さてPro-Ject [Essential II]の音質の印象です。
このプレーヤーについては
ザ・ステレオ屋の黒江さんのレビュー
www.digitalside.net/?p=826
がとても参考になるので、適宜引用させてもらいながら
私のインプレを述べていきます。
まず第一印象は、音抜けがいいということでした。
盤質のよいレコードだと特に高音の伸びが感じられ
アナログ再生にありがちなモコモコ感は少な目の印象。
このプレーヤーを選んだ理由のひとつに
このあたりのレコードとの相性がよさそうという見立てがありました。
高音がやわらかく伸びる
ヴァレリー・カーターやローラ・アランのような
70年代の西海岸の歌姫のレコードは好印象。
黒江さんも「第一印象は『ストレート』、非常に癖がなく、明快・軽快なサウンド」
「S/N感も良好で、無駄・ムラの無いすっきりとした“クリア系”」
と述べられているのは、私のこうした印象と重なるような気がします。
ということは、こういうレコードなんかもいい感じになります。
ジェイムス・テイラーやクリス・モンタンのような
ソフトでややハイトーンな男声ヴォーカルもいいんです。
ジャズですと、こういったところはよかったな~。
オスカー・ピーターソンがジョビンの『WAVE』のような
クールなオーケストラをバックにしたものとか
ロジャー・ゲランが軽快に
メッセンジャーズで有名なナンバーを演奏をする
こういうアルバムなどは、このプレーヤーにぴったり!
70年代のロックもこういうのは好印象。
軽快だけどどこかへんてこなポップ感がある
スティーリー・ダンの1stとか
都会的なにおいがあるグレッグ・オールマンのブルーズとかも
よかったです。
最後に意外なところで、この2枚もけっこうイケてました。。。
ボブ・マーリーのこのライブをこのクリアトーンで聞いてみると
意外に逆に生々しいのです。。。
またイアン・デューリーのこのアルバムも
スピード感がでていてグッドでした。
良い印象ばかり述べてきましたが
実はこのプレーヤーはフォノイコとの組み合わせも大切な気がしました。
黒江さんも同様のことを指摘されています。
ずばり言っちゃうと、このプレーヤーの音抜けのよさは
高音がキンキンしてしまうキケンと隣りあわせであるように思われました。
つまりフォノイコの選択を誤ると
高音が目立ちすぎてしまうのでは。。。と思ったのです。
その一例として、私の場合をご紹介します。
合研LABのGK03Asというフォノイコを新調したのは
前回の記事で申し上げましたが、
その裏技として+6dBへの切り替えが紹介されているのです。
その設定を選択すると
音のつぶだちが断然良くなって、音楽全体の迫力もでてくるのですが
反面、高音がキンキンしてしまう印象がありました。。。
それを緩和するため、
それまでフォノイコとして使っていたミキサーをはさんで
トレブルをすこし絞るという設定に私は現在しています。
こうすることで少し解像感は後退しますが
全体の音のバランスがとれて、聞きやすくなったというのが
私の印象です。
最後になりましたが
このPro-Ject [Essential II]というプレーヤー
“よりアナログらしいアナログサウンド”とはいえない
と黒江さんもおっしゃってますが
たしかに濃厚な音はしません。。。
でも「音の質感やダイナミックレンジなどに代表される
アナログならではのサウンド感というものはしっかりと出せている」
という黒江さんのレビューは的確だと思います。
やはりそこが最大の魅力で、
デジタル世代の若い人たちには入りやすい音作りですし、
「端麗」とまではいかないにしても
(どこかの発泡酒のコピーで恐縮ですが)
「淡麗」とならいってもさしつかえないところが
魅力のプレーヤーだと思います。
それにこれは直感ですが、
意外とこのプレーヤーの音って
オンリーワンなような気さえしてきています。
以上、長文になりましたが
Pro-Ject [Essential II]の印象でございました。
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