藝大オペラ第57回定期公演「コジ・ファン・トゥッテ」

日記・雑記
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今日から10月。
午前中仕事をしてから上野公園に向かう。
東京国立博物館の重要文化財となっている黒門を左に進むと東京藝術大学のキャンパスがある。
古びた赤レンガの入り口にはこれまた古びた木製の門が付いているが、その先には立派な奏楽堂が見える。
今日は今年20回目のコンサート、藝大オペラの第57回定期公演で、演目は、ダ・ポンテの台本を基にモーツァルトが作曲「コジ・ファン・トゥッテ(女はいつもこうしたもの」だ。

全席指定だが順番に配布される当日券の発売を待つ列に並んだが、運良く招待券の当日発売回りで、1階席の20列15番という声楽関係と思われる招待客の一群の中という好?座席を受け取ることができた。

奏楽堂内は撮影厳禁となっており、「見つけた場合は写真データを削除させたうえでホールから追い出します!」と、学校らしい指導口調の警告文が貼ってあり、内部の写真はWebサイトからの転載である。

指揮:高関健、演出:直井 研二、出演は東京藝術大学大学院音楽研究科オペラ専攻生、東京藝術大学音楽学部オペラ研究部、管弦楽:藝大フィルハーモニア、合唱:東京藝術大学音楽学部声楽科学生、舞台美術や照明も含め、東京藝術大学の総力を挙げたと思われ、流石にオペラは総合舞台芸術であると実感できる。
舞台両袖には電光掲示板による字幕がセットされている。

舞台装飾は6枚の大きな可動式パネルの片側にナポリの海岸風景を描き、裏面にはイタリア貴族の館内部を描いただけで、あとは椅子やスツールなど小物家具を配置しただけのいたってシンプルなもの。
しかも舞台が暗転する度に、出演者でもある合唱団員がパネル配置をてきぱきと動かしたり、家具をセットしたり片付けたりするので、その舞台装置の転換も見どころの一つであった。

さて、モーツァルトの華麗な音楽に乗って展開するコミカルな恋愛ドラマ仕立てのオペラだが、主な配役は、貴族姉妹の姉・フィオルディリージ役に竹下裕美、妹・ドラベッラ役に加藤のぞみ、フィオルディリージの恋人で士官・グリエルモ役に杉浦隆大、ドラベッラの恋人で士官・フェランド役に金山京介、貴族館のこま使い・デスピーナ役に平尾悠、哲学者・ドン・アルフォンソ役に萩原潤。
明日の公演は全く違う配役でやるそうなので、流石に芸大オペラは授業の一環という側面がよくわかる。

姉妹それぞれに士官(軍人)の恋人が居て、哲学者とこま使いという組み合わせから、コジ・ファン・トゥッテには美しく聞かせどころの2重唱やアリアが沢山散りばめられていて、とても楽しめるものであった。
オーケストラピットに陣取った管弦楽を担当する藝大フィルハーモニアの演奏も大変素晴しく、高関健氏の指揮も舞台上の歌手達にとてもわかり易いものだったと思う。

全2幕のオペラを通して、全く飽きさせることなく観客を魅了した藝大オペラ。
フィナーレのカーテンコールではブラヴオーの掛け声こそなかったが、出演者達に暖かい拍手が贈られていたのが、とても印象に残る。
彼女ら、彼らの中からきっと時代に名前を残すような名オペラ歌手が育ってくれるといいな。
そう思えるフレッシュなオペラ体験であった。

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