8月も残り少なくなってきた某日2025 August Tour が行われ以下のように各地を訪問しました。
各地の参加者の最初のお名前がその地のホストです。敬称は略させていただいています。
Day1 厚木 K&K Auro3D
Day1 伊豆 Auro3D myu K&K
Day2 八ヶ岳 Donguri Auro3D K&K
Day3 長岡 X1おやじ Auro3D Donguri K&K
Day4 長岡 X1おやじ Auro3D Donguri K&K
ここではこのツアーで感じたことについて書かせていただこうと思います。
でも、Day1厚木については省略です。Auro3Dさんがどこかで書いてくださるかもしれませんが…
Day1の夕方にAuro3Dさんの伊豆邸に移動しました。
私が最後にうかがってからの変更点はフロントのLCRiとサラウンドのLR、計5本のSonus Sonetto VIIIの底面のバスレフ孔にタオルを詰めてダンプしたこと。
下はAuro3Dさんのblogから借用したソナス底面のバスレフポートと詰めたタオルの写真です。
そしてさらにアースについての変更を行ったとのことです。
アースループを心配してAIや某アンプメーカーのHPの記述を参考にしてアースの接地などを変更したようですが…。
私もメールでアドバイスを求められましたが、Auro3Dさんは私のアドバイスにはあまり耳を貸さずにAIやHPの記述を重視されたみたい。
私のアドバイスはバランス接続ではアースループを気にする必要はなく多点接地でも問題ない。音やノイズが気になるならば自分の好みで好きにすればということだけだったのですが…。
この日はmyuさんも加わりました。
Auro3DさんはXLRのコネクターに追加して使うアースリフターという怪しげなアクセサリーを買い込んで変更の成果を私とmyuさんに聴いて欲しかったようなのです。
フロントセンターのTW駆動用のA-0アンプにそのアースリフターを使って、A-0のシャーシーGNDが他のアンプのGNDと電気的に絶縁され、電位がふらふらになりノイズまで出ているのを確認して私とmyuさんがダメだししました。
AIと某アンプメーカーのHPは罪深いです。基礎知識のない人が生半可な知識で参考にするとトンデモなことが起きる事例みたいです。別にAIやHPの記述が間違っているわけではないですが技術的知識のない人には誤解を与えるということです。
アースリフターは全部外してもらうようにしました。また使いたい時には自己責任で勝手にしてというしかありません。
この状態での音ですがバスレフ孔がダンプされて低域はすっきりしたようです。Auro3Dさんは床板が振動しなくなったと言われていました。
アリスサラオット、トリスターノのスキャンダルというアルバムのトラック1のサラオットが裸足の足で床板を踏み鳴らす音はしっかり滲みなく出ています。ただこれは私には前から特に悪くはなかったので大きく改善されたという印象はないのですが…
エリック・クラプトンのアンプラグドのギターの撥弦音もシャープで気持ちよく聴けます。
マルチchの原田英代さんの教会録音のチャイコフスキーのSeasonsのスタインウェイの高音の打鍵の美しさも気持ちいいです。
ただ、ウチの音に比べるとやはりソナス独特の温度感が感じられます。オリジナルのソナスの音とは既にかなり違ってきてはいますが、ソナスのDNAはまだ健在です。ただ、Auro3Dさんにとってはちょっとご自身の好みとは違う方向になっているようなのですが…(笑)
Day2は八ヶ岳へ。午後お宿へチェックイン後Donguri邸へ。
この日は異例の猛暑日。標高1000mを超えるDonguri邸にはエアコンがありません。普通は必要ないからです。でもこの日の厚さは異常で、Donguriさんも困っていたようです。音楽室のドアを開け扇風機で風を入れて対応。
さらに夕方には大雨とカミナリ。完全に山の天気でした。
それでもオーディオ・システムの方はうまく働いて…と言いたかったのですがどうもDirac Live の設定がうまくいかなかったようで多くの楽曲がうまく再生できないようでした。このお家は別荘で週末しか利用しないために設定に時間がかかるDirac Liveがうまく設定できない場合があるようです。
ただエリッククラプトンのアンプラグドのギターはDirac Liveの3.5KHz以下の補正をかけた状態でうまく再生できたようです。お使いのSPはB&Wの805D3ですが、特にハイ上がりに聞こえることもなく気持ちの良い音でした。
いろいろありましたが夕食は雨が弱くなったころ合いにベランダで。ベルディのレクイエムで合唱に参加される奥様も交えて音楽談議で盛り上がりました。
Day3は晴れ。長岡まで約300Kmの距離を走り無事X1おやじ邸到着。
夕食用の食材を買い込み後、試聴開始。
X1おやじ邸はシアタールームと音楽専用のステレオ部屋の2つの巨大なお部屋があります。
まずはシアタールームから…
夕食前はここで時間を過ごしたのですが、後で判明したのはセンターが鳴っていなかったこと。オフ会あるあるですがこれは翌朝再チャレンジすることになりました。
夕食後はステレオ部屋。
昨年新築直後に聴かせていただいた時には大型のフォーカルがあったのですが、今回はそれがなく以前からのXVと小型2wayのTORになっています。
いたずら好きのX1おやじさんが最初に鳴らしたのはTOR。でもそれは後から分かったことでみんな騙されて大きい方が鳴っているとばかり思ってました。
TORの鳴りっぷりは見事。あの大きな部屋で朗々とうたっているんですから大したものです。
その後は大きい方での試聴。昨年の完成直後の部屋とは全く印象が異なります。電源系を中心に整えられたとのことですがすごみのある静粛空間とでもいうのでしょうか?
Auro3Dさんがオーケストラの曲をリクエストされていましたが、マーラー5番の第4楽章、惑星の木星、シベリウスのバイオリンコンチェルトなど雄大な低弦のむしろ静かなパートに魅力を感じました。
ただ今回各所での比較用に使用したサラオットの床踏み鳴らし音はやや緩い感じを受けました。
最後に冒頭のTORで聴かせていただいたHiroko Williamsのマイ・ルームを大型システムで聴かせていただいたのですが、私の好みはTORでした。でもX1おやじさんを含むお三方の好みはXGの方だったので私の好みがエクセントリックなだけだったのかも。
Day4は前の日のリベンジということで再びシアタールームへ。センターSPから音が出ていることを確認した後(笑)、GATTI、RCOの牧神の午後の前奏曲と春の祭典をAuro-3Dで試聴。
このオーケストラの各楽器の空間的解像度はさすがです。コンセルトヘボウはシューボックス型のホールなので過去の録音ではどちらかというと濃密な音の印象を持っているのですが、これを聴くとむしろ開放的な響きにも聴こえます。
その他Auro-3D音源などを試聴して終了しました。X1おやじさんによるとシアタールームの方は電源系の整備がまだまだこれからとのこと。さらなる進化が予定されています。
楽しいツアーでした。Auro3Dさん、Donguriさん、X1おやじさん、ホストお疲れ様でした。皆様のホスピタリティーに感謝です。そしてmyuさん、Auro3Dの伊豆邸だけでしたがお会いできてよかったです。アースについての意見が一致してよかった。(笑)






コメント ※編集/削除は管理者のみ
K&Kさん:
ツアー後仕事が立て込んでモタモタしているうちに、先に書かれてしまいましたね(笑)。こういう「共同取材」ものは、後に書く方は先報とは違った視点を出すのが私が元いた業界の常識なので、これから書く記事のハードルが上がってしまいました(汗)。
Donguri邸とX1邸に関してはご本人からそれぞれレスがあると思うので、私からは拙宅にいらしていただたいたお礼がわりのコメントだけを。
ここのレス欄は写真が1枚添付できるようですので、お二人に測定器で拙宅の機器の電位を測定していただいていた時に撮ったものを添付しました(笑)。確かに、原理的・基礎的な体系的知識がないものが、ネット上に散乱している情報を寄せ集めて、それをさらにAI君に確認しただけ(AIも情報を寄せ集めているだけで、体系的な理解は全くしていないのに・・・)だと、時に「間違った結論を信じこんでしまう」というのは、実は私も学生レポートで最近よく目にすることです(まさか、自分も騙されるとは)。
最近、ネットワークオーディオの環境整備のおかげで俄然興味が出てきた電源・アース由来のノイズ問題は、いずれ頭を整理して再挑戦を試みた結果をもう一度「友の会」ブログで記事にしようと思っていますが、今回ご教示いただいた「XLRグランドリフター問題」については、<3芯電源ケーブルのアース部分と、XLRケーブルのグランド部分をすべてDisconnectすれば「アースループ」は防げる>と単純に理解して(そのような書き方をしているアンプメーカーのサイトがあるのは事実)、やってみたんですよね(笑)。
危うく、200Vの大地アースまで切ろうとして、K&Kさんに止められなかったら感電死していたかも
その後、この「グランドリフター」は、XLR-RCA変換部に有効?との情報を得て(笑)、性懲りも無く今度はトランスミッターに試してみようと思っています(何事も「実験・実証」が科学的態度であることはいうまでもないですが、オーディオはデータや理論でなく「感性」の趣味なので、自分の耳でのチェックが最終関門です!)
高域の改善をお感じいただいたとすれば、それは恐らくここ最近熱心に取り組んだネットワークオーディオの光を中心としたノイズ除去と電源強化の成果だと思います。「お客さん」が聞き分けられるかはともかく、この変化には私自身が一番驚いているからです。
Sonusらしさについては、チャンデバ化以降、どんどん「らしさ」が失われ、寝室用のAmator IIIとの音色の乖離が目立ってきているのは両方をいつでも聴き比べることができるオーナー自身が最も自覚していますが、K&KさんのようにむしろSonusとの距離感がある方の方が、ある意味客観的な判断ができるのかもしれませんね。
10月までは時間があるので、日々?(笑)、改善(改悪)に取り組んでいますので、また聴きにきてくださいな!
Auro3Dさん、
今回のツアーでは大変お世話になりました。ありがとうございました。
が、まだ懲りてないみたいですね。(笑)
>オーディオはデータや理論でなく「感性」の趣味なので、
エンジニアとしてかかわった経験上ではオーディオはデータや理論がベースだと思ってます。
もちろん最後は感性に頼る部分がありますが…
昔某ハイエンドオーディオ雑誌が珍しくSPの特性を独自で測定して公表したことがありましたが、その時皆がビックリしたのは感性で作ったと思われていたソナスの特性が極めてフラットで変なピークもなく優秀だったことです。感性だけじゃあんな特性は得られないのです。
Auro3Dさんのシステムが市販のSPのレベルでは到達できない域になってきているのはデータと理論に基づくアプローチをしているからです。
感性による暴走は控えた方がいいと思ってます。
でも、Auro3Dさんの暴走を見るのは楽しいからまぁいいか。(笑)
どうぞケガだけはしないように…
k&kさん こんばんは、 4日間の移動、運転お疲れ様でした。
まずは 間違い探し、どんぐり亭のsp 805d3ですね、拙宅のはXVです。かけたマーラーは5番の四楽章です。映画、ベニスに死すに使われてます。
拙宅のステレオ部屋はほぼやりたいことはやって様子見をしている段階です。サラオットの足踏はPCの再生です。これは全く鳴ればよいという程度なので、これで、評価はしてほしくはないですね。次回はCDをお持ち下さいな!
ほかはまあまあ改善の好結果が出ていたと思います。シアター部屋もまだまだ、改善しますので、また、チェッに来て頂ければと思います。
ありがとう御座いました、
X1おやじさん、
先日は大変お世話になりました。ありがとうございました。
記述の間違いのご指摘ありがとうございました。大変失礼しました。訂正しておきました。
まだ、コロナの後遺症でボーっとしている部分があるのかもしれません。
サラオットのスキャンダルはFile購入なのでCDを持っていないんです。私は最近CDの購入がほとんどなくなっています。なかなか比較が難しい時代になっているかもしれませんね。
K&Kさん
ツアーの詳細レポート、興味深く拝読いたしました。
K&Kさんに拙宅の音を聴いて、いろいろ感想いただき、
今後の調整について、参考になることが多かったです。
Dirac Liveの調整+自分のリファレンス音源では見えなかった、
問題点がK&Kさん持ち込み音源(+Auro3Dさんの音源も)で
あらわになったのは収穫です。
K&Kさんの位相に関する感覚の鋭さ、自分も身に着けたいと思いました。
・エリック・クラプトンのTears in Heavenのギターやボーカル
・アリス・紗良・オット&フランシスコ・トリスターノのSCANDALEの足踏み音
など、自然に聴こえるように再調整していこうと思います。
それにしても、30℃までの気温上昇・夕方の豪雨・落雷は想定外でした。
これに懲りずに、またお気軽にお立ち寄りください。
次回はすこしはマシな音になるように調整しておきたいと思います。
donguriさん、
先日はありがとうございました。標高1000mを超える八ヶ岳であの暑さは全く想定外ですよね。
雨も雷もすごい迫力でした。一番近くに落ちたときは光ってから音がするまでわずか0.数秒くらいだったのでかなりの至近距離でした。
Auro3DさんがDirac Liveを導入されてから自分もかなり勉強させてもらいました。
私自身はDirac Liveを使用しているわけではないのですがSPの各ユニットを物理的に調整するなどで帯域間の位相整合やタイムアライメント調整の効果を実感しました。
Dirac Liveは元々異なる種類のSPを組み合わせる必要があるマルチchサラウンドに必須の技術として登場したのですが、ステレオ再生でもすごく効果があることを発見しました。
エリッククラプトンのあのギターはステレオ音源ですがその効果がわかりやすいのです。
Dirac Live の設定がうまくいったらぜひあの音源でその効果を確認されることをお薦めします。
ただdonguriさんがお使いの805D3は元々位相整合には熱心なB&Wの製品で2wayということもあってそんな大きな違いではない可能性もありますが…
サラオットの床踏み鳴らし音はAuro3D邸でDirac Live ARTの効果が一番わかりやすかったソフトです。コレもステレオ再生なのに…(笑)
将来ARTを導入される機会があればぜひお試しください。
K&Kさん、こんにちは
訪問されたお三人共に、最近様々な改善を試みられているので、ベストタイミングのツアーだったのではと思います。特にAuroさん邸の変化は、えっ、これでサバティカル??と思えるほど、笑。デジタル機器の浄化?の徹底もそうですが、あの大きなSPのバスレフをほぼ殺して、SW主体の低音にするとは驚きでした。100Hz以下をほぼ全てSWで再生すると上手く繋がり難いはずですが、Dirac Liveならではの技かなと言う印象です。実質的なCOはどのくらいになっているのか気になりますが、(これはAuro3Dさんに質問した方が良いかな?)。拙宅でも75Hz以下を一個のSWが受け持ちますが、Diracは上手に繋げます。
Scandalの足踏み音は、Auro3Dさん経由でお聞きして以来、拙宅でも低音のチェックに使わさせて頂いています。柔らかいソックスでも履いた踵で、硬い木床を踏んでいるのではと思っていましたが、素足と聞いて、納得したことを今も記憶しています。柔らかいソックスを履いているのではと思ったので、僅か緩めの低音だったかも、笑。
X1さん邸は、私にとっては異次元なので。一度この耳で聞かせて頂かないと・・・と思いながら、感心しながら拝読しました。
Tomyさん、
コメントありがとうございます。
>えっ、これでサバティカル??と思えるほど、笑。
これについては彼の立場を考えると一般公開の場ではコメントできません。(笑)
たぶん本業の方で成果を上げることが重要ですね。(爆)
Scandalは難しいソフトです。低音再生能力の高いハイエンドの装置をお持ちの方ほど難しいかもしれません。
部屋の低音の吸音処理が肝だと思います。Auro3DさんはそれをARTで実現しています。
低音の吸音はコーナーに吸音材を排したりパネルを貼ったりする程度では不可能で部屋の吸音構造にかかわるので…難しい。
アリス・サラ・オットは好きなピアニストです。病気のため今はあのアルバムのようなテクニカルな曲は難しいのではないかと思いますが、youtubeで公開されている亡き王女のためのパバーヌを聴くと涙が出ます。涙を浮かべながらの演奏ですが、これは病気後のものと思われます。