今年のTIAS(東京インターナショナルオーディオショウ)は、会場の東京国際フォーラムが秋に改修工事を予定しているため、真夏の開催となりました。Mt.T2さんが前日に回った様子からは、「とにかく暑い」「だから疲れる」との話です。加えて、OTOTEN2024にセミナー中心に回ったところ楽しかったので、今年のTIASは各ブースをグルグルと回らずに、狙いのブースで暑さをしのぎながら、じっくりと腰を据えることにしようと事前にMt.T2さんと整合させました。
狙いのブースは、良席を確保することを前提に、下記にターゲット絞っています。
①ノアブース ソナスファベールの新フラッグシップモデル「Suprema(シュプレーマ)」 1億7千万円(ペア)を聴くこと
②エレクトリブース 日本音響のルームチューニングが行われた場所で、MAGICO M7 8600万円(ペア)を傅さんの講演で聴くこと
③マランツブース 「STEREO SOUND特別講演:B&Wの最上位スピーカーである800シリーズは、なぜステレオサウンド試聴室に20年以上にわたってリファレンススピーカーとして採用され続けているのか?」の講演を聴くこと
④その他は時間や暑さに応じて、気になるブースを回る
ソナスファベールの「Suprema」を聴くためには、10時半にブース前で整理券を配布するので、この整理券をゲットすることが必要です。この整理券取得も競争で、いち早く並ぶ必要があるとのことでしたので、開場の40分前から入場口に並んだのですが、すでに30~40名くらいは並んでいました。
最初に向かったのはノアブースの整理券待ちです。同じ考えの人が沢山いたようで、開場と同時に向かったのですがすでに20名くらいの人が整理券待ちで並んでしました。その後も続々と整理券待ちの人があふれて来ましたので、通路を塞いでしまいそうです。ノアの人も、これはまずいと思ったのか、10時30分からの整理券配布は、10時5分くらいから始まりました。並ぶ時間が短縮されて助かります。14時40分からの整理券を取得して、整理番号は2番となりましたのでホクホクです。一番の狙いが、最高とも思える条件となりました。
整理券だけもらって立ち去るのも忍びなかったので、ノアブースの中をチラ見しましました。すると、新しいブックシェルフの「Concertino G4」が鳴らされています。ボーカル曲だと思いましたが、なかなかいい音で鳴っていました。後ろに見える大型スピーカーが、1億7000万円の「Suprema」 です。
その後は、同じ4階のアッカブースをチラ見します。その場では、「Vantageアクティブ」が鳴っていました。スピーカーへの入力は光信号で、各ユニットを内蔵するアンプでマルチ駆動しているとのことです。印象としては、これまで「カチッとした音のイメージ」があったYGアコースティックが柔らかめの音質で、鮮度の高さも感じませんでしたので、YGの音のイメージが変わる思いでした。
(Mt.T2さんは、ツイーターが新しくなったので音の傾向が変わった、と言われていました。そして、前日にはYGの裏話が沢山聞けたのだそうです。)
そして、2番目にお目当てのエレクトリブースに向かいました。11時からの傅さんの講演狙いでしたが、10時15分に到着した時には、すでに満席でした。仕方がなくサイドの部分で聴いていたのですが、左サイドよりも、右サイドの方が音がよかったです。輸入元の選曲で、MAGICO M7が鳴らされていて良い音と感じました。日本音響のルーム補正も効いているように思えます。しかし、このままだと傅さんの講演が終わるまで立ちっぱなしとなりそうで、オーディオショウ慣れしたMt.T2さんに促されて、この場は諦めることにしました。「お目当ては朝一のダッシュで一つだけ」こんな感想をもったTIAS2024です。
この流れで、同じ5階のフェーズメーションブースをチラ見すると、ソナスファベールの大型スピーカーが7Wの真空管アンプで鳴らされています。ボーカルは甘い感じでよく鳴っていると思いましたが、曲がオーケストラに変わると・・・、やはり7Wのアンプでソナスの大型でオーケストラを鳴らすのは無理がありますね。
同じ階で先に進むと、Mt.T2さんお好みのSOULNOTEブースに行きつきます。ココを無視して進んでは、この先なにかと難しくなりそうでしたのでチラ見モードに入りました。すると、もうすぐ11時からの講演がスタートするとのことでしたので、一旦外に出て開演を待ちます。再入場し座ったのは、4列目のセンターです。この席ならSOULNOTEの本領が味わえるだろうと思いました。スピーカーは、いつものYGアコースティックのHaileyですが、Mt.T2さんによると最新のアップデートをかけているのだそうです。デモ内容は、新製品のパワーアンプ「A-3 core」と光カートリッジ専用のフォノイコ「E-3」でした。音の印象は、以前は「バリバリ鳴らすタイプ」と思っていたのですが、今回は「柔らかめにもっさりな音」の傾向になったように感じます。相変わらずの加藤節のプレゼンは健在でした。
そして、お目当ての講演があるマランツブースへ向かいます。13時からの「STEREO SOUND特別講演」を聞く狙いでしたが、12時前でしたので、その前の「オーディオクエストのデモタイム」が始まりました。
内容はHDMIケーブルの聴き比べでした。この比較は面白く、オーディオ用ケーブルの再認識が持てた気がします。
①PS5の付属ケーブル(撚線)・・・音がざらつき、オーディオ用には不適と感じました。
②オーディオクエストで一番安いケーブル(銅単線)・・・急に音が滑らかになり、帯域バランスも自然に感じます。(8千円なら買うなと・・・)
③同社の0.5%銀コーティングしたケーブル(銅に銀コート)・・・急に音が脚色され、自然でなく違和感大(これは嫌い)
④同社の5%銀コーティングしたケーブル(銅に銀コート)・・・③に比べ脚色された感覚は同じだが自然さが出てきた(これも選ばない)
⑤同社の銀線のケーブル(銀単線)・・・音は脚色されているが、不自然さはない。悪くはないが好きではない(高すぎて選べない)
◆PS5の付属ケーブルはオーディオ用には使えないと感じたが、オーディオ用の一番安いものが好みでした。
そして、お目当ての講演です。
「STEREO SOUND特別講演:B&Wの最上位スピーカーである800シリーズは、なぜステレオサウンド試聴室に20年以上にわたってリファレンススピーカーとして採用され続けているのか?(黛元編集長)」
どんな内容か興味津々でしたが、内容はステサン試聴室のスピーカーの変遷の紹介と、黛さんが普段聴いている音源の紹介でした。お目当てにした甲斐が・・・・・
その後で昼食に向かったのですが、混んでいて、お目当ての「Suprema」 デモまでの時間もない。しかたがなくコンビニで買ったものを、東京国際フォーラムのベンチで食べました。
そして、一番のメインに置いていた「Supremaデモ」です。
整理券Noは2番です。1番の人が最前列のセンターに座りました。自分は2列目のセンターを確保しました。入場時は打ち込み系の派手な音源が鳴らされていました。ド迫力です。説明員の貴重でおごそかなものであるかの如くの解説に期待は膨らみます。そして、いよいよデモは始まりました。
ところが、「アレ?」
とっても普通と言いますか、この会場でも、もっと聴かせるブースは沢山あると言うのが感想です。1億7千万円のスピーカーに、総計1億円近いアンプでの駆動。でも、こんなものなんですね。
オーディオのサウンド=「機器」×「部屋」×「使いこなし(電源、振動、音響、セッティング)」であることをまじまじと体験させていただいた貴重な機会でした。
ただ、打ち込みの迫力はすごかったです。
暑いし、疲れたのでカフェで涼みながら話でもしましょう。と尽きることのない四方山話を1時間ほどして、Mt.T2さんと別れました。今回の経験からオーディオショウの認識がまた一歩進んだ気分です。
OTOTEN・・・セミナーを中心に回るのが面白い
TIAS ・・・会場を足しげく周り、こぼれ話など情報を集めるのがよさそう。逆に言えば、目玉のデモや講演は苦労して参加しても得るものは少ないかもしれないと感じました。
個人的感想の記録までです。
コメント ※編集/削除は管理者のみ
ヒジヤンさん、こんばんは。
グランドスラムです。
最終日のエレクトリのブースには、ヒジヤンさんもいらっしゃっていたんですね。私は前から5列目の真ん中に座っていました。エレクトリのブースの写真のさらに後ろ側ですね。お会いできず残念でした
実は2日目も12時からの傅さんの講演を聴くために10時半ごろにエレクトリのブースに行ったのですが、その時にはもうすでに満席で両サイドに立ち見ができるほどでした。最終日の11時からの傅さんの講演で良い位置で座って聴くために、朝の9時40分ぐらいに会場入り口に着いたのですが、その時にはもうすでに100人もの人が受け付け開始を待っていました。そのうちの9割はノアのブース目当てのようでした。
エレクトリのブースには、10時10分ぐらいに着いたのですが、それでも10人はすでに座っており、ちょうど私の友人が席を取ってくれていたのでなんとか座ることができました。友人に聞いたところ、9時過ぎには並んで待っていたそうです。それでも20番目ぐらいだったとのこと。
今回のショーでは、ソナス・ファベールのシュプリーマとマジコのM7とGIYAのM1の3つが目玉とされていましたから、開場前から並んでいた人が多かったのでしょうね。
ヒジヤンさんの感想にもあるように、ソナスは、あれ?と思った人が多かったようです。私も整理券をゲットして聴こうかと思いましたが、関係者の話を聞くうちに、別に聴かなくてもいいかと思い聴くのをあきらめました。まあ、ある種の顔見世興行という面もあり、1億5千万のSPを鳴らしているという話題作りにはいいのかもしれませんね(笑)ちなみに、ノアでは輸送費に500万円ほどかかったそうです!
さて、席を確保して聴いたマジコのM7ですが、さすがに音は素晴らしかったですね。今までのインターショーのエレクトリのブースで聴いた中では、最高の音質だったと思います。傅さんはどのブースでも同じ曲をかけてくれるので比較しやすいのですが、最終日に聴いた太陽のブースでのアバロンとは、同じ曲が鳴り出した瞬間に、ああこれはもうレベルが違うなあと感じました。大げさに言うと、低域の再生能力が2オクターブほど広がったように感じました。まあ、値段が8倍もするのですから違うのは当たり前ですが(笑)
GIYAのM1も聴きましたが、さすがにこちらも素晴らしかったですね。同じ曲での比較ではありませんでしたが、丁度センターポジションで聴くことができたので、オーケストラのティンパニーの位置が、左上のあそこから鳴っていると指させるほどの解像度でした。中国からの依頼があって作ったという話ですが、さすがローレンス・ディッキーさんが理詰めで作るとこうなるのかと感心させられました。
ちなみに、私はM7が一番好みでしたが、GIYAのSPを使っている友人はM1が一番好みと言っていましたし、ベリティオーディオのSPを使っている友人はアバロンが一番好みと言っていました。3者三様の感想でなかなか面白かったです。
最後のTIASに対するヒジヤンさんの感想は、まさしくそうですね。私も今回いろいろなブースを回りましたが、結局きちんと音を聴いたブースは数か所しかなく、その他は関係者や友人たちと話をしている時間が長かったように思います。
来年は10月17~19日にかけての開催だそうですので、また来年を楽しみにしております。
グランドスラムさん、コメントありがとうございます。
エレクトリのブースのセンターを確保されたのですね。Supremaデモがあれでしたので、自分が聴いた中では、このブースのM7が一番よく鳴っていた気がします。しかも、傅さんの講演でしっかりと聴けたなら一番ですね。
GIYAのM1は通りすがりに見えたのですが、音が出ていませんでしたので、早くカフェで休もうモードとなっていまして、通り過ぎてしまいました。今思うと、少しでも聴いておけばよかったなと。
グランドスラムさんは、顔も広いでしょうし、TIAS通でいらっしゃるので様々な楽しみ方が出来るんでしょうね。次回は例年通りの秋開催ということで、うだることもないでしょうし、タイミングが合いましたらお目にかかりたいものです。
第2の人生の方の様子も興味あります。
ヒジヤンさん、こんばんは。
TIAS、楽しそうですねぇ。
毎年、行きたい気持ちはありながらも行かれた方の日記を見て、行った気持ちになってます。
…実は、今年は遠征してました。
何年ぶりだったのか、記憶も定かではありませんが、前日に無理やりイベントをくっつけて、初日に行ってました。
やはり、参加企業数も持ち込み機器の数もこのイベントが多いです。
遠征にあたって、ヒジヤンさんに声をかけさせていただこうか、迷ってましたが、平日日程だったのと、私的な理由もあって最終的に遠征することを決めたのが三日前でしたので(汗)
そのうちに日記も書こうかなと考えております。
fukuさん、コメントありがとうございます。
TIAS2024に行かれたのですね。初日でしたか。
Mt.T2とも最初は初日に行ければと話していたのですが、大阪からの遠征予定から、共に行くのは最終日となりました。タイミングが合えばお会いしたかったです。
遠征は、秋の海外オーケストラシーズンとお聞きしていましたので、このタイミングに予定が合いましたら再会致しましょう。
fukuさん視点のTIAS記も楽しみにしています。