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都響スペシャル横浜公演・休日の午後 名曲の大海原へ・・・

日記・雑記
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11月3日は文化の日で休日。
横浜みなとみらい地区にあるクイーンズスクエアには、早くも大きなクリスマスツリーが。
これは、スワロフスキーの協賛によるクリスタルガラスのツリーだ。
歩いていると警官の姿がやけに多く、しかも熊本県警とか沖縄県警など地方から来た若い警官ばかり。
どうもこれは来週11月7日から開催されるAPECの警備のようだ。
ブログの方もご覧ください。

今日は今年44回目のコンサート。
東京都交響楽団の横浜公演、「休日の午後 名曲の大海原へ・・・」と銘打たれた、横浜みなとみらいホールで開催された、都響スペシャル横浜公演である。

本日の公演は、指揮者にアゼルバイジャン共和国生まれのドミトリー・シトコヴェツキー氏、ピアノ独奏にフランス生まれのジャン=フィリップ・コラール氏を迎えたフランスとロシアの名曲演奏会。
当日券狙いで13時の発売時間前15分にホールに着くと、そこには既に10人ほどの列が・・・
幸いにも小生は一番安いP席狙いだったので、ほぼ狙い通りのピアノ鍵盤が見えるステージ左手側に座ることができた。

曲目は先ず、ベルリオーズ作曲:「ローマの謝肉祭」序曲Op.9、続いてサン=サーンス作曲:ピアノ協奏曲第2番 ト短調Op.22、休憩をはさんでリムスキー=コルサコフ作曲:交響組曲「シェヘラザード」Op.35。

ここみなとみらいホールはシューボックス型にP席が数少ないが設置されていて、ここからだと指揮者の姿がよく見えるし、今日はピアノ協奏曲もあるので、後方のB席よりもC席価格のP席の方が断然音も良いと思う。

最初の演奏、ベルリオーズの「ローマの謝肉祭」序曲は、ベルリオーズの作品の中でも演奏機会も多く、お祭り気分を盛り上げる人気曲である。
都響のサウンドは、聴く機会の多い東京交響楽団と比べると、弦楽の音に厚みや重厚さがあり、芯の一本通った力強いサウンドをきかせてくれる。
テンポはやや速め、一瞬たりとも瞬きを許さないほど緩急を効かせた演奏で一気に最後まで駆け抜ける爽快感溢れる演奏だった。
弦の配置は左翼から1stVn、2ndVn、Vc、Va、Dbというオーソドックスなもので、P席側から聞くためもあるだろうが、Vaパートの音量が大きくてよく聞こえる。
管楽器群、特に金管楽器は巧く、力強く煌びやかな音色で華やかである。
指揮者のシトコヴェツキー氏は、緩急自在のタクトさばきと的確な指示が素晴しく、テンポのアップダウンで指揮棒の動きを使い分けているのもよくわかる。
プログラムを読むと、世界中の数多くのオーケストラを指揮しているようなので、客演指揮の機会が多い指揮者だからこそこれだけ明快でわかり易い指揮ぶりになったのだろうか?

2曲目のサン=サーンスのピアノ協奏曲では、長身で銀髪のコラール氏が大きな手で速いパッセージが連続するこの曲を捻じ伏せるように弾いていく。
生演奏でこの曲を聴くのは初めてだったが、とにかくオケは伴奏に徹してピアニストをひたすら立て続けるような曲で、ピアノ独奏部分が多く占めるこの曲の構成は、どこかショパンのピアノ協奏曲にも似たところがある。
徹頭徹尾ピアノが主役のこの曲を力強くホール一杯に響き渡らせたコラール氏の演奏が終わると、万雷の拍手とブラボー!の連続。
アンコールを期待するステージコールには応えてくれなかったが、それを期待する拍手が鳴り止まぬほどであった。

休憩をはさんだメインのシェヘラザードは、アラビアンナイトの物語千夜一夜物語を題材にした交響組曲。
海を題材にした曲想がふんだんに使われていて、全楽章を通してスルタンを表す主題と妃「シェヘラザード」を表すヴァイオリンソロの旋律が形を変えて出てくる。
指揮者はその出身からロシア民族音楽の流れを良く理解しているのだろう。
その指揮ぶりは、1部のフランスものに比べると明らかに水を得た魚のように活き活きと自在にテンポを変え、緩急をつけた指揮でオケをドライブしていく。
弦楽器群の厚みのある重厚なサウンドが、この曲のような異国情緒ある楽曲にはぴったりはまり、弦楽器、管楽器の各パートトップの聞かせどころとなる独奏部を、うねるように特長あるメロデイラインと妖艶な音色で聴衆の気持ちをグッと惹きつけていた。
やや残念だったのは、独奏バイオリンを弾いたコンサートマスターの調子が今ひとつだったようで、聴かせどころのサビが効いたピロートークの声がやや上ずっていたところか。
これは当のコンマス氏もよく判っていたとみえて、ソロ部分を弾き終わる度に天を仰ぐ様が何度も。
ただこれは、この曲を良く聴き込んでいる人なら判る程度のことで、指揮者も最後には良くやったとコンマスと握手する際には、団員からも暖かい拍手が贈られていた。

終楽章の演奏が終わると、開場からは万雷の拍手が沸き起こり、指揮者は各トップを立ててその演奏を讃えていた。
鳴り止まぬ拍手に応えてアンコールは、ハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」からワルツが演奏されてお開きになった。

文化の日に相応しい、充実した演奏会に満足して開場を後にした。

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