横浜フィルハーモニー管弦楽団第64回定期演奏会

日記・雑記
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12月に入って日に日に冬らしくなってきて、蔦の紅葉ももう僅かになった。

近所の中学校の生垣の椿も冬らしく花を咲かせている。
そんなのどかな日曜日の昼下がり、横浜みなとみらいホールにやってきた。
ブログの方もご覧ください。

今日は記念すべき今年52回目のコンサート。
今年の初めに30回はコンサートに行きたいと願っていたが、幸いにも毎回毎回素晴しいコンサートに巡り合い、ついに1年間52週、毎週1回の勘定でコンサートに行くことが叶った。

今日の演奏会は、横浜フィルハーモニー管弦楽団の第64回定期演奏会である。
横浜フィルハーモニー管弦楽団は、1977年の秋に発足以来今年で創立33年を迎えるアマチュアオーケストラで、団員は80数名を数える立派な演奏団体である。
全席指定の当日券狙いなので良い席が残っているか心配だったが、52回目のコンサートということで幸運の女神も微笑んでくれたのか知らないが、1階7列20番という前より中央やや右という申し分ない席を確保することができた。

今日のプログラムはマーラーの交響曲第2番「復活」という大曲1曲のみ。
指揮者にウィーン在住で大阪交響楽団正指揮者の寺岡清高氏を迎え、ソプラノに山田英津子氏、アルトに栗林朋子氏、そして合唱にソニー・フィルハーモニック合唱団パイオニア合唱団みなとみらい昼どき合唱団東京アカデミッシェカペレという大規模な編成である。

来年はマーラー没後100年の記念の年でもあり、また合唱つきという年の瀬を締めくくるに相応しい壮麗な演目でもあり、この大曲をアマチュアオケがどのように表現してくれるのか期待していた。
ステージ一杯に配置されたオーケストラ、そしてパイプオルガン席に居並ぶ混成4部合唱団。
指揮者の両脇にはソプラノ、・アルト2名のソリスト席が用意されている。

開演10分前頃になると団員が続々とステージに現われて、楽譜のおさらいを始めだした。
これだけの長大な大曲になると、アマチュアでは弦楽器も管楽器も体力勝負とばかりに賛助出演も含めると100位は優に超えて、一般のホールより幅広いみなとみらいのステージも狭く感じるほどだ。

チューニングを終えたオケの前に、小柄だが精悍な寺岡氏が颯爽と現われた。
タクトを持ち、いよいよ全5楽章からなる壮大な交響曲の演奏が始まった。
第1楽章:アレグロ・マエストーソ・まじめで荘厳な表現で一貫して
第1楽章は緊張感溢れる主題が弦楽器によって重々しく奏せられ、管楽器がそれに重なりあっていく。
横フィルの響きはいい意味でアマチュアでは珍しいほど多彩な色彩を感じさせるものだ。
第1楽章が終わり、第2楽章が始まる前にステージの照明が照度を落とし、薄暗いなかで団員が瞑想しているように見える。

第2楽章:アンダンテ・モデラート・きわめてくつろいで、急がずに
優美な3拍子の美しく物憂げな調べが耳に心地よく響く。
まるで夢の中を漂うかのようだ。

第3楽章:スケルツォ・静かに流れるような動きで
第4楽章:「根源の光」
第5楽章:スケルツォのテンポで・荒野を進むように

チューニングをやり直した後の後半3楽章は連続して演奏された。
4楽章ではアルト独唱の栗林氏がステージに現われ、合唱をバックに歌曲「根源の光」を厳かに歌い上げる。
ステージ袖の舞台裏から奏せられるホルンやトランペットのファンファーレにコンサートマスターによるバイオリンソロが独唱に絡み合う。
4楽章を終えた頃で演奏開始からちょうど1時間が経過したが、とてもそんなに長い時間が経過したと感じさせない充実した密度の濃い演奏が続いている。
5楽章に入りソプラノ独唱の山田氏も加わり、力強い合唱の歌声がステージ上方に響き渡る。
ステージ脇の舞台裏から聞こえる打楽器も交えた金管バンドがステージ上の演奏とうまくかみあって素晴しい表現を見せてくれる。
マーラーではパーカッションによる多彩な響きが魅力だが、今日の演奏でも、ティンパニ2、シンバル、タムタム、大太鼓、ドラ、小太鼓、鐘、トライアングル、鉄琴など数多くが活躍して聴衆を飽きさせない。

第5楽章は「復活」をテーマに第1楽章の死から地獄を表現する、暗く重くおどろおどろしい曲調が延々と提示されるが、延々と続く短調のあとに合唱が「復活」を荘厳に歌いはじめると調性も一転して長調になり、管弦楽も復活と勝利の歌に呼応していくと、最後にはパイプオルガンも加わって壮麗な響きがホールを満たす。
合唱団員は誰もが満足に満ちた輝く表情で高らかに歌い、オーケストラ奏者も心なしか笑みを浮かべている。
ホールを満たす勝利の響き。
これこそ「復活」の醍醐味であり、それをホールに居る全員が共有しているという一体感、幸福感には言葉はいらない。

最後の1音がホールに吸い込まれ消えていった瞬間に深い感動が残った。

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