昨日に引き続き、日曜日の今日もミューザ川崎に出かけた。
今日は、今年28回目のコンサートになる。
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7月25日から8月15日にかけてミューザ川崎シンフォニーホールで開催されるフェスタサマーミューザ2010では、22日間の開催期間中に17回ものコンサートが開かれ、首都圏にある9つのプロオケの他に音楽大学の学生オケによる演奏会も開かれている。
小生はそのうち3回このコンサートに足を運んだことになるが、プロオケでもS席3千円、A席2千円とリーズナブルなため、ほとんどのコンサートが満席に近い盛況となっている。
プログラムも全ての演奏会が掲載された共通のポケットブック形式になっており、コンサートチケットを持っていけば優待を受けられる多数の協賛飲食店情報も掲載されているなど、このフェスタを何回でもとことん楽しいんで貰いたいというホスピタリティに溢れたものになっているのも嬉しい。
7月25日の東京交響楽団オープニングコンサートでは1階最前列の席、昨日の洗足学園音楽大学では最上の階4階席で、そして今日の日本フィルハーモニー交響楽団ではステージ後方のパイプオルガン席でと、ステージをグルッと取り囲むワインヤード形式ならではの席のチョイスの楽しみもある。
P席から昨日座った4階席を見上げるとあんな高いところの席だったかと思う。
演奏会に先立ち、本日指揮をする日本生まれのシズオ・Z・クワハラ氏のプレトークと主席弦楽器奏者によるラフマニノフの弦楽四重奏曲などが披露され、フェスタならではの気軽にクラシックに親しんで欲しいという企画が嬉しい。
今日の演目はソプラノ独唱に安井陽子を迎えて、ラフマニノフ:「ヴォカリーズ」、日本フィルの主席クラリネット奏者の伊藤寛隆によるコープランド:クラリネット協奏曲、そしてメインはラフマニノフ:交響曲第3番イ短調という意欲的なプログラムだ。
シズオ・Z・クワハラ氏は、インタビューの時とはうってかわり、真剣な射るような眼差しで奏者それぞれとアイコンタクトをとりながら意思疎通を図っているのがP席からだとよくわかる。
ヴォカリーズのメロデイは憂いに満ち満ちて、メランコリックなソプラノに思わず胸が締め付けられるような深い感動を覚えた。
2曲目に演奏されたコープランドのクラリネット協奏曲はオケの中にピアノやハープも入ったややJAZZの要素を取り入れたクラリネットの奏法が特徴的で、見事に吹ききった伊藤氏には万雷の拍手が贈られていた。
最後のラフマニノフの交響曲第3番は長身の体一杯に使った情熱的な指揮ぶりで、リズムやテンポが急変するこれらの難曲を見事に制御しきっていた。
P席で座った席が丁度ティンパニと大太鼓やシンバル奏者の真上だったため、打ち鳴らされる度にびっくりするほど大きな音で弦楽器の音がかき消されてしまう場面もあったが、それ以外は後方から聴いているハンディはほとんど感じなかったので、指揮者の指揮ぶりとアイコンタクトを間近に見る事のできるこの席はコストパフォーマンスの高い席だと思う。
演奏が終わると満席の聴衆からは、シズオ・Z・クワハラという素晴しい才能を持った日本人指揮者に盛大な拍手が鳴り止まず、何度も何度もステージに呼び出されるほど。
幸福な気持ちで会場を後にした。
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