『DST-000P』と『R-2R-DAC基板』をつなぐI2S配線の見直しをしました。
DST-000Pとは?
の話からになります。
開発者の原田さんから譲り受けた『DST-00(試作機)』(だと思っていた物)を私はDAC筐体に組み込んでいるのですが、
じつはコレは「DST-00」ではなくて「DST-000(相当品)」だというのが最近分かりました。
原田さんとのメッセージのやりとりから判明。
DST-000が何者なのかはわからないのですが、DST-00じゃないことは分かったので、
今後は『DST-000P』と呼ぶことにします。
※PはプロトタイプのP
何が違うかというと、
DST-00およびDST-0は差動I2S出力(バランスI2S出力)
DST-000PはシングルエンドI2S出力
なのです。
DST-00およびDST-0はHDMIのケーブルを使ってI2S信号を遠隔伝送するためにノイズに強い差動(バランス伝送)になっているわけですね。
ちなみに、
DACの受けは「シングルエンドI2S」じゃないとダメなので、DAC側でバランスからシングルに変換する必要があります。
で、私が使っていDST-000Pはというと、
FPGAで作られた音声信号(シングルI2S)がそのまんまの出来たてホヤホヤの無垢な状態で直接DAC基板に接続(10㎝未満)されていることになります。
DAC基板も処理が単純なR-2R基板なので、受け入れたI2S信号を無処理、且つそのままのビットクロックタイミングでDA変換するだけです。
つまりはFPGAで作られたI2S信号が「完全無処理でアナログ信号に変換される」という、最短究極なのです。
『極短無濾過』です。
デジタル領域で全く手を付けないなんて鮮度抜群で理想的だ!
と思ったのもつかの間、
「半導体由来のスキューによるジッターがあるんだよね。」(原田さん)
との事・・・。
スキューとは
「いくつかの信号を同時出力した場合に、必ずしもドンピシャ同じタイミングで出力しないこと。」
信号間の時差、遅延だと私は理解しました。
DST-00およびDST-0は差動出力変換時にラッチする回路を組んでいるので、スキューによるジッターはないのだけど、DST-000のシングル出力には組んでいないとの事でした。
つまりはDST-000Pの音は完全無処理で鮮度抜群だが、ジッターが含まれる音だという事になります。
(なるのだと思います)
ジッターを含む音は正確ではないので、通常はジッターを絶対悪として補正処理しますが、果たしてどちらの音が「実際に聴いた時に良いと感じるのか」はケースバイケースじゃないかと思います。
レコードの音はジッター(的なもの)だらけじゃないでしょうか?
でも、「やっぱレコードがいいよね~」ってなることがよくありますよね。
おそらくそんな感じです。
電気的補正をかければかけるほど音は鮮度を失って死んでいく。。。
とは言え、無補正の不正確な音はちょっとねー。
というわけで
必要最低限のジッター補正で特性をある程度良くするのがベターなのでしょう。(と思う)
そうなるとDST-0に高性能10MHzを入れてやったシステムが王道であり、正解なのだろうなと想像します。
話を戻して私のDST-000Pの音はというと私が聴いている分にはジッター云々の影響を感じ取れません。(駄耳と言わないで)
鮮度が抜群です。
Yohineさんのディスクリートオペアンプに変えてから更に磨きがかかっています。
(発振気味ではありますが)
今更ジッターを減らす処理を付け加えることが出来ませんので、完全無処理の音を突き詰めていく道を歩みます!
こんなシステムは世の中に存在しないと思われますし、多少変な音でもそれはそれで個性的で面白いかなと受け止めています。
ここまでが長い前置きでした。
首題の
「DST-000P」と「R-2R-DAC基板」をつなぐI2S配線の見直しをしました。
に進みます。
シングルエンドのI2S信号は外来ノイズなどに非常に弱いので、配線はせいぜい10㎝までと言われています。
R-2RではI2S信号の中の下記4つを使います。
「BCLK:ビットクロック」そのまま音のタイミング
「LRCLK:エルアールクロック」左右のチャンネル信号の振り分けタイミング
「DATA:データ」音声データ
「GND」
この4本の信号線の中で「GND線」が音にかなり影響するらしいということを知りました。
GND線を通って各信号がリターンするので、このGNDをSG(シグナルグランド)と呼んだりします。
SGND配線を強化すれば、信号のリターンがスムーズになって音が良くなるかもしれないという事です。
市販されている電気工作に使う一般的なメッキ撚り線(細い)をI2S配線に使っているのですが、試しにSGND線を太い銅の撚り線に替えてみたところ、サシスセソに残っていたわずかな雑味が取れました。
これは良い方向に変化する手法だと感じましたので、思い切って0.5㎜厚の銅板で「DST-000PのGND」と「DACのGND」を短絡的に接続してやりました。
GND線の断面積で言えば、以前と比較して100倍?くらいになります。
その音はというと、とにかく雑味が減る方向で安定感というかどっしり感が増しました。
GNDの落とす場所の違いでも音が変わると思うのですが、基板を見た感じから信号の流れを予想してつなぐ場所を決めました。
この場所はハズレではなかったみたいです。
更に気を良くした私は残りのI2S配線もリニューアルしました。
普通の電気工作用の撚り線から銅の単線に変更。
クロックとデータ信号を送る配線なので太すぎるよりは細めの方が良いように思うので、0.4㎜単線を使用しました。
分厚い被服の配線は違うと思ったのでポリウレタン銅線。
単線効果か、音の芯が少し強くなりました。
曖昧さも薄れたように思います。
まあ、悪くなった感じはしないので見た目の美しさからもこの単線で決定です。
こんなちょっとした配線変更でもこだわりを持って製作していくと自作DACに更なる愛着が湧きますし、その出音にもプラシーボ効果増し増しでほれ込んでしまいます。
これが自作オーディオの醍醐味ですねー!
ライバルはDST-0と高性能10MHzのタッグです!
特性では完敗ですが、聴感で勝負だー。
という前向きな気持ちで楽しみます。
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CENYAさん こんにちは(^_^)
気休めになるかどうかわかりませんが、R-2RのNOSはPCMそのまんまなので元来ジッターの影響を受け難い特徴があります。その反面、世間に多いΔΣ(1bit)なICを使ったDACはPCMをSACDとおんなじDSDに変換しながら再生しているようなもの(間違っていたら御免)なので、クロックが、音質にダイレクトに影響します。文字で書くとイメージが伝わり難いので絵で紹介してみます。
画像引用元:https://www.phileweb.com/shop/super-audio-cd/whats-sacd.html
PCMは多少ジッターがあっても波形の体勢は変わりませんが、DSDは疎密なので、クロックの揺らぎがダイレクトにその疎密に効いてしまうイメージ。コレはあくまで自分の理解なので間違っていたらごめんなさい m(_ _;)m
nightwish _daisukiさん
こんばんは!
そうですか〜!
確かにPCMとDSDの大前提を忘れていました。
DSD方式って見るからに高性能クロックとジッター性能が音に直結しそうですね。
PCM派とDSD派ではどちらが多いのでしょうかね?
Diretta(DSTシリーズ)でネットワークをやられてる方々はDSD派が多いような印象を持っています。
そんな市場の関係で原田さんもジッターを気にされてるのかな〜。
過去に自分自身でDSDを聴いていましたが、いまいち好きになれませんでした。
なんかフワフワして実在感が薄くてベールがかかった様な感じで。。。
それはジッターとクロック精度が低かったからDSDの本領を発揮できていなかっただけ、という事のように思えてきました。
ともあれ私のDACはPCMしか受け付けないので、ジッター補正回路が無いことがかえって良い方向に作用していると思い込むことにします!
明るい気持ちになれました、ありがとうございます。
今日一日中聴き込んでみて、、、
GND配線は銅板じゃなくて写真の配線の方がバランスが良いと感じました
スピーカーのCENYAの内部配線に使われていたヨルマデザイン(らしい)のスピーカーケーブルです。
ボーカルの質感が銅板よりも自然
銅板は流石にやり過ぎだったみたいです