しばらく前から奇妙な問題に悩んでいます。
それは、あるCDからリッピングした音源が、全体的にレベルが低いにも関わらず、強音部分で明らかに音が歪むというものです。問題のCDは日本のマイナーレーベルであるWoody Creekから1997年にリリースされた「Mr. Boujangle」。発売後すぐに購入してずっとCDで聴いていました。ファイル再生に軸足を移してからは真剣に聴いたことが無かったのですが、最近、久しぶりに聴いてみたくなりリッピング音源を聴いて問題に気付きました。
① 音源の問題
リッピング元のCDをCDプレーヤーで再生すると、全体的にレベルが正常で歪まず、音源は問題なし。CDから正常に再生出来たことで、アンプやSPも問題ないことが確認できた。
② リッピングの問題
リッピングの不調かと思い、dBpoweramp CD Ripper R16で再度リッピングしても結果は同じ。リッピング用のソフトをEACに変更しても変化なし。そもそもAccurateRipでビットパーフェクトの検証済み。
③ 再生プレーヤーの問題
以上はWindows Server 2022上のRoonからの再生なので、再生プレーヤーをWindows 11でのTunebrowserに変更。それでも結果は変わらず。リッピングを経由せずCDからWindows Media Playerで再生しても同様に歪む。
④ DACの問題
以上はDiretta 経由のMay DACでの再生。ここでDACをRAAT経由のTambaquiに変更。結果は変わらず。
⑤ リッピングデータの問題
CDプレーヤーとして使用しているOppo BDP-105D JPLはSPDIF出力があるので、これをDACに入力して聴く。予想に反して、他の実験例と同様、全体的にレベルが低く歪がある。
ここまでで、思い当たる検証はすべて行いました。CDプレーヤーからのアナログ出力以外は全てダメです。CDからの出力はEAR912のピークメーターが時々レッドゾーンに入るようなハイレベルですが、リッピング音源は全体的に非常にレベルが低いのです。にもかかわらず、歪音は、レベルオーバーによるクリッピングのようです。
試しにTunebrowserでDecodeレベルを12dB下げると歪感が無くなりました。実用的な音量にするためには元々のレベルが低いこともあり、CDプレーヤーから聴くより相当ボリューム位置を調整しないと十分な音量にはなりませんが、聴くに堪える音質を得ました。
今まで、CD再生とそれをリッピングしたファイル再生とでは、ファイル再生は再生の質で劣ってもデータの質では差が無いか逆に優れていると思っていましたが、今回の経験で混乱しています。皆さんはこのような経験をお持ちでしょうか?
コメント ※編集/削除は管理者のみ
のびーさん こんばんは
これは「インターサンプルオーバー」というやつではないですか?
(インターサンプルピークとも言う)
CDは約束事として0db以下で収録するようにルール化されていますが
一部のCDではピーク音量で+3dbとかオーバーしている物がある
その部分が「歪む」ということのようです
アニソンなんかの所謂、「海苔音源」と呼ばれるソースで録音レベル
が極端に大きいもので問題となっていると聞いたことがあります
対処法は再生する音楽ソフトの再生レベルを3~6db下げる
ご指摘のCDは所有していないのであくまでも想像です・・・
のびーさん こんにちは(^^
CDプレーヤーのアナログ出力が備えていて、リッピングしたデータの再生環境が持っていないものといえばde-emphasisの為のアナログフィルターですよね。※デジタルでやっちゃうのもあるらしいですが,※音声データwavにはエンファシス情報が無い(https://community.phileweb.com/mypage/entry/4253/20190220/)
自分はこの問題が嫌だったので遥か20年以上前は Padus社のDiscJugglerという奴でトラックというかCD丸ごとコピーしていました。(当時は車にCDチェンジャー載せるような時代でしたし)
それはさておき、モノは試しなので リッピングしたデータにde-emphasis処理をかけて再生してみるのを一つオススメします。やり方は色々ありますが・・・古典的な WaveSpectraで有名なefuさんが作った「Waveファイル用高精度ディエンファシスソフト」で処理して歪みが消えるかやってみましょう。efuさんのホームページは消滅してしまったので WebArchiveから
http://web.archive.org/web/20171105052121/http://efu.jp.net/
プリエンファシスが原因でなかった場合は、、、超低音が怪しいかもしれません。
下記のURLによれば・・・
https://www.soundwavemeiwa.com/CD/WOODYCREEK.html
———————————————————-
ご注意!
リミッターやコンプレッサー類を一切使わずにCDの持つ広大なダイナミックレンジをフルに生かしています。したがって一般のCDよりも音量が小さく感じられるかもしれません。またローカット・フィルターも使用していないため、膨大な低域情報が記録されていますので、不用意に音量を上げすぎますと、アンプの保護回路が働いたり、スピーカーを傷つける可能性があります。
———————————————————-
メーカー製のCDプレーヤーは普通はDCカットしているでしょうから超低音が出てこなくて、拘り抜いた自作DACは直流DCまでストレートに出力していて・・・それがどこかの 電源部のあっぷあっぷ招いて電圧低下 → 歪み・・・ という可能性です。
この場合、1μF程度のDCカップリングコンをDAC出力部に入れてどうなるか・・・で、それが原因かどうかの 確認ができるかもしれません。
いまのところ、考え付くのはここまででした。①プリエンファシス/②超低音。
.
「Waveファイル用高精度ディエンファシスソフト」をダウンロードして、幾つかのパラメータで試してみました。後述の通り、全然別の問題が原因だったので、改善は見られなかったのですが、良い勉強になりました。ありがとうございました。
のびーさん こんにちは。
プリエンファシスの問題ならiTunesでリッピングすれば解決するかもしれません。
皆さん、原因が分かりました。
プリアンプのバランス入力の不調が原因でした。全く筋違いの問題でした。お騒がせして申し訳ございませんでした。
EAR912はバランス入力が2基あり、それぞれMay DACとTambaqui DACを接続しています。そのバランス入力だけがおかしくなったのです。
ちょうど例のWoody CreekのCDを再生したタイミングで不調になったようです。それまで普通に聴けていたので、この音源だけが問題だと思って試行錯誤し、皆さんに助けを請いました。
アドバイスに基づき色々と思索しても理由が分からず途方に暮れて他の音源に切り替えたところ、録音レベルが高いものだと同様の歪音が出ました。これはデジタル再生環境に根本的な問題が発生したと思い、益々混迷したのですが、ふとした思い付きでMay DACとプリアンプをアンバランス接続すると問題は解決しました。今は、サブとして使用していたMark Levinson No.32Lと交代して正常に聴けています。
皆さんから貴重なアドバイスを頂戴しました。ご迷惑をおかけしましたが、お陰でコピーコントロールCDやディエンファシス、インターサンプルピークなどのことを勉強出来ました。アドバイスありがとうございました。