都心を冷たい季節風が吹き荒れた7日日曜日の午後、JR錦糸町駅近くに見えるこの塔は何だ?
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これは2011年冬に完成を予定している東京スカイツリーだ。
完成すれば634メートルの高さを誇る塔も今はこのとおりの建設途中でも289メートルあるというから、この倍以上の高さになる勘定だ。
今日の演奏会場は、ここすみだトリフォニーホール。
東京都墨田区が中核的な文化施設として建設し、現在は新日本フィルハーモニー交響楽団がフランチャイズとしている。
すみだトリフォニーホールには沢山の芸術作品も展示されているが、大ホールのエントランスには日本を代表する彫刻家、船越桂の作品「水のソナタ」が静かに佇んでいる。
今日の公演は、フライハイト交響楽団の第28回定期演奏会。
都内の学生オケ出身者を中心に1996年に結成され、年2回の演奏会を行っている。
指揮者に森口真司氏を迎えた演目は先ず、ベートーヴェン作曲交響曲第4番変ロ長調op60、休憩を挟んでVc独奏に中木健二氏、Va独奏に小峰航一氏を迎え、リヒャルト・シュトラウス作曲交響詩「ドン・キホーテ」op35という意欲的なプログラムだ。
大ホールはシューボックス形式で、立派なパイプオルガンも据付けられたホールである。
小生が座ったは1階18列19番という、ほぼホールの中央の位置で、ここからステージを見るとやや離れた印象にある。
席から横を見上げると壁面にも客席がステージに向かって伸びているのがわかる。
さて、今日の演奏はどうだったかというと、指揮者の森口真司氏は最初のベートーベンをタクトなしで振ったのだが、曲の構成がきっちり組み立てられたベートーベンの交響曲を見事にドライブしてみせてくれた。
指揮棒が無いだけに、オケは指揮者の身振り手振りから発せられるメッセージを見落とすまいとして、その結果指揮者の意図が十二分に引き出され、推進力溢れる名演奏を聴かせてくれた。
アンサンブルの響きは欧州大陸のオケのような重厚なサウンドではないが、疾風のように草原を駆け抜ける駿馬のような軽やかな躍動感ある演奏で、聴いているうちに心が前へ前へと走り出す心地よい緊張感に満たされていった。
主旋律と対旋律とが互いに引き合うベートーベン独特の響きがホール一杯に広がるこの感覚は、とても心地よいものだった。
これだけの緊張感と推進力を感じさせるベートーベンの4番は、ライブの臨場感がもたらすのか、カルロス・クライバーが1982年ミュンヘンでの演奏会でバイエルン国立管弦楽団を指揮した歴史的名演以来に思える。
休憩をはさんだメインには、リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・キホーテ」。
Vc独奏の中木健二氏が「ドン・キホーテ」を、Va独奏の小峰航一氏が「サンチョ・パンサ」を、それぞれの主題を変奏しながら、お馴染みの物語が進行していく。
ベートーベンよりも余裕のなさを垣間見せる場面もあったが、オケもこの難曲を最後まで破綻することなく、指揮棒にくらいついていた。
独奏の2人は共に素晴しい演奏で、演奏終了後には万雷の拍手で何度もステージに呼び戻されるほどであった。
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