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オーケストラ・ダヴァーイ第5回演奏会

日記・雑記
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8月最後の日曜は、残暑も和らぎ過ごしやすい日中だった。
近くの公園では早くもツクツクホウシの鳴き声も聞こえて来る。
そんな中、JR錦糸町前から東京スカイツリーを横目に見ながらすみだトリフォニーホールに出かけた。

今日は今年18回目のコンサートで、ロシアが好きな人が集まって主にロシア圏の音楽の演奏を中心に活動しているというユニークな
オーケストラ・ダヴァーイの第5回演奏会。
今日の演奏会も、在日ロシア連邦大使館とロシア連邦文化協力庁が後援している。
全席自由で1000円の入場料からか、小生が開演の30分前に行くと、入場を待つ聴衆の列がこのとおり。

小生はいつものように前列から5列目の真ん中の席を確保した。
すみだトリフォニーホールのステージは奥行きがあるので、オケはステージの奥に配置されたようになるため、これだけ前方の席でも距離を感じる。
また、シューボックス形式のホールの中でも天井方向からの響きを感じやすい場所でもある。

今日の演奏は、指揮者に、先日もトリフォニーホールの演奏会で振っていた森口真司氏を迎え、1曲目にフレンニコフ: 交響曲第3番作品22、2曲目にマリンバ独奏の山本勲氏を迎えて伊福部昭: オーケストラとマリンバのための「ラウダ・コンチェルタータ」、休憩を挟んだメインはリムスキー=コルサコフ:交響組曲 「シェヘラザード」というもの。
伊福部昭は日本が生んだ名作映画「ゴジラ」の音楽が余りに有名だが、このマリンバ協奏曲も伊福部昭氏の代表作。

オケの配置は、左翼から1stVn、2ndVn、Va、Vcと配置され、右奥にホルンを配置している。
トリフォニーでは左奥にホルンを配置すると壁面の反響を利用してベルが正面を向いた金管楽器のような明瞭な響きになるが、右奥だと向う正面で反響して円やかな木管の響きになる。
フレンニコフの交響曲は、ソビエト時代のプロパガンダ音楽を聴いているかのような、高揚感とエネルギーに満ちた音楽で始まった。
オケの響きは重厚で分厚く、埋没しがちなヴィオラでさえ存在感がある。
木管楽器ソロは優美で哀愁に満ちた甘い響きを聴かせ、金管は燦然と輝くブラスを響かせ、パーカッション群はリズムを打ち付ける。
まるで往年のレニングラードフィルハーモニーのようなロシア的大地の響きである。

指揮者の森口氏は、小生の聴いたはアマオケを振った演奏会では「外れなし」の指揮者であるが、今日の演奏もオケの能力を十二分に引き出しているようだ。
2曲目のラウダ・コンチェルタータでは、大型のマリンバがステージ前に据えられその大きさに驚くが、アマオケの打楽器奏者から好きが嵩じて、サラリーマンからマリンバ奏者に転じたという異色の経歴を持つ山本勲氏が、マレット4本を自在に操り、この難曲に挑む姿に釘付けになる。
ゴジラを髣髴とさせる延々と続く弦楽器のザッザッザッ・・・・・という刻みが繰り返されていく。
マリンバを前に踊るがごとくマレットを叩きつける姿は、春の祭典の踊りを見ているかのようで、太古の原始信仰のエネルギーに、何故か岡本太郎の「芸術は爆発だ」という言葉が頭に浮かんだ。
演奏が終了した瞬間に万雷の拍手が沸き起こり鳴り止まず、4度もステージに呼び出されたほど。

休憩でクールダウンした後に演奏されたシェヘラザードは、前半のプログラムで聴かせてくれたエネルギッシュな演奏は相変わらず、その上でヴァイオリンソロをはじめ、チェロや管楽器トップの卓越した演奏技術が素晴しい演奏だった。
指揮者の意のままに緩急自在。
オーケストラが一つの楽器となって分厚い響きを放射する圧倒的な演奏の前には、もう少しコンミスのソロパートが官能的な響きだったら・・・・・などという贅沢な望みは捨てよう。
演奏された3曲がそれぞれ特長ある曲だが、それをここまで完成度の高い演奏に仕上げた森口氏の指導にも賛辞を贈りたい。

この日記はブログでも。

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