今年の5月にAuro3Dさんのお宅に訪問したときAuro3Dさんが最近ハマっているネットワーク系アクセサリー類のいくつかを試聴させてもらいました。
その中でちょっと気になったのがUSBパワーコンデショナー。パナソニックのSH-UPX01。装着したときの音の変化は私の好みの方向で、空間が広がるような感じを受けました。
パナソニックが作ったアクセサリーというのも興味を惹かれたので少し調べたところ中身は抵抗とコンデンサという単純な構造のようです。
ウチのメイン機種のOPPO UDP-205に試してみたくなりました。
市場にはパナソニックのSH-UPX01と同じ設計者の手によるユキムのPNA-USB01が入手可能のようですが結構いいお値段なので自作を試みることにしました。
キモは特性の優れたコンデンサを使うことみたい。
中の構造を見たときに5Vの電源間にコンデンサと抵抗をパラに接続されたものだと思って試作を始めました。
電源にデカップリング用のコンデンサを加えると同時に5V電源にバイアス電流を流すための抵抗を配置するのだと思ったのです。
ところがネット上で見た開発者の記事を見ると抵抗とコンデンサは直列に接続しているとのこと。
JASジャーナル目次
パナソニックの推定回路は以下の通り。
あくまでも記事と写真をみて推定したものなので本当にこれが正しいかどうかは不明です。
私の経験上では電源間にこのような抵抗とコンデンサを直列にして効果があるというのは理解不能でしたが一応この設計に沿って試作してみました。
部品調達上の都合で抵抗値をオリジナルの33Ωから180Ωの金属皮膜抵抗を5本パラにした36Ω、コンデンサを1200pFの3個パラの計3600pFから0.1μFのパラに換えたものでOPPOのUSB端子に差して試したのですが。ほとんど差がわかりませんでした。
それで5Vラインのデカップリング・コンデンサの効果を狙った以下のような回路構成で試したところこちらのほうは効果がありました。
この最終試作はUSBコネクターの内部に680pFのポリプロピレン・フィルムのコンデンサを入れ短いケーブルを介して0.1μFの旧ソ連製のシルバーマイカコンデンサと0.1μFをパラにして5VとGND間に接続しています。
そして180Ωの金属皮膜抵抗を2本パラにしてコンデンサにパラに加えています。
これは5Vラインにバイアス電流を流すため。バイアス電流は約56mA。この程度であれば機器側の大きな負担にはならないと思っています。
USBの電源は外部機器からの電源からの電流の逆流を防ぐためダイオードを使用しているはず。
もしその電源区画に負荷電流がなければデカップリングコンデンサの効果は薄いかもしれないなどと考えてのことです。ただ、機器内の電源の構成や配線がどうなっているのかわからないのであまり意味ないかもしれません。
下の写真はその試作品。USBコネクター内にコンパクトに収められたオレンジ色の680pFのポリプロピレン・コンデンサが見えます。この配置が効果的だったかもしれません。
結果はまずまず。ビックリするほどの効果ではありませんが、差はわかります。
傾向としては音響空間が広がる感じ。
オリジナルの開発者の方の意図からは外れてしまっていると思いますが、私としては満足。たぶんこの件はこれ以上の深入りはしないかも。
AVアンプ用にもう1個作ってそれで終わりとなると思います。
この件についてのきっかけを作っていただいたAuro3Dさんには感謝しています。
コメント ※編集/削除は管理者のみ
K&Kさん
おお、ついに完成させましたか! いやあ、K&Kフィルターの時もそうでしたが、さすがですね!こういうのをサクッと自作できてしまうところは、うらやましい限りです。こちらの購入金額の10分の一ぐらいの材料費でしょうか?(笑)
音はもちろん写真からは分かりませんが、見た目は個人的にはできれば205の裏のポートに差したいかも…(笑) まあでも、工学系の方はこういう「ハンダごての跡」がむき出し、っていうのが格好いいと思われるところもあるんでしょうね!
これは完全に傳先生の受け売りですが、ネットワークオーディオの世界はアクセサリー類の影響力が相対的に高いそうで、K&Kさんのように回路設計から工夫できる方は、もしかすると一財産作れるかもしれませんよ!(笑)
帰国後に是非、効果を拙宅のシステムでも検証させてください!!!
Auro3Dさん、
コメントありがとうございます。
>音はもちろん写真からは分かりませんが、見た目は個人的にはできれば205の裏のポートに差したいかも…(笑)
ハハハ、…そうですよね。もっと外観も考慮して作ればいいのですが、私にはそんな工作のウデやセンスがないのでしょうがないです。ウラに装着すればいいのでしょうが、手が届きにくいし音も変わる可能性があるので横着してます。
ハンダ付けも目が悪くなっているので美しい仕上がりには程遠く、近くで見られるのは恥ずかしいです。(笑)
材料費はソ連製のシルバーマイカ・コンデンサの入手価格が結構高いですが、ご想像に近い感じです。
今回の試みは突っ込みどころも多いし、こんなんで何で音が変わるのか自分でも理解に苦しみます。あまり深入りしない方がよさそうだと思っています。
ただこれの有り無しの違いはカミさんにも聴いてもらって確認済です。
カミさんは職業柄クラシック系の音楽については詳しいですがオーディオの聴き比べは慣れてないし、聴いたソースは専門外の女性ボーカルだったので判別は難しいかなと思ったのですが、結構的確に差を認識していました。