新規会員登録の際、X(旧Twitter)のフォローやメッセージをご確認頂けず、登録保留の方もいらっしゃいますので、Xへログイン頂きご確認をお願いします。

コンサート納めはチクチク – 音楽は調和

日記・雑記
日記・雑記
Sponsored Link

今年のコンサート納めは、トーキョーコンサーツ・ラボで開催された”String Quartet”でした。紗絵姫出演のクァルテットは、ヴィオラの杉田さんが発起人で知人が集まった自主企画とのことです。ヴァイオリンとヴィオラの3名が東京クウァルテットの原田幸一郎氏に師事した間柄とのことでした。

 

自主企画のコンサートは楽しいですが大変なことも諸々あります。ですが、聴きに行くのも、自分でやるのも自主企画のアットホームさが好きです。出演者がそれぞれの思いを語るのを聞くのも楽しみのひとつになりますね。

 

今回の会場は、トーキョーコンサーツ・ラボという早稲田にある体育館のような平土間の会場でした。駅からは近いのですが、細い路地の先にあるので少しわかり難くかったです。

座ったのは、第2ヴァイオリンの正面となるセンター通路右側 最前列のかぶりつきです。会場のスペースは広い場所で、100席限定なので贅沢に空間が使われていました。ちょうどウィーンのコンツェルトハウス:シューベルトホールと同じような空間ですが、シューベルトホールは目いっぱい詰め込んで366席ですから、一人当たりの空間の広さが伺えます。

 

コンサートの題名は”林悠介x丹羽紗絵x杉田恵理x佐山裕樹String Quartet”です。いかにも自主企画らしい題名と言いますか、参加メンバーに均等になるように配慮したのでしょうね。コンサートの中では、全員が語りをする場面が配慮されていました。

<出演>

林悠介:第1ヴァイオリン   丹羽紗絵:第2ヴァイオリン 杉田恵理 ヴィオラ 佐山裕樹 チェロ

<プログラム>

ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調

ルクレール:2つのヴァイオリンのためのソナタ OP.3 第1楽章

ルトスワフスキ:牧歌集~ヴィオラとチェロのための~ 抜粋

ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番ヘ長調作品96『アメリカ』

 

演奏は、ラヴェルの弦楽四重奏曲からでした。この曲は今回のコンサートに合わせて予習をしたのですが、ロマン派の暖かく親しみやすいメロディと現代曲のクールな新鮮さを併せ持つような曲で、これまで親しんで来た弦楽四重奏曲とは趣きが異なる感覚で、好きな曲のひとつとなりました。こうして好きな曲が一つずつ増えていくことも、コンサート通いのご利益のひとつです。

 

・第1楽章が始まって最初に感じたのは、「この会場は響きが少ない」ことでした。四人の演奏者の一人一人が奏でる音はよくわかるのですが、稽古場での練習を聴いているように感じます。

・第2楽章はピッツィカート主体な弾むような曲で、響きの少なさが逆にメリハリのよさに利いています。徐々に演奏ものって来た様子で、四つの奏でる音が、ひとつにまとまって来たように感じました。自分は第2楽章が好きなので、いい感じの盛り上がりと思いました。

・第3楽章では、演奏がまとまり、アルコ弾きも会場の響きと調和して来たように思います。

・そしてクライマックスの激しい第4楽章です。個々がかなり激しく弾きますので、最初はまた調和が崩れてしまうかのように感じましたが、姫の潤滑油としての働きもあり、取り直して激しいながらも調和した演奏となったように感じました。こうなってくると、聴く方も会場の響きが多いとか少ないとかの感覚はなくなり、音楽の中に浸っていたような気がします。演奏者同士が、会場も、そして聴くものも調和した結果と感じました。『音楽は調和』と改めて感じさせられた体験だったと思います。

 

続く、ルクレール:2つのヴァイオリンのためのソナタとルトスワフスキ:牧歌集は、ヴァイオリンの二人とヴィオラとチェロに分かれての小品の演奏です。ルクレールの冒頭では、また会場の響きの少なさが気になりましたが、すぐに音楽に浸れるようになりました。

 

ここで休憩です。喉が渇いたので、一度会場を出てから席に戻ったのですが、どうも後ろで話す声が気になります。「紗絵が・・・、紗絵が・・・」と話をされているのです。話の内容から、これは姫のお母さんだと思いました。気になり聞き耳を立てると、「紗絵のファンで、いつも1時間前に来てかぶりつきに座るおじさん」の話になります。高校を卒業してから渡米したと聞いているので、20年以上前の昔話ですね。自分のことではないとわかってはいたのですが、どうもチクチクとしました。

 

休憩後はドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番『アメリカ』です。この曲は最初からよかったです。第1部でクァルテットの調和も取れ、会場との調和も取れたということでしょうか。聴いている自分も最初から音楽に浸れていたような気がします。もしかすると、普段聴いている音源が、東京クァルテット盤の『アメリカ』であることも関係するのかもしれないですね。

 

終演後にコートハンガーの場所に行くと、姫が出て来ました。

ヒジ:「コンサート楽しかったです」

姫:「いつもありがとうございます」

ヒジ:「後に座っていたのは、お母さんですか?」

姫:「そうなんです」

ヒジ:「話し声が聞こえて・・・いつも1時間前に来てかぶりつきに座るおじさんの話をされていて・・・チクチクしました」

姫:「私、(ヒジのことは)話していないですよ」

ヒジ:「違うんです。昔話だと思います」

姫:「私はその人のことを知らないんですよね・・・、ブログか何かに書かれていたのかもしれないです」

ヒジ:「自分も今日の感想はまた書きますね」

と言って会場を出ました。

 

自主企画のコンサートはアットホームでいいですね。「音楽は調和」であることを改めて感じ、チクチクの刺激で結びとなったコンサート納めでした。

 

コメント ※編集/削除は管理者のみ

タイトルとURLをコピーしました