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デジタルアンプ比較レビュー

日記・雑記
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デジタルアンプ比較レビュー

現状の機材に行き着くまで色々と試行錯誤がありました。そこで今までに聞いたことがあるものをいくつかあげて見ます。デジタルアンプがメインです。
私自身は今使っているear502でかなり満足しています。店で色々音を聞く機会もありますが、今はアンプを買い換えるつもりは全くないです。これ以上のものはおそらくあるのでしょうが値段的に現実的ではなくなりそうです。

■Acoustic Reality ear502

このメーカーは以前に比べると有名になりましたが、まだまだ知らない方も多いと思います。デンマークのメーカーでB&OのICEPowerを使った製品や独特なスピーカなどを出しているメーカーです。

ちなみに所持品は同メーカーの現行品ではなく、かなりまえに一度だけラインナップに登場したことのあるモデルです。当時1250$ほどで、今に比べるとかなり安かったと思います。見た目は現行品のear202と同じ箱にICEpower500ASPが2つはいっているものです。

巷では1000Wモデルが好評ですが、わざわざ1000Wではなく500Wモデルを使用している理由は500Wのモジュールのほうが歪み率が低いからです。スペック上では500Wのほうがほとんどの素性が良いです。こちらにデータがありますので比較してみてください。
http://www.semiconductor-sanyo.jp/icepower/lineup.htm

このアンプは現在Nautilus803に接続して普段使用しています。

音ですが、初めて接続して音を出した瞬間から、それまで使用していたフライングモールDAD-M1とは別次元だと感じさせるに十分でした。特にフライングモールで弱かった奥行きやディテールが比較にならないくらい良く表現されていました。これはノイズやゆがみが少ないことと大きく関係があると思います。高域の明瞭さ、小音量時(音の減衰)の波形の忠実な再現などは特に奥行きと空気感に作用します。

また低音の質というか音がかなり変わりました。いままではスピーカがまともに鳴らせていなかったことを感じました。低音は量感は少なくあっさりした低音になったように聞こえますが、実は超低音まできれいに伸びて、こちらのほうが断然上かつ自然です。分離はこちらのほうが明らかに良いので、いままでは低音が特定の帯域に折りたたまれたような状態だったと気づきます。

これが本当の意味での制動力の差だと思い知らされました。結果として低域だけでなく全体のユニット間のつながりもよくなったように感じます。

解像度、駆動力、癖の無さ、すべてがいままで聴いた機種では最高でした。この価格にしては相当強力なのは間違いないと思います。購入当時の価格として実質14万円のパワーアンプとしては飛びぬけて優秀でしょうか。

欠点があるとすれば色付けをしている気配が全くないので、もちろんSPの相性や好みによってですがいわゆる濃い音やゆるやかな音を求める方には不向きと断言します。ただし荒い音ではないのでこの無色さを利用して使いこなし次第で自分好みの音に作り上げることは可能だと思います(プリ、DAC、ケーブル等の色づけによる)。

■Sharp SG40-Xo2

巷のレビューでは結構駆動力があるように書かれていますが、「低音の制動力」はほとんどないです。デジタルアンプはどれも低音があっさりしているので、まるで駆動力があるような音が出るだけだと思います。

このあたりスピーカによっては差がはっきりしないこともあると思いますが、803ではウーハーが重たいせいか、ほかの機種と比較するとかなりはっきりと分かるほどの違いがあります。

具体的に音の違いを書きますとSG40だと低音のアタック、リリースともに遅くなり、100-200Hz付近に音が集まったような感じになり、低音の量自体はかなり増えて聞こえます。また、ユニットのつながりも悪くなったように感じます。これは各ユニットの音が出るまでの時間差が関係しているように思えますが体感的なことなので厳密にこのような理由なのかは不明です。

解像度に関しては高いレベルで、発売時期を考えると、この機種が評判になったのもうなづくけます。減衰などもはっきりと聞こえますが、やや強調感があるせいか明瞭過ぎて自然では無いです。悪く言うとややコンプをかけたような平面的な音です。

高域については付属のプリアンプ部と組み合わせた場合とそうでない場合で大きく音が違います。パワーアンプ単体で駆動した場合にはやや歪みっぽくなります。しかし上に書いたような強調感がなくなり自然なイメージです。これがこのアンプ本来の音なのだと思います。

プリを通した場合には一変してきらびやかな音になります。きらきらとした若干の癖を感じます。これはオーディオ製品でよくあるような色付けだと思います。おそらく素性の荒さをごまかすためにこのような音作りをしているのだと思います。仕上がりとしては悪くない音色なので好みが合えばよいのではないかと思います。

一番の弱点は駆動力だと思いますのでその弱点が目立たないような軽いスピーカで鳴らす上であれば、ほとんど問題は感じないのだろうとおもいます。小型でも重いスピーカは厳しいかもしれません。

■Fringmole DAD-M1

このアンプはNautilus803で長い間使用していました。それまで使っていたアンプの中では制動力が高めだったことが理由です。ちょうど低音の雰囲気はear502とSG40の中間のような印象です。

しかし残念ながらこのアンプはその他の部分についてはそれほど優れている点はありませんでした。電源をつけた瞬間からスピーカからサーと聞こえるノイズもありますし(リスニングポイントでも十分聞こえるほどです)、高域は品質が荒くリバーブの減衰、楽器の減衰などは不鮮明で埋もれがちです。クラシックなどには全く向かないとおもいます。全体的にもやがかかったような音です。

特別な色づけは無いように感じますが、その荒さ自体がある意味アナログ機材っぽい色付けに感じる部分もあります。元気が良い楽曲や小編成、スピーカとの相性しだいでは選択肢になりうるかもしれません。

あとで測定値がでてきますが、このメーカーのアンプは総じて歪み率が高いです。特に低W時は0.1%を超える歪みが発生しているようです。これが上のような印象を感じさせる要因かもしれません。

■Panasonic SA-XR50

似たようなレビューで申し訳ないのですが、これも低音の制動力はないです。音の傾向は非常にSG40のプリ無しの状態と近い感じでした。100Wだから駆動力もあるのかと思いがちですが、そのような雰囲気は感じません。低域はゆるいです。このような経験から制動力とW数はあまり関係ないと思っています。

評判の解像度に関しては、減衰の音の消え際まではっきり聞こえるので高いとおもいます。この辺はフルデジタルさすがの部分かもしれません。データに含まれる情報はすべて出していると思いますが、その情報の品質自体は高いとは感じませんでした。特に高域はぱっと聞いた感じで量が多く出ますが荒い音質です。ジッターの多いデジタルデータのようなざらざらとした音です。

印象ですが機器自体の色づけはほとんど無いと思います。おそらく色付けや音決めのコストもかけていないということでしょうか。オーディオ製品としてはこういうストレートさは珍しいでしょう。こういう特徴に加え、値段が安い割に変な癖がなく埋もれない音なので人気があったのはわかります。

■Marantz SM-17SA v2

唯一のアナログアンプです。この機種は知人宅でear502とつなぎ変えて比較しました。スピーカはこの比較だけは小型のもの(型番不明)でした。なのでほかのものに比べて正確性は落ちることを考慮に入れて読んでください。

ear502と比較してしまうとぱっと聞き低音にかなりの差がありました。比較では特に低音の差が目立つのでこれはICEPowerの特徴かもしれません。SM-17SAでは量が多く、低音が伸びない感じ(上のほかのアンプの比較と同じ傾向だと思います)で、いかにも制動力不足と感じさせる音です。この点はear502がほとんどのアンプに対して優位な点だと思います。

高域はSM-17SAのほうが繊細できめ細かく感じました。SG40のようなきらきらした色づけもするのですが、細かさはこちらのほうが上でしょうか。滑らかに感じるのはSM-17SAの色付けなのか、アナログアンプ方式の優位な点かは不明ですが、実際にそう感じました。(デジタルアンプは高域が荒く感じるものが多い)もしかしたらスペック上は優秀に見えるICEPowerでも高域だけはアナログアンプのほうが忠実なのかもしれません。今後アナログアンプと直接比較する機会があれば注意したいところです。

その他全体の解像度はear502の圧勝です。SM-17SAでは音の奥行き、減衰などがはっきり聞こえない部分があり、特に中音、低音部でその差が顕著です。個人的な経験ではアナログアンプは総じて音の消え際が直線的ではなく、にごっているように感じています。

本当に高級なモデルではそうでもないのでしょうが、少なくとも同価格帯ではアナログアンプで良いと感じることはありません。

■アンプのデータ比較とスペックについて

スペックがすべてではありませんが、実際に聞いた限りでは音の違いにスペックの違いは現れていると感じます。世間の評価では色付けのなさ=良い評価でないことも多いですが、私のようにとことん無色かつ忠実であることを追求するスタイルならばスペックのよさは正しい判断なのではないか?と今のところでは推定しています。

それは経験として体感で最高音質だったICEPowerが実際にもスペックが優れていたからというのが大きいです。

ただしオーディオ的心地よさなどは数字では表せないのは事実なので、この記事でそういう要素を否定する意図はありません。単純に個人的好みが高スペック機種と適合していただけという見方も出来そうです。

音作りは人間的な芸術の要素も強いと思いますし、単なる電気的な技術の優位性=音の優位性だとは限りませんし。

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