだ置いてあったので、お金を下ろしてからもう一度行って
購入しました。
PCオーディオに移行している僕が、なぜ今になってCDPを?という疑問が
湧きます。
強いて理由を挙げれば、アキュフェーズのCDPを某OFFで見かけるのが
初めてだったこと、薄型筐体でラックにも余裕で入ること、調べてみたら
そこそこの定価のものだった(値札には定価は未記入でした)こと、
僕の聴く音楽ジャンルではSACDはほとんど出ていない&そのうちDSD対応の
USB-DACを導入したいのでプレーヤーはCDがかかれば良い、などがあります。
あと先日も書きましたが、アキュフェーズ社HPに、まだ修理可能という情報が
載っていたという理由もあります。
古い製品なだけに、検索しても取り上げているブログ等は1つぐらいしか
見つけられませんでしたので、正直言って導入は賭けでした。
購入に踏み切る前日に、岐阜の家でFM-fan誌を漁っていたところ、DP-11を
ダイナミックテストで取り上げていましたので持ってきました。
1990年No.11(これまた偶然ですね)に掲載されていたので一部引用してみます。
「11シリーズのセパレートアンプにデザインをそろえたCDプレイヤーであり、
まったく同じ内容、同じ価格でキャビネットだけが異なる(中略)DP-60も
出ている。」
「音は11シリーズとしてのトータルバランスを考えているというか、まろやかな
サウンドのアンプに対してスピード感のあるクールでシャープな音作りで、
音像の輪郭も小さく引き締まっている。」
とあります。
その「11シリーズ」のプリアンプC-11とパワーアンプP-11がこちらです。
1989年No.20より。
アキュフェーズの当時のラインナップとは異なる、薄型で優美なデザインです。
オーディオ、オーディオした機器としてではなく、部屋のインテリアとしても
考えられたラインナップのようです。
DP-11も非常に薄型で、高さは95ミリしかありません。
現行のDP-410は高さ151ミリですから相当薄いです。それでいて重さはDP-410と
カタログ値比較で300グラム軽いだけなので、見た目よりずっしり重いです。
DP-60は兄弟機のようなもので、DP-11発売から数ヶ月後に発売となりました。
外形はDP-11より2センチ高く、幅がウッドパネルの影響で3センチ広いです。
ちょうど、1990年No.11の別ページに、福田雅光氏の紹介文がありますので
せっかくなので引用してみます。
「このモデルのトーンキャラクターとしては、鮮明で締まりの効いた
ハイコントラストな音像、リズム感というタイプではなく、サウンドの骨格に
十分雰囲気をくるめ表現してくるような構成力がある。」
「従って、中域、高域がシャープで鋭く硬いという傾向はまず出ない。
マイルドで耳当たりのいい感触がある。繊細感は適度、さらっと拡散するよりも、
雰囲気にまとまりの出るのが特色だ。」
長岡鉄男氏も、DP-11の講評の中でDP-60を「ウッドの肌触りを思わせる
やや温かみとふくらみのあるサウンド」と言っています。
DP-11とDP-60は真逆のキャラクターを持っていると言えそうです。
それにしても、アキュフェーズ社のHPではこれら過去モデルのカタログが
見られるようになっているというのは、素晴らしいですね。
そして、駄耳ながら僕の印象を書いてみます。
最初に掛けたCDはJennifer Warnesの「The Hunter」です。
クリエイティブSB-DM-PHDと比較しながら聴いていきます。
1曲目、曲の始まりの細かいシンバル?の音なんですが、今まで埋もれていた
音が出て来たときは驚きましたね。
2曲目では、低域がかなり出ているなあ、と思いました。
次に掛けたのがDonna Lewisのセカンドアルバム「Blue Planet」です。
3曲目、ベースの低音がゴリゴリ出てきます。
これはすごい。
8曲目、曲の真ん中あたりで、アコースティックギターの旋律があるのですが、
このアコギにボーカルが絡みます。が、それは今までほんの一部しか
絡んでないと思っていました。
そうしたら、アコギの旋律が始まって早い段階からボーカルがささやいて
いることがわかり、新しい発見です。
(CD-α607でも確認しましたが、ああそうだったのねと再認識)
正直言って、普段は全然分析的に聴いてはいないのですが、今回もそれほど
身構えることもせずに聴いていてこんな結果になりました。
これらが前回の日記で書いた、「なんかスゴいぞ!?」です。(笑)
しかしながら、最初に聴いた2枚がこんな結果になったので調子に乗り、
他の盤はどうだろうと今度は身構えて他の盤も聴いてみたら、残念ながら
今まで通りにしか聴こえなかったものもあります。(笑)
1日目に聴いた中では、Craig Caquicoのアルバム「Acoustic Highway」、
Donald FagenのI.G.Yは違いがよくわかりませんでした。
3日目ぐらいまではこんな調子で聴いていました。
ここで、はたと気付いたのが、SB-M01です。
前に日記で書きましたが、今まで気付かなかった音に気付いたとか、
そういう方向性とは異なるスピーカーという事を思い出しました。
[:image7:]
それならばと、ビクターSX-V1でも聴いてみました。(パワーはAU-X1111)
このスピーカーも、そう分析的に聴く系のものではないのですが。
そうしてCraig Chaquicoの「Angel Tears」を聴いてみました。
(You Tubeで見当たらず、残念)
すると、音像がSB-DM-PHDの時よりも手前に出てきます。
迫力ある感じです。これがスピード感?
「Acoustic Highway」もそんな雰囲気で聴こえてきます。
Donna Lewisでは、湿度感もDP-11のほうがより感じるようです。
解像度もDP-11のほうが上ですね。また、SB-DM-PHDの音質は全体的に
軽めと言えると思います。
左右への広がり感はDP-11のほうが明らかに上のようです。
まあSB-DM-PHDの値段的にも当然と言えば当然でしょうか。(笑)
あとはDP-11のほうには艶というか、水がサラリと流れるような滑らかさが
あります。非常に心地いいです。
[:image6:]
CD-α607の電源ケーブルは、以前書いたSB-DM-PHDのレビューの後、
自作品(ムック本の付録)に代わっています。当時は両機種はほぼ同等と
書いています。
DP-11は本体から直出しですので交換不可です。
定格出力はDP-11が2.5V、CD-α607は2.0Vとなっています。
聴感上の音量差は・・・、うーん、DP-11のほうが音量が少し大きめ?
音調は、CD-α607のほうが少し柔らかめ?
やはりDP-11はクールという印象でしょうか。
Donna Lewis「Love Him」の冒頭部分、ボーカルの余韻はDP-11のほうが
出るようです。http://www.youtube.com/watch?v=l7POTmGoNjw
あと、音像の「迫ってくる感」と音場の広がりはDP-11のほうが
上回りますかね。
Jennifer Warnes「The Hunter」1曲目~3曲目を繰り返し試聴してみると、
CD-α607よりはベースの音、男性ボーカルの声が分厚く出てくるようです。
ですがその差というのも、何度も再生してみてようやくわかるかな、
という程度でした。僕の耳の性能の限界だと思います。(笑)
発売時期こそちょうど10年ほど違いますが、24ビットDAC搭載のCD-α607と
18ビットDAC搭載のDP-11。個人的には17万円の差があるとは考えにくいです。
音質的な優位はDP-11≧CD-α607>SB-DM-PHDとなったように思います。
差は極少、しかもそれは単なる好みの差でもあるかもしれません。
メーカーが違いますし、差が極少なんてことは無いとは思いますので、
話半分以下で読んでいただければ。(笑)
あとはスピーカーの能力の限界もあるのかもしれません。
値段では測れませんが、定価ベースで15万と10万のスピーカーですからね。
CD-α607との音質差がどうなのかを楽しみにしていたのですが、
僕の駄耳のせいで今のところこのような不甲斐ない感想になり悔しいです。
そうそう、書き忘れてました。
DP-11のトレイの動き、CDの読み取り、非常にスムーズで素早く、
小気味いいです。24年前に既にこのレベルですか!
外観の仕上げなど言うに及ばず。
これは工業製品として非常に良いものですね。
流石はアキュフェーズ。流石はメイドインジャパン。
今後、他の曲で差がもっとよくわかるものがあるかも知れません。
印象も変わるかも知れませんし。また何かあったら日記にしようと
思います。
現状では音質が気に入らないことも無く、アフターサービスも
まだ大丈夫なため、長く使えそうなCDPになりそうです。
思いつくまま書いていたらこんなに長くなってしまいました。
長文をお読みいただき、ありがとうございました。
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